国際連帯税を巡る動きのなかで、どの省庁、政党、団体等が賛同しその導入をめざしているかとの質問が寄せられていますので、紹介します。
1)外務省
●平成 28 年度税制改正(租税特別措置)要望事項
「…前略…平成26年8月8日に採択された国連の『持続可能な開発のための資金戦略に関する政府間専門家委員会』の報告書においても,革新的メカニズムの探求が提言されている。こうした革新的な資金調達のための税制度として,既に航空券連帯税が複数の国で実施されているほか,欧州では金融取引税による対応も検討されている。…中略…
『持続可能な開発のための2030アジェンダ』等にも示されている世界の開発需要に対応し貢献するため,納税者の理解と協力を得つつ,国際連帯税(国際貢献税)についての検討を進め,必要な税制上の措置を講ずる。…後略…」
http://www.mof.go.jp/…/o…/fy2016/request/mofa/28y_mofa_k.pdf
2) 民主党
●平成 28 年度税制改正(租税特別措置)要望
「『持続可能な開発のための2030アジェンダ』等にも示されている世界の開発需要に貢献するため、納税者の理解と協力を得つつ、国際連帯税(国際貢献税)についての検討を進め、国際的な取り引きに関する課税などに関連して必要な措置を講ずること」
https://goo.gl/en75Ld
※選挙公約等では、日本共産党が取り上げています(2014年総選挙)。ちなみに、自民党は2010年段階では国際連帯税を公約に入れていました。
3)民間税制調査会
●民間税調2016年税制改革大綱
「トービンが考案したことによってトービン税として知られる構想がある。…2013年にEUにおいて金融取引税(FTT)の委員会指令案が出されたことによって、トービン税の系列に属する税制が急速に注目を浴びるようになっている。フランスとイタリアは先行して国内法によって単独で導入済みである。わが国における導入も、その税収の使途と共に検討を始めるべきである」
http://minkan-zei-cho.jp/…/84e456ba74d60cc120ebbd5a13db9ed5…
※民間税調の大綱公表を受けて、東京新聞が以下のような社説を載せました。
【東京新聞・社説】「『民間税調』提言 所得再分配を取り戻せ」(2015年12月9日)
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<…前略…>提言の最も重要な点は、税本来の格差是正機能を取り戻し、経済協力開発機構(OECD)加盟国で下位といわれる「所得・資産の再分配」を強化することである。
ただ、所得税や資産課税の最高税率を上げるだけでは現状では税は国外に逃避してしまう。国境を越えた租税回避を防ぐ手段が不十分なのだ。その分、限定的な改正の提言にとどまったのは残念だ。<…後略…>
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4)池田大作・創価学会インタナショナル会長
●第40回「SGIの日」記念提言『人道の世紀へ 誓いの連帯』(2015年1月)
「…経済の分野では、昨年5月、EU(欧州連合)加盟国の中で 11 カ国が『金融取引税』を共同導入することに合意しました。
マネーゲームの過熱が金融危機を引き起こし、世界経済に深刻な打撃を与えた2008年のリーマン・ショックの教訓を踏まえ、金融取引に一定の課税を行い、過剰な投機の抑制と租税を通じた再分配を目指すもので、明年からの制度開始が予定されています。
私は6年前の提言で、この取引税をはじめ、各国がアイデアを競いながら、「ミレニアム開発目標」を促進する国際連帯税の輪を広げることを呼び掛けましたが、今後、国連の新目標を推進するにあたり、その必要性はさらに増しているのではないでしょうか」
http://www.sokayouth.jp/content/media/teigen2015/book.pdf
●イラストは、駐日フランス大使館のWEBサイトに掲載されているCOPP21特集の「気候変動対策の資金調達」より
http://www.ambafrance-jp.org/article9113