全省庁からの平成31年度(2019年度)税制改正要望が出揃いましたが、外務省は今年も「国際連帯税(国際貢献税)」を要望しました。これで10年連続です。要望内容は、ほぼ例年通りですが、国際的な動向に併せて、積極的な提案も目立ちます。以下、2つ上げます。
①『内容』の項:「本年6月の第5回SDGs推進本部会合では,拡大版SDGsアクションプラン2018を決定し,安倍総理は来年のG20サミットとTICADに向け、次世代への保健・教育分野の取組を強化する意向を表明した」
②『新設・拡充又は延長を必要とする理由』の項:「平成31年のG20サミット、TICAD7、SDGsのフォローアップを行う首脳級の国連ハイレベル政治フォーラムに向けて,SDGsの実施を我が国として積極的にリードしていくとの観点からも,中長期的な幅広い開発資金の確保に率先して取り組んでいく必要がある」
国際連帯税の役割は、基本的には世界の貧困や気候変動問題等の地球規模課題のための資金となるものですから、このような積極的な提案は大いに歓迎するものです。
ところで、外務省の要望書でも述べていますように、「国際連帯税に関する(政府による)検討」は2012年8月の国会で決定したものです。つまり、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律(税制抜本改革法)」の第7条第7号で。このことから、私たちは先月の国際連帯税シンポジウムで以下のことを採択し、河野太郎外務大臣に提出しました。
「国際連帯税の導入に向けた具体的な検討を行うにあたっては、政府内に省庁横断的な会議体を設置するとともに、その下に専門家・有識者及びNGOや市民団体の代表者等からなる『有識者検討委員会(仮称)』を設置することを要請します」、と。あらためて私たちは、外務省(外務大臣)が省庁横断的な会議体ならびに有識者検討委員会設置のためのイニシアチブをぜひ取っていただくこと、このことを強く要請する次第です。