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国際連帯税フォーラムのこれまでの歩み
2014.03.05
国際連帯税フォーラムのこれまでの歩み

●2011年国際連帯税フォーラム設立までの経緯

国際連帯税の取り組みの出発点は、2006年2月開催された国際的な旗揚げである「国際連帯税に関するパリ国際会議」でした。この会議で、フランスなど航空券連帯税実施国の発表や「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ(以下、LG)」創設が決まりました。

 

日本での国際連帯税の取り組みは、当初NGOや研究者中心でしたが、2008年2月「国際連帯税創設を求める議員連盟」(以下、議連)が設立され、政治レベルでの取り組みにもなりました。当初日本政府は国際連帯税に対して後ろ向きでしたが、議連の強い働きかけもあり、同年9月にLGに正式加盟することになりました。

 

翌2009年には、議連よりの「国際連帯税とりわけ通貨取引税に関する実現方法等の検討」依頼を受けて、寺島実郎・日本総合研究所理事長を座長とする国際連帯税推進協議会が4月に発足しました。また同年同月、これまで国際連帯税活動を行ってきたNGO・市民、専門家が集まり、国際連帯税を推進する市民の会(アシスト:Association of Citizens for International Solidarity Taxes)が設立されました。

一方、2008年9月のリーマン・ショック以降100年に1回という世界的に深刻な金融危機が起こり、その原因となった過剰な投機マネー、強欲金融資本に対する批判がまき起こりました。欧州においてはNGOや労働組合のみならず政治指導者も金融規制の必要性、その一環として金融取引税の必要性を提案するようになってきました。2010年2月には英国では金融取引税実施を求めるロビン・フッド・タックス・キャンペーンが設立され、このキャンペーンが欧州全体に拡大してきました。

日本においても欧州等でのキャンペーンと連動しつつ、2010年9月より国際連帯税共同キャンペーン実行委員会(以下、共同キャンペーン)を立ち上げ、議連とともに日本政府へのロビー活動を行ってきました。政府側は、当初外務省が国際連帯税に積極的であったことから、22年度税制調査会の専門家委員会・国際課税小委員会で「貧困問題、環境問題等の地球規模の問題への対策のための財源確保」という観点から議論されました。しかし、結果は「今後、真摯に検討します」ということになり23年度実施は見送りとなりました(23年度税制改正大綱)。

同年12月16-17日日本政府が議長国となりLG第8回総会が東京で開催されました。この総会を盛り上げる意味もあり、前日の15日には共同キャンペーン主催で「連帯と希望:国際連帯税を実現するための国際シンポジウム」を開催し、これには内外のNGO・労組、専門家など100人近い参加がありました。また、NHKなどマスメディアも総会やシンポジウムを大きく取り上げて報道しました。

 

共同キャンペーンに参加していたNGOや労働組合は、共同キャンペーンの役割が終わったことを確認し、2011年よりあらたな運動体(広場)を目指し、国際連帯税フォーラム準備会を発足させました。

 

背景として次のことがありました。第一に、11年より金融取引税に積極的なフランスがG20議長国に就任し、G20サミットにおいて金融取引税が主要課題になる可能性が高いこと、従って、欧州や米国のNGO等もG20を射程にしてキャンペーンを活発化していること、です。第二に、国内的にも昨年の活動の経緯もあり、これまで以上の運動の広がりが期待されること、です。このようなことから4月フォーラム設立を目指し、準備会を進めてきました。

 

ところが、本年3月11日未曾有の東日本大地震が生起し、同時に福島第一原発重大事故も発生し、準備会活動の延期を余儀なくされました。この間、日本の大災害に対して世界中の国々や市民から援助が寄せられましたが、中でも昨年大地震にあい20万人以上の死者を出した中南米ハイチをはじめとする最貧国の多くからも温かい援助がありました。「苦難や痛みを共有し、国境を越えて連帯を」というグローバルな連帯の精神をもって、私たちは国際連帯税フォーラム設立に向け活動を再開します。【以上、2011年6月25日フォーラム設立総会議案書より】

 

主な活動実績:2011625日~2012331

・2011年6月25日 国際連帯税フォーラム(以下フォーラムと略)設立総会&シンポジウム

(会場:青山学院大学)-参加者:70人、

・8月2~5日 議連総会に向けて議員等へのロビー活動(国際連帯税新スキームの説明兼て)

・8月8日 議連総会

-外務省から政府税制調査会に対し国際連帯税新設要望を上げてもらうための外務大臣要請を行うことを確認

・9月29日 齊藤内閣官房副長官と玄葉外務大臣への要請行動(議連並びにフォーラムの連名で要請文提出)

