4月26日の記者会見で、河野外務大臣は「様々な国際的な場でも日本として,これを(国際連帯税)訴えてまいりたいと思っております」と発言しましたが、その部分を紹介します。
【外務省】河野外務大臣会見記録(平成31年4月26日(金曜日)13時43分 於:本省会見室)
(前略)
【東京新聞 大杉記者】国際連帯税について伺いたいんですけれども,国際連帯税をG20大阪サミットで取り上げるという,ご発言が以前あったかと思うんですが,それについて,いま現在どう考えていらっしゃるかということと,改めて国際連帯税の必要性についてと,憲法記念日が近いんですけれども,憲法の前文との関係でどのように,何か御所見があれば教えていただきたいんですが。国際連帯税との関係で。
【河野外務大臣】SDGsを達成するために,毎年2兆5,000億ドルの投資が必要だ,ちょっと数字が正確ではありませんが,2兆5,000億ドルの資金ギャップを克服しなければいけないのかな。ODAを倍増,3倍増してもこのギャップは埋められないわけですから,これは日本だけではなくて,今の世界各国のODAを倍増,3倍増しても埋められない,この2兆5,000億ドルというギャップをどう埋めるかというのは,非常に大きな課題だと思っております。
また,冷戦は終わりましたけれども,昨年,約7,000万人という難民・避難民,これは第二次世界大戦後,最大の数になるわけですが,気候変動の影響でさらにこの自然災害が増え,避難民が増えるということも容易に予想できる中で,こうした方々への人道支援というのも行っていかなければなりませんが,他方,日本は財政的な制約からこれ以上ODAを飛躍的に増やすということができる状況にはございません。多くの国が財政的な制約があって,様々な支援を増やすことができない中で,じゃあどうするかという,少し創造的な資金調達の方法を考えなければならないということで,今,我が国は「開発のための革新的資金調達リーディンググループ」という集まりの議長を今年やります。
この中で,国際社会の中の先頭に立って,資金調達の新しいメカニズムの議論を主導していきたいと思っております。G20の中では外相会合の中で,こういうものをしっかりと取り上げていきたいと思っておりますし,G7外相会談の中等でも少し,こういう話をさせていただきました。G20サミットの中で今,どういう議題でいくか,これは定かではありません,決まっておりませんが,様々な国際的な場でも日本として,これを訴えてまいりたいと思っております。
憲法との関係で言えば,世界の平和という観点からも,あるいは,全ての人が人間らしい尊厳を持った生き方をするためにも,必要なことだと思いますので,どの文章,どの条文がということではありませんが,そういう精神にも合うものだと考えております。
(後略)