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【ご案内】セミナー:国連 国際租税協力枠組条約の設立の可能性を探る
2024.07.03
【ご案内】セミナー:国連 国際租税協力枠組条約の設立の可能性を探る

g-taxセミナーを開催します! ふるってご参加ください。

 

      ~ストップ!多国籍企業・富裕層による脱税・租税回避~
    国連 国際租税協力枠組条約の設立の可能性を探る 

 

◎日 時:2024年7月29日(月)午後7時~8時30分
◎場 所:Zoomで開催
◎参加申込:

  希望者は次のアドレスに「7.29 g-taxセミナー」と明記の上申込み下さい。

  gtaxftt@gmail.com(担当:田中)

    ⇒参加希望者に、後ほどZoomリンクを送ります。   

◎参加費:無料
◎提案者:青葉博雄・CNEO(Center for New Economic Order)代表、GATJ(Global           Alliance for Tax Justice)世界委員会アジア代表
     金子文夫・横浜市立大学名誉教授

 

■各国は世界的な税制の不正利用により、年間4,800億ドルの税金を失っています。

 

この4,800億ドル(約72兆円)損失のうち、3,110億ドルは多国籍企業による国境を越えた法人税の不正利用により、1,690億ドルは富裕層によるオフショア税(タックスヘイブンなど)の不正利用により失われています(英Tax Justice Network、2023年)。

 

国際課税ルールは、長年OECD(経済協力開発機構)が担ってきましたが、経済のデジタル化やグローバル化が進行するにしたがって、国境を越えて事業展開をする巨大IT企業などが進出先の国(市場国)に工場や子会社など恒久的施設(PE)を必要としないため、PEがなければその国で課税できないという旧来の課税ルールを逆手に取り、市場国で莫大な利益を上げていながら法人税を払わず、租税回避を行ってきました。

 

これに対し、OECDはBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトを立ち上げ、2021年にはG20の場で、①第一の柱:PEがなくても市場国で課税できるデジタル課税、②第二の柱:世界最低法人税ルール、が合意されました(BEPS包摂的枠組み)。

 

とはいえ、①については条約化が必要であり、現在その目途が立っていませんし、②についても具体的には2025年からはじまります(日本の場合)。こうして包摂的枠組みが始動してないことや、他方において依然として無課税・軽課税地であるタックスヘイブンが世界に存在していることから、上記のような巨額な税収損失を生んでいるのです。

 

■途上国の不満:「国際租税協力に関する枠組条約」を求めて

 

上記包摂的枠組みには途上国を含む140カ国余りが参加していましたが、途上国側からは議論には参加できるが意思決定過程には参加できないとの不満があり、こうした不満を背景に2023年11月22日、 国連総会第2委員会は決議「国連における包括的かつ効果的な国際租税協力の推進」を採択しました。

 

この決議には、主に途上国の125カ国が賛成し、英国、ドイツ、日本、米国を含む主に先進国約48カ国が反対し、OECD加盟国のアイスランド、メキシコ、ノルウェー、トルコを含む9カ国が棄権しました。

 

さらに、12月22日の国連総会において上記委員会決議が追認され、アドホック政府間委員会が2024年8月までに国際租税協力に関する枠組条約の草案作成し、2024年9月の国連総会で進捗状況の報告を行う、という段取りとなっています。その後条約文についての交渉が行われることになります。

 

このように国際課税ルール策定につき、途上国側は加盟国すべてが参加できる国連気候変動枠組条約のような組織を作り、国連が主導すべきという立場であり、先進国側はこれまでのようにOECD主導ということにこだわっています。

 

ともあれ、国連は草案作成に向けての委員会を設立し、草案作成に向け実質的な会合を2回行う段取りとなっています(1回目は4月26日~5月8日、2回目は7月29日~8月16日)。また、6月には委員会事務局がゼロドラフトを公表しています。

 

■「国際租税協力に関する枠組条約」作業の現在地、日本政府へのアプローチ

 

このように国際課税ルール策定を巡る状況は、現在大きく転換しようとしています。今日枠組条約を強く求めるグローバルサウスの声を先進国側はもはや押し留めることはできないことは明らかです。共に協力し合いながら本格的な租税に関する枠組条約ができることを望みます。国境を超えてビジネスを行う巨大IT企業などの多国籍企業や超富裕層が易々と租税回避できる(または過小課税で済む)体制がいつまでも許されることではありません。

 

今回のセミナーでは、以下につき報告をもらい、議論していきたいと思います。
1)国際枠組条約決議が採択されるまでの経過並びにその意義について
2)条約に関する作業委員会での議論と市民社会からの提言
3)日本政府を(真の)条約賛成派に変えるための取り組み

 

1)については、当フォーラムのもう一人の代表理事である金子先生から報告してもらいます。2)については、CNEO(Center for New Economic Order)代表/GATJ(Global Alliance for Tax Justice)世界委員会アジア代表として広く世界の市民社会・NGOと意見交換を行っている青葉さんから報告してもらいます。これらの報告を受け、セミナー参加者のみなさんとともに議論し、3)について考えていきたいと思います。ふるってご参加ください。(了)