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金融バブル崩壊は「もし」ではなく「いつ」起きるか!>日経コラムより
2018.03.21
金融バブル崩壊は「もし」ではなく「いつ」起きるか!>日経コラムより

先の2月上旬の米国株相場の暴落により、主にVIX(恐怖指数)などのボラティリティ(変動率)に関連する商品への投資(投機)家が巨額の損失を被りましたが、金融市場そのものを揺るがすほどではありませんでした。

 

ところが、下記の日経新聞のコラム[一目均衡]にありますように、10年間にわたる世界の中央銀行による超金融緩和政策による超過剰流動性の存在は、投機家をしてリスクを度外視した金融商品へと群がり金融バブルを生じせしめています。

 

・格付けが投機的水準の企業が発行する「ハイイールド債」に4340億ドル(48.6兆円)弱発行
・低格付け企業への融資である「レバレッジドローン」に1.3兆ドル(145.6兆円)超に 等

 

もしこれらの債券などが不払いとなり、連鎖的に企業倒産等が生ずればどうなるか。現在米国の経済は絶好調ですからすぐには“企業の連続倒産⇒金融セクターの毀損”というサイクルにはならないでしょうが、10年もブームが続いていますので景気循環から言って、そろそろやばくなってきています。

 

それで、このコラムの結論は、みずほ総合研究所の長谷川克之市場調査部長の「金融市場は再びバブルの様相を示している。その崩壊は『イフ(もしかしたら)』ではなく、『ホエン(いつ)』の議論ではないか」という言葉を紹介し、「危機から10年を経て、こんな声が少しずつ市場に増え始めている」としています。

 

それにしても、このまま行きますとバブル崩壊⇒金融システム危機となりいつか来た道となります。経済と政治のエリートたちは1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマンショックによる恐慌的危機(日本独自では1991年バブル崩壊がありました)を経てもなお、強欲金融主義にどっぷりと浸ったままのようです。バブル制御のための金融取引税をしつこく粘り強く要求する所以です。

 

【日経新聞】[一目均衡] 危機後10年、リスク随所に  証券部次長 山下茂行
2018/3/20 

…前略…
 リスクを度外視し、少しでも利回りの高い金融商品に投資家が群がる状況は危機前をほうふつとさせる。当時は信用力の低い住宅ローン「サブプライム」を組み入れた複雑な証券化商品が飛ぶように売れた。
 足元の過熱ぶりは、いくつかの面で当時を上回ってきた。
 格付けが投機的水準の企業が発行し、利回りが比較的高い「ハイイールド債」は、17年に世界全体で4340億ドル弱発行された。危機前のピークである06年(約1840億ドル)の2.4倍だ。
 低格付け企業への融資である「レバレッジドローン」は米国での実行額が17年に前年比で一気に5割近くも増え、1.3兆ドル超になった。こちらは危機前ピーク(07年の7100億ドル)の1.8倍強だ。
 高リスクの「コベナンツ・ライト・ローン」の比率も上昇している。財務の悪化状況に応じて前倒し返済を義務付ける財務制限条項が緩い半面、利率が高いのが特徴だ。
 17年は、米国でのレバレッジドローンのうち5割近くをコベナンツ・ライトが占めた。危機前はせいぜい1割程度だった。
 これらの理由は明らかだ。危機後に世界の中央銀行が過去最大の金融緩和に動き、先進国の国債の利回りを極端に押し下げたからだ。

□  ■  □

 米10年債利回りは16年に1.4%程度まで低下した。危機前も当時としては低金利といわれていたが、それでも4~5%程度を保っていた。
 先進国の国債は世界の投資家の「主食」である。その利回りが要求水準にとどかなくなれば、飢えた投資家は毒性の高い金融商品にも手を出すようになる。低金利はリスク感覚をいとも簡単に破壊する。
…後略…