2017.11.07
「パラダイス文書」:三木義一・青山学院大学長のコメント
先月末に第2のパナマ文書が出るかもしれないという報道が一部にありましたが、予想を超えて「パラダイス文書」として公表されたものは電子ファイル1340万件(パナマ文書は1150万件)に上るというぼう大な資料のようです。
また、パナマ文書の出所はパナマのモサック・フォンセカ社で、ほとんど米国の会社や個人の名前は出てきませんでした(なのでCIA説が流れた)。が、今回のパラダイス文書の出所の法律事務所「アップルビー」は主に米英系の会社・個人を顧客に持っているようです。従って、とくに米国の権力中枢やグローバル企業の実態が明らかにされてきています。ロシアとの<秘匿されていた資金の>繋がりがこれほどあるとは!驚いてしまいます。
さて、昨日(6日)の朝日新聞の「パラダイス文書」の記事につき、三木義一先生のコメントが載っていましたので紹介します。
●高い「守秘性」の闇に光あてた意義大きい 《三木義一・青山学院大学長(租税法)の話》
タックスヘイブンの利用について、日本企業では、租税回避を目的としているのは一部で、(税制や規制などで有利な国に船籍を置く)便宜置籍船や海外の企業の買収などが多いと言われている。一方で、日本で納税されるべきお金がタックスヘイブンに流れているのも事実だ。タックスヘイブンは「守秘性」が高く、通常はその利用法が適切かどうか、一般市民が知るすべさえない。その闇に光をあてる意味でも、秘密文書がその一部をつまびらかにする意義は大きい。本来であれば、企業が積極的に開示していくのが望ましいだろう。
【朝日新聞】商社・損保・海運…日本企業も「パラダイス文書」に続々