政府・与党は12月8日、平成29年度の税制改正大綱を決定しましたが、国際連帯税については今回も盛り込まれませんでした。これで、政権が交代した25年度大綱から5年連続して国際連帯税の文言が外されたことになります。
ただし、国際連帯税に繋がる関連部分として(*)、毎年のことですが、次のような記述がなされています。「また、わが国の経済社会の変化や国際的な取組の進展状況等を踏まえつつ、担税力に応じた新たな課題について検討を進めていく」(第一 平成29年度税制改正の基本的考え方)。
与党の(合同)税制調査会で国際連帯税につきどのような議論がなされたのかはまだ分かりませんが、前年度には(政権交代以後はじめて)議論のテーブルに乗り、「長期的な検討課題扱い」となりました。今年はここから前進したのか、あるいは後退したのか、が問題です。
税制改正に向けて、この間フォーラムは有力国会議員、府省庁へ一定ロビー活動を行いました。また、国際連帯税議員連盟も外堀を埋めるべく航空業界との意見交換などを行いました。さらに、外務省も独自で動いていました。しかし、税制調査会全体また官邸を動かすまでには至りませんでした。
ともあれ、5年連続して大綱に盛り込まれなかったという現実を見据え、今後抜本的対策を考えていきたいと思います。
(*)国際連帯税に繋がる関連部分について:
平成26年度税制改正大綱では、「(税制抜本改革法)においても示されているこうした課題について検討を進め、所要の措置を講ずる。また、今後、内外の社会情勢の変化を踏まえつつ、担税力に応じた新たな課税について検討を進める」と記述されましたが、この税制抜本改革法が連帯税に繋がる根拠です。
つまり、この「税制抜本改革法」(2012年8月国会で成立)では、その第7条の7で「国際連帯税について国際的な取組の進展状況を踏まえつつ、検討すること」と謳っています。ですから、「こうした課題について検討を進め、所要の措置を講ずる」という中に国際連帯税も含まれることにもなります。
注)「税制抜本改革法」の正式名は「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」。