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ピケティ本が邦訳されていない日本なんて:玉木OECD事務次長談
2014.07.16
ピケティ本が邦訳されていない日本なんて:玉木OECD事務次長談

1週間ちょっと前のウォール・ストリート・ジャーナル日本語電子版に玉木林太郎OECD事務次長(元日本財務省財務官)へのインタビュー記事が載っていたので紹介します。

 

これを読みますと、玉木氏は日本の国民的議論について違和感を持っている、とのことです。つまり、国際的には所得格差問題が<深刻となっている現状で>議論の軸になっているが、日本では<安倍政権で格差が拡大しているにもかかわらず>経済成長の議論ばかりとなっており、その点への違和感とのことです。

 

その象徴として、<格差問題を歴史的に理論的に明らかにしたことにより米国でもベストセラーとなった>トマ・ピケティ氏の本がいまだ邦訳されていないことに現れている、と言っています。

 

玉木事務局次長は、アベノミクスに対してもかなり批判的であるようです。

 

【WSJ】日本、格差の拡大に目を向けるべき=玉木OECD事務次長
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304174304580008714030902410

 

【以下、引用です】
経済協力開発機構(OECD)の玉木林太郎事務次長兼チーフエコノミストは最近、日本と欧州を行き来する中で国民の議論の違いに気づかされた。日本では成長の促進ばかりが話題となるが、欧州ではいかにして格差を縮小するかが問題になっている。

 

その証拠に、世界的に注目度の高いフランス人経済学者トマ・ピケティ氏の『21世紀の資本論』はまだ邦訳されていない。世界の格差拡大を扱った同書は昨年フランスで刊行され、今春に英訳が出ると米国でたちまちベストセラーとなった。

 

元財務官の玉木氏は、東京でOECDの報告書「今後50年間の政策課題」を発表し、OECDに加盟する34カ国で所得格差が深刻になっていると警告したばかり。その玉木氏が、今の日本ではインフレ促進を掲げた安倍晋三内閣の政策で格差が拡大しているにもかかわらず、こうした議論がほとんどないのは注目に値すると述べた。
・・・(後略)

【以上、引用終わり】

 

このOECDの報告書ですが、日本語でOECD東京事務所のWEBサイトに載っていますので、こちらも紹介します。

 

■「今後50年間の政策課題」(日本語) OECD経済局 ポリシー・ノート( no.24)2014年7月
http://www.oecd.org/eco/growth/Shifting-gears-japanese-version.pdf

 

【政策課題のひとつ=格差問題について引用】
「再分配政策が変わらなければ、平均的なOECD加盟国では2060年までに所得格差(税引前)が30%拡大し、現在の米国とほぼ同程度の格差に直面する。大幅な格差拡大は他のG20諸国でも生じる。ひいては、格差拡大は、特にその結果として低所得で優秀な個人に提供される経済機会が減少する場合には、成長の足を引っ張ることになる。」(7ページ)