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政府コロナ分科会の小林氏、三たびトービン税を主張
2020.07.29
政府コロナ分科会の小林氏、三たびトービン税を主張

この間、政府コロナ分科会メンバーの小林慶一郎氏はコロナ対策財源にトービン税(金融取引税)を導入すべきと提案してきました(ブルームバーグや東洋経済)。昨日(28日)の日本経済新聞・電子版でも氏は「各国と協調しトービン税導入を」と主張していますので、紹介します。

 

ここでの主張はほぼ以前のものと同様ですが、この小林氏案を具体化、深化していくために以下の3点を考えました。

 

1)莫大な財政赤字を返済するために「為替など国際的な金融取引に課税する『トービン税』を各国と協調のもと導入」すべきと氏は提案していますが、各国で協調できるならば、各国内の借金返済の原資のみならず、感染症など国際的課題対策のための資金を協調して創出できるのではないか。

 

2)国内と国際的課題のための資金創出のために、かつ金融業界をまき込んで課税するためには、なるべく低率な税とし、また幅広い形での金融取引(為替のみならず、株、債券、デリバティブ等)への課税を考えた方がよい。その取引には、現在高騰しつつある金(キン)取引、仮想(暗号)通貨取引も加えるべき。

 

3)各国の協調を具体的に引き出すには、どこかの有力国が国際会議の場で(G20サミットや国連総会等)倦まずたゆまず提案・主張することが重要。金融取引税については欧州でも米国でも提案されているがどちらも内向きの議論になっている。すぐ前の河野太郎外務相(当時)があらゆる国際会議の場で国際連帯税を主張してきたように、日本の「首相や財務相・外務相が先頭に立って」提案・主張していくべき、と小林氏も私たちも強く要求していくことが必要だ。

 

以下、小林氏の主張を紹介します。

 

【日経新聞】東京財団の小林氏「各国と協調しトービン税導入を」 

コロナ後の資本主義

 

…小林慶一郎氏に、今後の経済対策や財政再建をどのように推し進めるべきか聞いた。小林氏は所得保障の拡充と国際協調に基づく財政負担軽減の取り組みが必要と指摘する。

 

■今後2~3年はマイナス10%成長も…省略

 

(前略)

 

■全国民に月10万円、1年間支給を 事後に税で回収

 

――政府の一連の経済対策について評価を教えてください。

 

「対策の規模やスピード感が不十分だった。典型例が、国民1人当たり10万円の特別定額給付金の支給だ。給付金は生活できない人の所得を保障して生活機能を維持するためのものだ。…以下、省略

 

(中略)

 

――多額の国費が必要で、国の財政負担は重くなります。

 

「新型コロナによって世界中の国が同じように借金を増やしている。コロナショックでできた借金については、世界の各国で協力して返済をしていくべきだ」

 

「具体的には、為替など国際的な金融取引に課税する『トービン税』を各国と協調のもと導入することを提案したい。一国だけで導入すると投資家の資金がタックスヘイブン(租税回避地)に逃げるだけに終わる。世界で協調すれば逃げ道がふさがり、税金を分け合うことができる」

 

「もちろん、日本はコロナ前から借金大国だったので、もともとあった債務には増税など自国の手段で対処するしかないだろう。だが新型コロナは未曽有の危機であり、世界中で協調して財政負担を軽減する取り組みを進めていく必要がある」