河野太郎外相は、去る12月19日日本記者クラブで会見し、国際連帯税についても言及しました。毎日地新聞は、そのもようを次のように報じています。
「河野太郎外相は…難民や災害被災者らの支援を目的とする『国際連帯税』の導入に意欲を示した。世界の為替取引などに低率の税をかけ国際機関の財源とする構想。河野氏は来年大阪で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議で取り上げる考えも示した。…」(上の新聞記事参照)
この会見については、日本記者クラブのYouTube会見動画で見ることができます。22分20秒頃から国際連帯税の話に入ります。
河野外相はまた、12月4日にG20サミットのエンゲージメント・グループ(*)の一つであるT20(Think20)に出席し、あいさつされました。T20とはG20各国のシンクタンク関係者等から構成されるグループです。
このあいさつは、次のようなもので、国際連帯税に関しての部分が約3分の1を占めました。その部分を紹介します。
T20キックオフ会合(12月4日) 河野大臣主催レセプション 冒頭挨拶
…前略…
国際社会は,政府のみでは解決できない課題に直面しています。学術界,ビジネス界,市民社会の知恵と知見がこれまで以上に必要とされています。
本日は,G20 大阪サミット及び G20 外相会合に向けて,日本が議論を主導していく課題のいくつかについてお話させていただきます。
今日の世界では,専制政治や政権崩壊,自然災害から逃れてきた難民の数が増加しています。約 7000 万人の難民・国内避難民が支援を必要としています。
持続可能な開発目標(SDGs)の目的は,「誰ひとり取り残さない」社会の実現であり,日本が長年に渡り推進してきた「人間の安全保障」の考え方と大きく共通します。
日本は,SDGs と「人間の安全保障」の達成のため,来年の G20 大阪サミット及び 8 月に横浜で開催される TICAD7 を通じ,保健や教育等の幅広い分野において取組を加速化する考えです。また,来年 9 月にニューヨークで開催される SDGs 首脳級会合において,これらの取組を通じた具体的な成果を示したいと考えています。
(気候変動問題…省略)
国際社会は,2030 年までに SDGs を達成するために埋めなければならない年間 2.5 兆ドルの資金ギャップへの対策を真剣に考える必要があります。官民連携の力を借りたとしても,政府開発援助を通じてこのギャップに対応することは容易ではありません。
我々は,グローバリゼーションの恩恵を享受している人々に何かを還元するよう要請してもいいかもしれません。為替取引に対し広く薄く課税し,国際機関による人道支援に充てられる国際連帯税の導入は,実現可能な長期的解決策の一つの案です。
私は,国連総会や APEC など最近の国際会議において,地球規模課題の推進への取組に必要な資金を確保するため,人道支援のための革新的な資金調達の重要性を強調してきました。これに対し,複数の参加者から前向きな反応を得ています。
日本は,革新的な資金調達に関する国際的な議論に向け貢献し,機運を高めていく考えです。T20 を含め世界の専門家の意見を求めていきたいと考えています。
…後略…
(*)エンゲージメント(つながり)・グループとは:
G20は当然首脳会合がメインですが、外相会合とか財務相会合など関係閣僚会合も1年かけて開催されます。また「エンゲージメント・グループ」という国際社会におけるステークホルダーにより形成された政府とは独立した団体も関連行事を主催します。これらのグループは、経済団体(B20)、市民社会(C20)、労働組合(L20)、科学者(S20)、シンクタンク(T20)、都市(U20)、女性(W20)、ユース(Y20)などの各国団体の代表から構成され、G20で議論される各関心分野について、提言を発表するなどの貢献を行っています。
●インフォメーション
「国際連帯税をG20大阪サミットで主要議題に」キャンペーンはじまっています!
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