2015年の第3回開発資金国際会議でアディスアベバ行動目標(Addis Ababa Action Agenda)が採択され、毎年フォローアップのための開発資金に関する経済社会理事会年次フォーラムが開催されることになりました。今年は4月15-18日の4日間第4回会合が開催されます。
そして4月16日には“開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ(LG)”が「持続可能な開発のための革新的資金調達:規模とインパクト」と題してサイドイベントを開催します。下記外務省報道にもありますように、今回のイベントでは「国際連帯税」が重要なテーマになっていますが、これは本年のLG議長国に日本政府が就任したことに大いに関連がある、と言えるでしょう。
というのは、アディスアベバ行動目標が採択される過程で、フランスやLGが国際連帯税などグローバル・タックス方式を提案しており、議長提案の第一ドラフト案でもそのような内容が盛り込まれていました。しかし、結果はグローバル・タックス方式は見事に(!)削除されてしまいました。その後の国際会議においてLGはどういう訳かグローバル・タックス方式を唱えることに躊躇し、その他のスキーム(最近では暗号通貨とブロックチェーンなど)の検討を行ってきました。
しかし、安定性・予測可能・一定のボリュームのある革新的な資金調達方法と言えば、グローバル・タックス方式が一番です。しかもそれを公的資金として使うことができます。LGがブロックチェーンやインパクト投資という新しい分野を開拓していくことは確かに必要ですが、その軸に国際連帯税などのグローバル・タックスをあくまでも追求していくという姿勢が求められています。
そういう意味で、議長国である日本政府が要求したと思われる国際連帯税について、どのような議論を行うのか、を注目していきましょう。
【外務省報道】国連経済社会理事会開発資金フォーラムにおけるサイドイベント
「持続可能な開発のための革新的資金調達:規模とインパクト」の開催
1 4月16日,国連本部において,国連経済社会理事会開発資金フォーラムにおけるサイドイベント「持続可能な開発のための革新的資金調達:規模とインパクト」が開催されます。
2 このサイドイベントは,本年,「開発のための革新的資金調達リーディング・グループ」の議長国を務める日本が,同グループ常設事務局を担うフランスとメンバー国のドイツ,国連開発計画(UNDP)と共催するものです。
3 このサイドイベントでは,国際連帯税,ブレンディッド・ファイナンス,インパクト投資等の開発のための革新的資金調達の規模の拡大とインパクトの確保を実現するための諸課題等についてのパネルディスカッションが行われる予定です。
[参考]
(1)日時 :4月16日(火曜日)13時15分から14時30分
(2)場所 :ニューヨーク・国連本部
(3)共催者:フランス,ドイツ及び国連開発計画(UNDP)
(4)プログラム概要
・開会挨拶:星野国連大使
・基調講演:コンセイソンUNDP人間開発報告書室長
・パネルディスカッション:シュピーゲル国連経済社会局持続可能な開発資金事務局政策分析・開発部チーフ(モデレーター),ブシシャ国際開発研究基金プログラムマネジャー(フランス),イティエ・フランス社会連帯経済社会イノベーション担当高等弁務官,ビドヴィック・センブラル基金会長(ボリビア),シュッテOECD持続可能な開発資金課長,ボルホフ・ドイツ経済協力開発省グローバルプロセス/開発資金担当審議官
・質疑応答
・閉会挨拶:星野国連大使