大連立に向け協議が続いていたドイツのメルケル首相側(CDU・CSU)とシュルツ党首側(SPD)とがようやく12日に「大連立政権継続のため政権協定交渉入りを目指す方針で合意」(13日付毎日新聞)しました。まだ下記のようにSPD側の組織上の理由により本格的な「政権協定交渉入り」ができるかどうかは流動的ですが。
ともあれ、(本格交渉入り前の)合意内容のハイライトがブルームバーグ電子版に載っていますので紹介します。米系インターネット企業への「公正な課税」を求めることや、実質的な欧州金融取引税(FTT)の導入を目指すこと等、実に興味あり、ですね。
欧州FTTについては、昨年9月のマクロン仏大統領の「欧州FTT再起動発言」や同12月の仏4閣僚による「気候変動対策のための資金調達として欧州FTT発言」にもあるように、FTT議論は欧州ではまだまだ健在です。1日も早い独仏連携による欧州(または10カ国)FTTの実施に向けて再度具体的に動き出すことが望まれています。
◎Agreement Highlights(合意されたうちのハイライト部分)
・Pledges not to increase overall tax burden on citizens
(市民全体の税負担を増やさないことを約束する)
・Prepared to contribute more to EU budget
(EUの予算にもっと貢献することを準備する)
・Calls for “fair taxation” for Internet companies such as Google,Apple and Amazon
(グーグル、アップル、アマゾンなどのインターネット企業への「公正な課税」を求める)
・Targets introduction of substantial European financial transaction tax
(実質的な欧州金融取引税の導入を目指す)
・Wants building of nationwide Gigabit network by 2025
(2025年までに全国規模のギガビットネットワークの構築を望む)
・May increase clean power share to 65% from 38%
(クリーンな電力シェアを38%から65%に増やすことができる)
・Plans to subsidize construction of 1.5 million new apartments
(150万戸の新規アパート建設を補助する計画を立てる)
【bloomberg】Merkel’s Bid to End German Gridlock Hangs on Key SPD Vote
とはいえ、SPD(社民党)内では、党青年部や左派の大連立反対論が強く、今後政権協定交渉入りが承認されるか、されたとしても実際政権参加するかどうか、まだまだ紆余曲折がありそうな気配です。