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航空券連帯税・UNITAIDとは何か? 
2014.03.04
航空券連帯税・UNITAIDとは何か? 

航空券連帯税・UNITAIDとは何か? 

●概要

航空券連帯税(Solidarity Levy on Air Tickets)は、数ある国際連帯税構想の中で成功裡に実施されている税制です。「国際連帯税とは何か?」で述べたように、フランスが2006年7月から先頭を切って導入し、その後、韓国やチリそしてアフリカ諸国など、現在9カ国で導入されています。

 

同税は以下の特徴を有するため、国際連帯税としてもっとも導入が容易な税制です。

①    徴税のためのコストかからず--航空券購入時に空港税に上乗せする方法で行う

②    航空会社に費用発生ぜず--税を払うのは国際線を利用する乗客である(出国時のみ適用され、トランジット客には適用されない)

③    税制設計は各国で決めることができる--とくに国際条約等が存在しないため、導入国が税率含めて設計できる。

 ■航空券連帯税導入国
フランス、韓国、チリ、カメルーン、ニジェール、モーリシャス、マリ、マダガスカル、コンゴ共和国 (この他、ナイジェリア、モロッコ、スリランカ等が検討中)

 

 

●導入国での実施例(税額など)と収入

導入国のフランスと韓国の実施例を見てみましょう。

 

■フランスの実施例

国内・EU線

エコノミークラス 1 ユーロ

ビジネス・ファーストクラス 10ユーロ

国際線

エコノミークラス 4 ユーロ

ビジネス・ファーストクラス 40ユーロ

■韓国の実施例

国際線

クラス別に関係なく1律1,000ウォン

       (注・他の導入国では一部税率で行っている国もあるが、ほぼ定額税である)

 

収入については、フランスで年間約1.7億ユーロ、韓国では年間150億ウォンです。

 

●資金の使途:UNITAID(ユニットエイド)の役割

航空券連帯税で得られた税収は、その一部または全部がUNITAIDという国際機関に拠出されます。例えば、フランスは税収の90%をUNITAIDに、残りの10%をIFFIm(予防接種のための国際金融ファシリティ)に拠出しています。韓国は半分をUNITAIDに、残りの半分は独自のアフリカ支援等に充てています。その他の国はほぼ100%の拠出となっています。

 

UNITAIDは2006年9月、フランス、チリ、ブラジル、ノルウェー、イギリスの5カ国によって設立されました。目的は、「エイズ・結核・マラリアという感染症で苦しむ途上国の人々のため、それらの国々の現状では手に入れることが困難な高品質の医薬品・診断技術の価格を下げて、広く供給が行き届くようにすること」(UNITAID憲章)、です。医薬品等の価格を下げることが可能なのは、航空券連帯税による税収という持続的かつ予測可能な資金を活用し、製薬メーカーとの交渉力を強化し、価格を下げることに成功しています。

 

UNITAIDは設立から6年余りで、参加国が28か国(これに2財団も参加)へと拡大し、これまで20億ドルを超える資金調達を行いました。この資金のうち航空券連帯税による資金が70%を占めています(連帯税未実施の国はその国の財政から拠出)。この結果、①小児エイズ治療薬の80%、②マラリアの最良治療薬の80%、③エイズ第二選択薬の60%、④最新の結核診断検査費用の40%等々の価格引き下げに成功し、現在合計96か国でのプロジェクトで成果を上げています。

 

●日本人は年間約10億円国際連帯税をすでに支払っています

え? 日本では国際連帯税(航空券連帯税)を導入していないのに、どうして同税を支払っていることになるのでしょうか? それは同税を導入している国に観光旅行等をした場合、その出国便の航空券に課税されているからです。具体的には、導入国のうち、そのほとんどはフランスならびに韓国に納税していることになります。合計で年間約10億円に上ります。

 

訪問客数* 税 額 日本人の国際連帯税納入額(予想)
韓  国 352万人(2012年) 一律 1000ウォン 35.2億ウォン(2億9300億円)
フランス 62万人(2011年) エコノミー4ユーロビジネス以上40ユーロ 583万ユーロ(7億4000万円)**

*この数字は観光客としてのみの数字で、ビジネス客等は含まれていない。

**エコノミー席乗客割合を85%、ビジネス席以上乗客割合を15%として試算

 

そこでもし日本が国際連帯税(航空券連帯税)を導入していたら、外国の方からどのくらい税収を得ることになるのでしょうか? つい先日、訪日外国人が2013年に1,000万人を超えたとの報道がありました(1036.4万人)。それでこれにフランス並みの定額税がかかっていたとすれば(エコノミー500円、ビジネス以上5000円)、121.8億円となります。なお、同年の出国日本人は1747.3万人でしたので、日本の方からは205億円の税収となり、海外・国内合せて約327億円の税収となります。

 

このように国際連帯税ならびに金融取引税関係では、もっぱら日本人が他の国に税を払うという構図になっており(航空券連帯税の場合)、あるいはなりそうである(欧州FTTの場合)ということで、あらためて政府や国民が能動的・積極的に関われる国際連帯税を政策化していく必要があります。