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第3回開発資金国際会議:LGのイベントと連帯税宣言
2015.07.23
第3回開発資金国際会議:LGのイベントと連帯税宣言

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去る7月13日から16日まで、エチオピアのアディスアベバで国連の第3回開発資金国際会議(FfD3)が開催されました。この資金会議は、この9月に国連で採択される予定の「持続可能な開発目標(SDGs)」に向け、その目標を実現するための資金問題について議論する場でした(1)。

 

資金会議の第1回目は2002年3月モンテレーで、第2回目は2008年12月ドーハで開催されました。第1回目は前年に確定されたミレニアム開発目標(MDGs)実現に向けての議論ということで、当時の盛り上がりを反映してブッシュ米大統領、シラク仏大統領(いずれも当時)という世界的な政治リーダーが参加しました。第2回目は、このモンテレー会合のフォローアップ会議でしたが、同年9月に米リーマンショックと続く国際的な金融危機で、盛り上がりに欠けるものでした。そして、第3回目。秋にSDGsの採択、冬に(2020年からの国際的枠組みを決める)COP21開催という「時代の節目」の時であるのもかかわらず、先進国の政治リーダーの参加のない寂しい国際会合でした。

 

さて、この資金会議で「アディスアベバ行動目標(The Addis Ababa Action Agenda)」という成果文書が採択されました(2)。この内容は「…9月に新たな長期開発目標を策定するのを前に、2030年まで年間3兆~4兆ドルが必要とされる開発資金の調達で協力することでこのほど合意した。政府開発援助(ODA)に加え、課税逃れの防止の徹底、政府系金融や民間資金の活用を通じて実現を目指す」(7月18日付日本経済新聞 電子版)というもの(3)。今回目立ったのは、資金需要はぼう大ではあるが、先進国がODAや革新的資金メカニズムによる公的資金を増加させて途上国支援を行うというよりも、民間資金・資本の活用が前面に打ち出されていることです。民間資金・資本はもともと利潤を上げることが目的ですので、とくに貧困国には向かわないでしょう(実際、今日の途上国向け直接投資も大部分は中国やブラジル等新興国に行っている)。

 

ともあれ、資金会議開催中の7月14日、我が国も参加している「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ」(常設津事務局・フランス)が「ポスト2015・持続可能な開発アジェンダにおける革新的資金調達」というサイドイベントを開催し(3)、そこで「持続可能な開発に向けた歳入を倍加するための連帯税に関する宣言」を上げました(4)。同宣言は、FfD3に参加している各国政府に対して、またCOP21(パリ)に向けて各国政府に署名を取っていきたい、との意向です。現在、フランス、チリ、韓国が署名し、さらにリーディング・グループに参加している政府が署名していくと思われます。従って、日本政府もぜひこの宣言に署名していただくことを要請していきたいと思います。

 

(1)第3回開発資金国際会議(外務省、全体):

http://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/gic/page22_002123.html 

 

(2)アディスアベバ行動目標(外務省、骨子):

http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000091207.pdf 

 

(3)日経新聞「国連加盟国、開発資金の調達協力で合意 年3~4兆ドル」:

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM17H0E_Y5A710C1NNE000/ 

 

(4)リーディング・グループのサイドイベント(日本語):

 http://isl-forum.jp/wp-content/uploads/2015/07/Side-event-of-the-Leading-Group.pdf

 

(5)リーディング・グループの連帯税宣言(日本語):

 http://isl-forum.jp/wp-content/uploads/2015/07/Declaration-on-Solidarity-Levies.pdf

 

◆左のロゴはリーディング・グループのロゴ、中の写真は外務省のウェッブサイトより