昨日の報道によれば、6月22,23日パリで開催される「新グローバル金融協定のためのサミット」(以下、パリサミット)にイエレン米財務長官や李強中国首相も出席するとのことです(注)。これで主要な国の元首や閣僚としては、主催者としてマクロン仏首相、同シタラン印財務大臣、そしてモトリー・バルバドス首相、ラマポーザ南ア大統領、ルーラ伯大統領、フォン・デア・ライエン欧州委委員長など、また国際機関からはグテーレス国連事務総長ほかが参加します。
●日本でも財務大臣クラスを参加させるべき
では、G7議長国としての日本からは誰が出席するのでしょうか。5月24日にパリ・サミットに関する日本政府の窓口となっている外務省・松本地球課題総括課長とお会いした時にこのことを聞いたところ、その時分には決まっていないとのことでした。が、米国がイエレン長官を出すなら、日本も鈴木財務大臣を派遣しないとならないでしょう。もっともイエレン長官はこのところ世界銀行改革に熱心ですが、鈴木大臣ならびに日本財務省は世界銀行など国際開発金融機関(MDBs)改革にどれほどの方針を持ってるのでしょうか? ぜひ知りたいものです。
●パリ・サミットのWebサイト、ようやく公開される
どういう訳かこれだけのサミットを開催するというのに専用のWebサイトがなかなか構築されず、ようやく1か月前の開設となりました。
<サミットへの訴え>
このサミット…の目的は、貧困との闘い、気候変動、多様性の保護という私たちが共有するグローバルな課題に対応するため、より公平で連帯感のある新しい金融システムの基礎を築くことにあります。
…サミットは、インド議長国でのG20サミット、マラケシュでの世界銀行・IMF年次総会、ニューヨークでの持続可能な開発目標に関する国連事務総長サミット、ドバイでの国連気候変動会議(COP28)など、2023年後半に開かれる多くの国際会議と一致しています。
会議では、今後の改革の基本原則を明確にし、南と北のバランスのとれた新たな金融パートナーシップに向けた道筋をつけることができるでしょう。また、過剰債務と闘い、より多くの国が持続可能な開発への投資、より良い環境保護、温室効果ガス排出量の削減、生態系の危機から最大のリスクを抱える人々の保護に必要な資金を利用できるようにするための将来の合意への道筋をつけることができるでしょう。
(注)
イエレン長官、世界的な債務と気候改革を求めるパリ・サミットに向かう
Yellen Headed to Paris Summit in Push for Global Debt, Climate Reforms
-新たな世界金融協定のためのサミットは6月22日~23日に開催される。
-中国の李強首相も出席する予定。
米国は、貧しい国々をよりよく支援し、気候変動や将来のパンデミックといった世界的な脅威に対処するために、世界的な融資構造を改革する機運を高めようとしています。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領が主催する「新しい世界金融協定のためのサミット」は、多国間開発銀行の改革や債務超過への対応から、グリーンインフラへの融資、気候変動に脆弱な国への資金動員まで、幅広い問題に取り組むことを目指しています。(以下、有料のため省略)