2018年度(平成30年度)税制改正要望が8月31日締め切られましたが、外務省は9年連続して「国際連帯税(国際貢献税)」を新設要望しました(下記、外務省要望事項参照)。今回の特徴としては、持続可能な開発目標(SDGs)の推進という文脈の中から革新的資金メカニズムの必要が語られ、国際連帯税(国際貢献税)を要望するというもので、これまでの要望内容に太い線が入ったということで評価することができます。
しかし、問題は国際連帯税の中のどの税制を要求するか、です。が、外務省は事例として航空券連帯税と金融取引税を挙げているだけで、この税を新設したいという具体性に欠けており、その分迫力不足であることは否めません。
ともあれ、私たちは具体的に航空券連帯税の実現を第一義に(次のステップは金融取引税)、次の舞台は与党税制調査会での議論の場となりますので、ここをターゲットにロビングを強化していきます。同時に、国際連帯税創設を求める議員連盟とともに、官邸に向けての申し入れ等を行っていきたいと考えています。どうぞご支援、ご協力をお願いいたします。
◆外務省 平成 30年度税制改正 要望事項
[制度名]:国際協力を使途とする資金を調達するための税制度の新設
[税 目]:国際連帯税(国際貢献税)
[要望内容]:…前・中略… 以上を踏まえて,以下のとおり要望する。①と②は省略。
③ 課税方法として,我が国としてどのような方式を導入することが適当かについては,【持続可能な開発目標(SDGs)の推進等に係る我が国の取組や開発アジェンダを巡る国際潮流及び国際連帯税(国際貢献税に係る】国際的な取組の進展状況を踏まえつつ検討する。
※【 】内は、昨年度の要望書に加えられた文章
◎写真は、主に航空券連帯税からの収入で感染症の治療薬を提供しているユニットエイド(国際医薬品購入ファシリティ)による、サヘル地域での子供たちのマラリア対策への支援の動画の一部です。
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サヘル地域では2500万人の子供たちが暮らしています。ここは季節ともなればマラリアの恐怖が押し寄せます。 世界保健機関(WHO)は効果的マラリア対策として「季節性マラリアの科学的予防(SMC)」を推奨しています。2016年には約1200万人の子供たちがSMCで守られました。そのうち640万人はユニットエイド出資のACCESS-SMCプロジェクトによるもの。プロジェクトの実施は マラリア・コンソーシアムが カトリック・リリーフ・サービスと共に担当しています。