2017.01.09
スティグリッツの洞察「シャドー・エコノミーを乗り越える」
J・スティグリッツ氏の報告書「シャドー・エコノミーを乗り越える 0vercoming the shadow economy」(2016年11月発表)の意義について、合田 寛(公益財団法人政治経済研究所主任研究員)さんに寄稿していただきました。
タックスヘイブンの闇を暴露したパナマ文書問題は実に世界的な衝撃をもたらしました(そのため、昨年どのマスメディアも10大ニュースのひとつに挙げていた)。その震源地であるパナマ政府は名誉挽回とばかりに独立専門委員会を立ち上げ、スティグリッツ氏らを委員に迎えました。ところが、土壇場に来てパナマ政府は委員会の調査報告書の公表を非公開にする決定をしてしまったため、ティグリッツ氏らは抗議して委員を辞職することになりました(昨年8月)。
今回の「シャドー・エコノミーを乗り越える」と題した報告書は、そのような経過をへてまとめられたものです。合田さんは次のように言っています。「この報告書にはタックスヘイブンに対するたたかいの歴史やグローバル経済におけるその意味など、詳しい解説が盛り込まれていますが、特に注目されるのが、タックスヘイブンをなくすための10の提案です」。
タックスヘイブンの存在は、多国籍企業や富裕層の税金逃れを可能にし、世界的な規模での格差拡大、ひいては民主主義の破壊をもたらしています。引き続きこの問題に取り組んでいきましょう。
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