国際連帯税議員連盟でお世話になっている田島麻衣子参議院議員が、毎日新聞電子版の政治プレミアに「ウクライナ難民」問題について取材されていますので、紹介します。その前に若干思ったところを述べます。
1)日本政府は「避難民」受け入れと言っていますが、これは難民認定を極端に渋っている政府の政策によります。難民と避難民では、まるっきり保護待遇が違ってきます。その点をまず田島議員は指摘しています。
2)なお、この問題については4月10日TBS「サンデーモーニング」放送で分かりやすく解説していました(動画)。こちらと併せて読むことをお勧めします。
3)この難民問題は当然SDGs(持続可能な開発目標)の課題で、コロナ以前には貧困と保健関係の目標は相当改善されてきましたが、難民だけは2013年頃より急増し、2015年にはドイツがシリア難民等を100万人引き受けました。2020年で世界の難民数は8240万人にも上り、今日ウクライナから520万人の難民が生じていますので、全体で9000万人に上るのではないかと思われます(地球人口の約1.1%が故郷を追われている)。
4)ところで、河野太郎元外務大臣(17年8月-19年9月)はSDGs対策のため国際連帯税の必要性を国際的に提案していましたが、その事例として当時急増する難民の救済を挙げていました。日本政府は、国際的支援を実施することはもとより国内的にも「故郷を追われた人は世界中にいる…日本が国際社会の中で応分の責任を果たすならば、これからもっと難民を受け入れなければならない」と田島議員は訴えています。
<以下、記事です>
田島麻衣子・参院議員
英オックスフォード大学院で難民問題や人道支援を学び、国連の世界食糧計画(WFP)でコンゴ民主共和国から隣国のアンゴラに逃れてきた難民たちのキャンプに入るなど支援の現場に関わった。日本はこれまで難民政策と言えるものがなかった。今回のウクライナ難民の受け入れによってまず一歩を踏み出さなければならない。
日本政府は、ウクライナからの「避難民」を受け入れたと言っているが国際的には通用しない。命を守るため、政治的な武力紛争から逃れ国境を越える人々は難民だ。岸田文雄首相が国際会議で「避難民」と発言した時にどう通訳するというのか。「難民ではなく、避難民だ」などと言えば、私が学んだ教授たちに怒られてしまう。
日本政府は難民制度を本質的に変えていく気がない。ウクライナ難民への対応も場当たり的で、長期的な視点がない。
大量の難民が来たらどうするか
国連の現場にいると、人道支援がいかに難しいかということを、身をもって体験する。難民キャンプに支援に入るとしても、受け入れ国の許可がなければ入っていけない。助けようと思っている難民が受け入れ国の政府から迫害されている場合、どうすればいいのか。人道支援の原則である中立的な支援ができるのか。
そうした問題を抱えながら、それでも人道支援をしなければならないことを実地で学ぶ機会が、これまでの日本には欠けていた。……(以下、省略)
※写真は毎日新聞電子版より