極度の貧困と飢餓の根絶などをめざすミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限まであと2年と迫るなか、去る9月25日国連総会においてMDGs特別イベントが開催されました。 このイベントでは、MDGs達成のための加速化とポストMDGs(2015開発アジェンダ)について議論されました。
しかし、目標達成のための手段である資金問題については十分議論されるには至らず、これまで通り先進国の国民総所得(GNI)の0.7%を政府開発援助(ODA)として拠出する ことを確認したにとどまりました(2012年のODAはGNI 比0.29%で、これで2年連続減少)。
一方、来年にはポストMDGs の中の、とくに「持続可能な開発のための資金問題」について国連での議論が始まります。これに向けて専門委員会がすでに発足しております。 また、気候変動枠組み条約関係でも来年には長期資金(2020年までに年間1000億ドル拠出)の戦略を提示しなければなりません。
こうした国連レベルを含む国際社会のなかにあって、ポストMDGsにおける資金問題について、フランスやLGでの経験を長く有するリスチャン・マセ駐日フランス大使に語って いただきます。同時に、革新的資金メカニズム(含む国際連帯税・金融取引税)の可能性と展望について探ります。
ひるがえって、国際連帯税や金融取引税は世界の租税史の中でどう位置付けられるべきか、そしてこれらの税制は新しい時代を画することができるか--という理論的諸問題 につき、京都大学の諸富徹教授が本年『私たちはなぜ税金を納めるのか―租税の経済思想史―』という本を出版され社会的に注目されています。教授からそのエッセンスにつ いて語っていただき、グローバルかつ現代的な課題としての国際連帯税を学びます。
日本においては、2008年に超党派の国際連帯税創設を求める議員連盟が創設されて以降、議員連盟とNGO・市民社会が、革新的資金メカニズムとりわけ国際連帯税について5年越 しの取組みを展開してきています。日本政府・外務省も2009年以来、新年度税制として国際連帯税を要望してきました。このように日本においても持続可能な開発資金として の国際連帯税実現の気運は確実に高まっています。本シンポジウムを機にいっそう国際連帯税に関する世論を高め、貧困、環境破壊、格差のない次の時代をめざしていきたい と思います。みなさまのご参加をお待ちしております。
<プログラム(予定)>
◆あいさつ
・主催者あいさつ…金子文夫(国際連帯税フォーラム代表理事/
・国会議員あいさつ…衛藤征士郎(
◆報告
・報告(1)「ポストMDGsと国際連帯税~
クリスチャン・マセ(駐日フランス大使)
・報告(2)「国境を超える税制度:国際連帯税・
諸富 徹(京都大学大学院経済学研究科教授)
◆パネル討論
・ファシリテーター:上村雄彦(横浜市大国際総合科学群教授)
・パネラー:上記のお二人の報告者
◆提案と閉会のあいさつ
・田中徹二(国際連帯税フォーラム代表理事)
◆総合司会:成田好孝(世界連邦21世紀フォーラム)
<メインスピーカーの紹介>
◆クリスチャン・マセ(Christian Masset)
国立行政学院(ENA、ルイーズ・ミシェル期生)卒業後、
に入省。2007年に外務省経済・財務局長(DAEF)、
発総局が合併されたグローバル化・開発・
間、LG常設事務局の総責任者を務める。
務める。
◆諸富 徹
京都大学大学院経済学研究科教授(専攻は財政学、環境経済学)。
◎日 時:2013年12月8日(日) 13時30分~16時30分(13時開場)
◎会 場:青山学院大学 17号館3階17310教室
(東京都渋谷区渋谷4‐4‐25)
アクセス⇒ http://www.aoyama.ac.jp/
◎資料代:500円(ただし、学生は無料)
<主催・共催・後援>
◎主 催…国際連帯税フォーラム
◎共 催…国際連帯税創設を求める議員連盟
動く→動かす(GCAP Japan)
◎後 援…オープン・ソサエティ財団
ユニットエイド(UNITAID:
日本生活協同組合連合会
世界連邦日本国会委員会
◎言 語…(日英)逐語通訳が入ります