2015.12.11
28年度税制改正大綱:国際連帯税盛り込まれず>4年連続
平成28年度の(自民党)税制改正大綱・案が昨日公表されましたが、国際連帯税については今回も盛り込まれませんでした。これで、政権が交代した25年度大綱から4年連続して国際連帯税の文言が外されたことになります。
ただし、国際連帯税に繋がる関連部分として、次のような記述がなされています。「また、わが国の経済社会の変化や国際的な取組の進展状況等を踏まえつつ、担税力に応じた新たな課題について検討を進めていく」(第一 平成28年度税制改正の基本的考え方)。この記述は、平成26年度以降3年連続してなされています。
今年も、自民党税制調査会レベルまで国際連帯税案件は上がるものの、そこからの進展が今回も図れませんでした。私たちの力不足を反省するのみです。
ともあれ、この税制改正全体の動きを見てみるならば、与党が消費税の軽減税率問題ですっかりエネルギーを取られ(本日に至るも最終合意はみていない)、肝心の税制の役割としての所得や資産の再分配、格差是正に向けた抜本的改革がなされなかったことです。
民間税調共同代表の三木義一青山学院大学教授は「(今回の税制改正の点数)20点:所得税の抜本的改革など必要な改革が手つかずのまま。軽減税率は不公正な業界の要望を生み出し、税で票を買う従来型政治に戻る原因も」(本日付日本経済新聞)、と分析しています。