・10月29日 国際連帯税2011シンポジウム(会場:東洋大学)

-参加者:70人弱、目的:市民啓蒙とG20サミットに向けての首相提言

・2012年2月6日 議連(臨時)総会&勉強会

-一部役員交代、欧州債務危機問題と金融取引税の勉強会

・2月27日 院内学習会「欧州危機から国際連帯税(金融取引税)へ」

-講師:浜矩子先生(同志社大学教授)、上村雄彦先生(横浜市立大学准教授)

-参加:議員本人7人・議員代理出席21人、市民35人

・3月15日 「国際連帯税提言書」野田総理へ手交 <主催は世界連邦国会委員会>

-出席)議連側:世界連邦国会委員会8人、国際連帯税議連2人

政府側:野田総理、本多首相補佐官、峰崎内閣官房参与

-提言)「国際連帯税(日本版FTT)実施に向けた総理直轄の検討委員会(タスクフォース)設置を」

-回答)「今後もG20など、国際連帯税が話題になる時に是非皆さんの知恵を貸してほしい」「そ

の課題はよく分かっている。また皆さんの知恵を貸してほしい」(総理)

 

●2011~2012年の情勢とフォーラムの活動>

フランスはLGのリード国でありますが、2011年はG20サミットの議長国でもありました。サルコジ大統領は年頭からサミットの主要議題のひとつとして金融取引税(以下、FTTと略)を挙げていました。さらに、ドイツもそれに同調し、欧州債務危機が進行する中、8月17日サルコジ大統領とメルケル首相が、ファンロンパイEU議長に対し、欧州においてFTT導入を求める書簡を送りました(欧州議会では決議が上がっている)。

 

そして9月28日にはついに欧州委員会がタックスベースの広いFTT、つまり株・債券・デリバティブ取引に課税を求める法案を欧州連合と加盟各国に提案しました。しかし、金融資本の牙城であるシティーを抱えている英国やスウェーデンがこれに反対しました。

 

さらに11月のG20カンヌ・サミットにおいて、サミット史上はじめてFTTが議論されましたが、ここでも英国が、そして米国やカナダが反対に回りました。

 

今年に入り、欧州では3月の財務大臣会合で本格的に欧州委員会案の議論がはじまりましたが、いぜんとして結論がでず、6月の首脳会議が次の山になる情勢となっています。2月にはフランス議会が8月からの(国内での)FTT導入を可決・成立させました(株取引への課税、高頻度取引への特別税など)。

 

米国では、昨年秋から「1%(富裕層)対99%(我ら)」をスローガンとしたオキュパイ運動が盛り上がり、その運動の象徴としてFTTの要求が掲げられました。また、米国では労働組合が熱心で、とくに看護師組合(NNU)が先頭に立っています。こうした動向から与党民主党議員を中心にウォール・ストリート税(FTT)要求がやや勢いを増しつつあります。

 

日本では、2009年に政府レベル(税制調査会)で国際連帯税議論がはじまりましたが、2年続けて検討課題として先送りされてきました。こうした事態を打破するために、私たちは国際連帯税創設を求める議員連盟(以下、連帯税議連)と連携しつつ活動してきました。しかし、11年度も国際連帯税は検討課題にとどまり、壁を打破するには至りませんでした。

 

そういう中で、本年3月15日、野田総理に対して「国際連帯税提言書」を手交することができました。これは世界連邦日本国会委員会や国際連帯税創設を求める議員連盟など主に国会議員のみなさんのがんばりによるものですが、私たちも総理要請の準備を手伝ってきました。ともあれ、今後国際連帯税に関する提言をダイレクトに総理官邸に発出できる地平を切り開いたと評価できます。【以上、2012年5月19日フォーラム第2回総会議案書より】

 

◆主な活動実績:201241日~2013331

 ・2012年5月19日 フォーラム第2回総会&水野和夫氏(内閣府官房審議官)記念講演

(会場:青山学院大学)-参加者:72人

・6月11日 駐日フランス大使館・マセ大使と議連との懇談会にオブザーバー参加

・6月15日 G20ロスカボス・サミットに向けて首相(代理・齊藤副官房長官)、外務大臣(代理・加藤大臣政務官)要請行動<議連並びにフォーラムの連名で要請文提出>

・9月3日 議連2012年度総会(議連会員67人に)

