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国際連帯税議連総会報告:議員立法で実現めざすことを確認
2021.03.11
国際連帯税議連総会報告:議員立法で実現めざすことを確認

21.3.9議連総会

 

3月9日、国際連帯税創設を求める議員連盟(会長:衛藤征士郎衆議院議員)の本年第1回総会は、リアル(議員会館会議室)とWebの両方で、国会議員21人プラス秘書の方々、外務省や法制局の方々、市民24人が参加し、開催されました。簡単に報告します。その前に総会のもようが下記のメディアで報道されました(次回報告)。

 

*【日経新聞】

国際連帯税、23年に導入を 超党派議連が議員立法めざす(3月10日付)

ワクチン確保など途上国支援の財源に

*【東京新聞】

国際連帯税の導入 議員立法提出確認(3月10日付) 

「国際連帯税の導入を」SDGs資金源で注目 超党派 法案提出へ(3月9日付) 

       

●外務省とグローバル連帯税フォーラムからの報告

 

司会は石橋通宏事務局長(参議院議員)で、衛藤会長あいさつの後、早速議題に入りました。外務省が次年度税制改正要望から国際連帯税を降ろしてしまったことに対し、「誠に残念というか、むしろ遺憾である」との議連の立場から説明を求めました。

 

外務省・国際協力局の高杉審議官(地球規模課題担当)が、税制による資金調達はコロナ危機のため新税の導入が困難であり、新しい資金源として民間資金利用を考えていく、という説明でした(SDGs達成のための新しい資金を考える有識者懇談会・最終報告書)。このことにつき、懇談会委員でもあった田中から、そもそも懇談会は「①税制、②その他での資金を考える」ということではじまったが、途中でその他=民間資金利用の方が主体となってしまった、と経緯を説明。

 

その後、高杉審議官からワクチンの平等なアクセスを確保するための国際的枠組みであるCOVAX(コバックス)等の説明があり、さらにSDGs達成のための途上国の資金ギャップは従来2.5兆ドルと言われてきたが、それに加えて今回の感染症では0.7兆ドルのギャップがあると指摘されていることを報告(UNCTAD)。次に、田中からワクチン接種における高所得国と貧困・低所得国とのとてつもない格差とそれをもたらしている圧倒的な資金不足を指摘し、今や国際連帯税の出番ではないかと報告。加えて谷本より国際連帯税としては今日、河野太郎前外務相が言っていたように為替取引への課税が有望であること等を報告。

 

●議員の意見:大臣や総理の言葉は重い、にも拘わらず…/国際連帯税にとって大きな機会、日本の大方針を

 

これらの報告を踏まえ、出席した議員から意見が出されました。まず古川元久衆議院議員(国民民主党)から次のような意見。「河野前外務大臣はあれほど国際会議の場で国際連帯税のことを訴えていたが、それにも拘わらず今回外務省が税制改正から国際連帯税を外したのは大きな問題だ。大臣や総理の言葉は重いのだ。河野氏が単に個人の思いとして語っていたのか。外務省は検証すべきだ」。

 

次に逢沢一郎衆議院議員(自民党)から次のような意見。「自民党税調の限界を突破しないといけない。この10年河野大臣は熱意があったが他の大臣は熱量が足りなかった。今日コロナ禍という情勢にあってある意味国際連帯税にとっては大きな機会だ。総理も外務大臣も日本としての大方針を持たなければならない」。

 

●議員立法をめざして、衛藤会長のまとめ

 

次に、石橋事務局長から「国際連帯税制度の創設のための立法について(案)」、つまり議員立法の骨子が提案されました。「SDGsや新型コロナなど、我が国を含む国際社会が地球規模課題による脅威に対応することが求められ、そのための安定した財源を国際連帯税でもって確保する」(要旨)という立法の趣旨にもとづき、国際連帯税創設のため「2年以内に必要な法制上の措置を講ずることを政府に義務付ける」と謳うもの(案文の全文については別に報告します)。

 

これについて1、2質問があり(暗号通貨取引も金融取引税に含めるのかなど)、その後事務局長提案が全体で確認されました。

 

最後に、衛藤会長が「まず河野前外相については必ず当議連に入ってもらうようにしたい。その上で日本での取組みが国際的な取組みの拡大に資すること、そのためにG20やG7、OECDで訴えていくことが求められている。私たちは議員立法の動きを加速化させ、ぜひとも国際連帯税を実現していきたい。外務省とも市民団体とも一緒になって、何としても実現にむけて頑張っていこう」とまとめ、第1回総会を終了しました。

 

※左上の写真は、日経新聞(3月9日付)より。立って話しているのは衛藤会長です。