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ダボス会議:英国影の財務相、金融取引税など「不快なメッセージ」発言
2018.02.01
ダボス会議:英国影の財務相、金融取引税など「不快なメッセージ」発言

世界の政治家や大企業経営者などのエリートたちが参加する世界経済フォーラム(通称、ダボス会議)が1月26日に終了しました。このフォーラムは「世界の課題の解決を目指す会議として世界に幅広く知られ」(1月22日付日経新聞)ていると言われていますが、果たしてそうでしょうか?

 

例えば、フォーラムでは毎年のように「経済格差」をグローバルリスクとして挙げています。しかし、「…ある元中銀当局者が指摘したように、『われわれは以前、格差を是正しようとしたが、うまく行かなかった』」(1月30日付ロイター通信)と報道されているように、行き過ぎたグローバル化がますます格差を拡大し、そのことが世界中でこれまでにない排外主義と分断された社会を生み出しています。

 

このダボス会議に先立ち、国際NGOのオックスファムは毎年格差問題に対する報告書を公表していますが(下記報道を参照)、この格差拡大の進行をくっきりと浮かび上がらせています。

 

 

【朝日新聞】世界の富の8割、1%の富裕層独占 NGO報告、格差対策を呼びかけ

 

【引用】

国際NGO「オックスファム」は22日、世界で1年間に生み出された富(保有資産の増加分)のうち82%を、世界で最も豊かな上位1%が独占し、経済的に恵まれない下から半分(37億人)は財産が増えなかったとする報告書を発表した。資産の偏在が格差拡大を招いているとして、世界の指導者に対策を呼びかけた。

 オックスファムは、スイス・ダボスで23日に始まる世界経済フォーラム年次総会を前に、世界の指導者にタックスヘイブン(租税回避地)への対策や富裕層への課税強化などの取り組みを求めた。

【引用了】

 

 

ところで、このダボス会議にイギリス労働党の影の財務相であるジョン・マクドネル(John McDonnell)も招待され、彼は「グローバルエリートにとって不快なメッセージを発した」ようです。日本ではまったく報道されていませんが、その「不快なメッセージ」を紹介します。

 

【bloomberg】Labour Official Tells Davos, ‘There’s an Anger Building Out There’
労働党は公的にダボスを語る、「そこには怒りが高まっている」

 

“(大意)ここダボスでは経済成長の回復が称賛され、エリートたちは陶酔感に浸っているようだが、世界の一般大衆はその恩恵に浴することなく、「雪崩のような不満と怒り」が溜まっている。「…人々が成長を共有し、富と利益を分かち合うという根本的な新しい課題」に取組まなければならない”として、以下の5項目をマクドネルは挙げています。

 

・労働者に「実際の生活賃金」を支払い、会社の利益を労働者とシェアすること
・労働組合を認知し労働者を会社役員に任命すること
・会計事務所が税の回避に取組むのではなく、納税を奨励するための新しい「ヒポクラテスの誓い」を行うこと
・富裕層と権力者は所得税申告を公表すること
・公的サービスと国際開発プログラムに資金を提供するための金融取引に対する「ロビン・フッド」税を実施すること

 

・Paying workers a “real living wage” and allowing them to share in the profits of the companies they work for
・Recognizing trade unions and appointing workers to company boards
・A new “Hippocratic oath” for accountancy firms to tackle tax avoidance rather than encourage it
・The rich and those in power should publish their income tax returns
・A “Robin Hood” tax on financial transactions that would be used to fund public services and international development programs