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損失・損害基金:世界のカトリック系NGO、世界的な署名活動を開始!
2023.10.13
損失・損害基金:世界のカトリック系NGO、世界的な署名活動を開始!

カトリック系

 

来月末からUAEのアブダビでCOP28(気候変動枠組条約締約国会議)が開催されます。主要議題は、CO2削減等の実施レビューを行う第1回グローバル・ストックテイク(GST)、並びにCOP27で合意された「損失・損害基金」の立ち上げ、その他です。

 

気候変動、温暖化といえば、私たちはまずそれを防ぐためにCO2削減をどうするかと考えがちですが、しかしその被害が世界全体で一様に現れているのではなく、CO2をほとんど排出せず温暖化に寄与していない途上国や気候脆弱国により酷く現れています。大洪水や大干ばつ、海水面上昇による国土喪失に襲われ、食料危機・飢餓、マラリアやコレラ等の感染症等に見舞われています。

 

被害の原因を作った方が被害が少なく、原因を作っていない方が被害が大きいというのは明らかにジャステス(衡平・公正)なあり方ではありません。このことから「気候正義」の考え方が広がってきました。COP・締約国会議においても2021年グラスゴー会合で言われるようになりました。かくして損失と損害への資金提供は、先進国としての「責任と補償」と位置付けることができると思います。

 

こうしたことから、損失と損害基金の立ち上げにつき、世界的に様々な運動が起きています。先にアフリカの気候正義団体や南北のアクティビストによる「損失と損害/世界の国会議員の誓い」キャンペーンを紹介しましたが、今回は世界のカトリック系NGOの署名活動を紹介します。経過は次のようです。

 

「2023年6月…損失と被害に関する会議が行われ、行動を起こすことを決めました。したがって、カトリック団体のグループである《国際カリタス、SCIAF、CIDSおよびラウダート・シ運動》(注)が、COP28で世界の指導者たちに届けられるよう、世界中のあらゆる宗教の指導者に損失と損害に関する行動への支持を示す(共同)声明を発表し、その署名を求めます」

 

Loss and Damage: The Moral Case for Action(損失と損害:行動のための道徳的課題)

※世界中の50人以上の信仰指導者の賛同を得た声明を発表!

 

 なお、10月12日に以下の170団体が、損失と損害に対する資金提供を求める共同呼びかけを発表したとのことです。

 

170以上の人道、気候、開発団体が損失・損害基金への資金拠出を拡大するよう要求

 

このように、損失と損害基金のための国会議員キャンペーンや署名・声明活動が、NGO、宗教団体、専門家などで行われています。こうした運動がシナジーして大きな運動になるとよいですね。グローバル連帯税フォーラムは主に基金の革新的資金メカニズムにフォーカスしつつ、国会議員へアプローチしてみようと考えています。

 

(注)

◎国際カリタス(英: Caritas Internationalis):165カ国・地域の組織が加盟

 ⇒カリタスジャパンはこちら  

◎CIDSE(Coopération internationale pour le développement et la solidarité=開発と連帯のための国際協力):ヨーロッパと北米から18の会員組織が参加。120か国・地域で活動。

 ⇒同団体はこれまで金融取引税や国際連帯税についても積極的に発言していました。

  金融取引税(FTT)に関する欧州カトリック指導者の声 

◎laudato si movimento(ラウダート・シ運動):回勅「ラウダート・シ(あなたは讃えられますように!)」での教皇フランシスコの呼びかけに応えるために協力したいと願う、さまざまなカトリックの国際的なネットワーク

◎SCIAF(Scottish Catholic International Aid Fund):スコットランドのカトリック国際援助基金