-2012年度役員改選、平成25年度税制改正に向けた提言、10月IMF・世銀総会サイドイベント「国際シンポジウム」

・9月6~7日 平成25年度税制改正に向けて首相(代理・齊藤官房副長官)、財務大臣(代理・藤田副大臣)、外務大臣(代理・加藤政務官)要請行動<議連並びにフォーラムの連名で要請文提出>

・10月11日「国際シンポジウム: 金融取引税・国際連帯税は世界を救うか?~開発のための革新的資金調達に関する世界のリーダーと市民社会の対話」(会場:青山学院大学国際会議場)

-参加者:230人

-スピーカー

<リーディング・グループ関係・閣僚>

フィンランド国際開発大臣ハイディ・ハウタラさん(リーディング・グループ議長)

駐日マリ大使マハマン・バニア・トゥーレさん(ティエーナン・クリバリー財務大臣の代理)

フランス開発大臣のパスカル・カンファンさんはビデオでの参加

<リーディング・グループ関係・政府>

フランス外務省グローバル化局副局長のジャン・マルク・シャテニエさん

日本外務省大使・地球規模課題審議官石井正文さん

<国会議員関係>

ドイツ連邦議会議員・金融委員会カーステン・ジーリングさん

日本国際連帯税創設を求める議員連盟会長(参議院)林芳正さん

日本国際連帯税創設を求める議員連盟事務局長代理(参議院)石橋通宏さん

<労働組合関係>

ITUC(国際労働組合総連合)グローバルユニオン・ワシントン事務所長ピーター・バクビスさん

国際公務労連アジア・太平洋地域事務所事務局V.ラクシミさん

<NGO関係>

英国Stamp Out Poverty事務局長デービット・ヒルマンさん

フランス国際保健活動者連合事務局長パトリック・ベルトランさん

国際連帯税フォーラム代表理事/横浜市立大学教授金子文夫さん

横浜市立大学教授上村雄彦さん

日本リザルツ事務局長白須紀子さん

「動く→動かす」(GCA-J) 事務局長稲場雅紀さん

-最後に「金融取引税など革新的資金メカニズムを実施するための国際アピール」を採択

・2013年2月6日 「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ」第11回総会(ヘルシンキ)への参加

・2月8日 議連2013年度第1回役員会

・2月19日 リーディング・グループ総会報告会(参加者:26人)

・2月26日 議連勉強会

-講師:上村教授「リーディング・グループ総会報告」

・3月25日 議連2013年度第1回総会&勉強会

-講師:マセ駐日フランス大使「国際連帯税はなぜ必要か」

 

●2012~2013年の情勢とフォーラムの活動

前年度においては、「はじめに」で述べた「国際シンポジウム: 金融取引税・国際連帯税は世界を救うか?」の取組みもあり、久しぶりにマスメディアでこの種の問題が取り上げられました(東京新聞や共同通信など)。朝日新聞は『金融取引税―欧州の新たな挑戦』と題した社説を掲載し、「…日本も消極的だが、ここは欧州の挑戦を重く受け止め、再考の契機とすべきだろう」との主張を掲げました(10月17日付)。

前年度ではありませんが、本年5月30日横浜で「TICAD Vパートナー事業: アフリカの発展と国際連帯税・金融取引税に関するシンポジウム」を開催しましたが、神奈川新聞などのマスメディアが大きく取り上げ、なかでも朝日新聞は『国際連帯税―国を超えた絆づくり』   と題した社説を掲載し、「日本は、国連への拠出金や政府の途上国援助(ODA)に資金を出しているが、財政難から予算は伸び悩んでいる。新しい発想でお金を集め、世界との絆を強める取り組みを育てていきたい」と主張しています(6月12日付)。

 

さて、日本の政治経済情勢の最大の変化は、昨年12月衆院議員選挙の結果、与野党が逆転したことです。このことにより私たちは「国際連帯税創設を求める議員連盟」(以下、議連)の存続が心配されましたが、川口順子元外相が議連の会長に就任するなど、結果としてこれまでと変わることなく活動が進められています。しかし、私たちのロビイングの弱さもあり、新政権は2013年度税制改正大綱から国際連帯税を外してしまいました。

 

一方、世界的には欧州でのFTT導入の動きが最大の変化と言えます。2011年9月に欧州委員会が「2014年にFTTの導入を求めるEU指令案」を提出しましたが、英国等が反対しEU全体(27カ国)での導入が危ぶまれました。その後議論が進められ、昨年10月には「強化された協力」という法的手続きで11カ国が先行導入することに合意し(欧州委承認)、12月には欧州議会が圧倒的多数でFTT導入を採択しました。そして翌年1月には欧州財務相理事会が採択し、2月に欧州委がFTTの11カ国導入計画を正式に提案する運びとなりました。

 

ところが、4月に入り英国がEU司法裁判所に提訴など反対する動きも活発化しています。しかし、2014年度中には(提案内容に若干の変更があるかもしれませんが)導入されることは間違いのないところです。注目していきましょう。【以上、2013年6月23日フォーラム第3回総会議案書より】

 

◆主な活動実績:201341日~

・2013年4月16日 津島雄二先生と議連役員懇談会

・4月26日 国際連帯税政策オプション作業チームの設置

-有識者14人、議連3人で構成

・5月15日 【緊急セミナー】世界の富を吸い込み、貧困と格差を助長するタックスヘイブン

~日本の経済と途上国開発をつなぐ租税回避問題を考える~(参加者80人)

-講師:志賀 櫻(弁護士)、山田太雲(オックスファム・ジャパン)

・5月16日 国際連帯税政策オプション・第1次案まとめる

・5月22日 同1次案の議連第1回検討会

・5月30日 TICAD Vパートナー事業「アフリカの発展と国際連帯税・金融取引税に関するシンポジウム~MDGs達成とUNITAIDなど革新的資金調達に向けたグローバルリーダーからの提言~」(会場: 神奈川県民センター・ホール)

-参加者:150人

-スピーカー

<あいさつ>

白須紀子(国際連帯税フォーラム代表理事/日本リザルツ代表)

川口順子(国際連帯税創設を求める議員連盟会長/参議院議員)

<報告と討論>

上村雄彦(横浜市立大学教授):「国際連帯税・金融取引税の意義と最新動向」

イボンヌ・チャカ・チャカ(南アフリカ歌手、ロールバック・マラリア親善大使):

「アフリカの現実を知ろう」

シャムスディーン・ウスマン(ナイジェリア国家計画大臣、LG議長)【ビデオ参加】:

「MDGsの達成及びポスト2015開発アジェンダの実施における革新的資金調達の役割」

ドゥニ・ブルーン(UNITAID事務局長):

「UNITAID:国際保健のための革新的資金ファシリティ」:

石橋通宏(国際連帯税創設を求める議員連盟事務局長/参議院議員):

「国際連帯税創設を求める議員連盟(日本)の活動と国会の動向について」

<今後の活動提案>

田中徹二(国際連帯税フォーラム代表理事/アシスト代表)

・6月7日 国際連帯税政策オプション1次案の議連第2回検討会(外務省・財務省も参加し意見交換を行う)

・6月10日 国際連帯税政策オプション・第1次最終案完成

・6月12日 議連総会

-「国際連帯税政策オプション・第一次案」についての報告と意見交換(作業チームからの報告:田中徹二、上村雄彦)

・6月23日(日) フォーラム第3回総会&志賀 櫻氏(弁護士)記念講演(会場:青山学院大学)-参加者:70人

・8月7日 議連総会

-衛藤新会長就任、26年度税制改正に向けての議論

・8月29日 議連、総理官邸申し入れ(対菅官房長官)

-参加議員:衛藤会長以下8人

・10月3日 議連第2回勉強会(講師:諸富徹京大教授)

・10月8日 世界基金日本支援委主催のUNITAID報告会

-出席:ドゥニ・ブルーン事務局長、ヴァレリー・テラノバ特別顧問

-その後、衛藤会長・石橋事務局長との懇談

・11月19日 議連2013年度第4回総会

-26年度税制改正要望に向けて

・12月8日「ポストMDGsと国際連帯税・金融取引税に関する国際シンポジウム~貧困、環境破壊、格差のない次の時代をめざして~」(会場:青山学院大学)

-参加者95人

-スピーカー

<あいさつ>

金子文夫(国際連帯税フォーラム代表理事/横浜市大副学長)

石橋通宏(国際連帯税創設を求める議員連盟事務局長/参議院議員)

<報告>

クリスチャン・マセ(駐日フランス大使)

「ポストMDGsと国際連帯税~フランスの経験から~」

諸富 徹(京都大学大学院経済学研究科教授)

「国境を超える税制度:国際連帯税・金融取引税の歴史的意義」

フィリップ・ムニエ(エイズ・感染症担当大使/フランス)

「エイズ・結核・マラリアなど感染症との戦いとユニットエイド」

<今後の活動提案>

田中徹二(国際連帯税フォーラム代表理事)