第2次寺島委員会の第1回会合は、17日午後3時30分より参議院議員会館会議室で開催されました。出席者は、委員側が寺島実郎座長以下9人、オブザーバーは外務省以下5人、でした(出席者は下記をご覧ください)。また、国会議員は藤田幸久・議連会長代行、石橋通宏・議連事務局長が、そして特別に津島雄二先生(初代議連会長)が出席されました。以下、会合のもようを簡単に報告します。
1、あいさつ
会合は、金子文夫委員の司会の下、議連を代表して石橋通宏事務局長と委員会を代表して寺島座長が次のようにあいさつされました。
・石橋議員: 議連として何としても国際連帯税を税制大綱に書き込ませようと活動してきている。あらためて国際連帯税の目的と具体的な税制について考えたい(併せて、名称問題についても)。
・寺島座長: 前回の委員会より話が一巡し、新しい状況に。グローバル化という状況で、とくに影の部分へのガバナンスの問題が問われている。その証左がエボラ熱問題。私自身海外への出張が多くいつウィルスを運ぶ主体となるかもしれない。これらの問題に政策科学として対処していくことが必要。フランスが主導する航空券税は時宜に叶っている。…国境を越える移動や取引に広く薄く課税しその責任を負担してもらう。世界の動きをにらみながら、とくに欧州のFTT(金融取引税)と連携することも必要。現在議連は実に豪華なメンバーで構成されているが、今回の委員会としてリアリティーのある議論を行い、その成果を議連に提示していく。
2、第1回会合の議事(議事次第はこちら )
1)【提案】委員会の名称と検討内容の確認、グローバル連帯税の定義について
<決定したこと>
委員会の名称については、「グローバル連帯税推進協議会(第2次寺島委員会)」とする。理由としては(定義に関わることですが)、資金調達の性格につき、「(チャリティーを含む)自主ファンドとかではなく、基本的に強制力を持った枠組みを作るべき」(寺島座長)。もちろん、例えば航空券税に関し名称として「タックス」を使用しない形での柔軟性は考えられる。
「具体的検討内容」と「検討期間と報告書づくり」「次回以降の会合の検討テーマ」等については、「議事次第」と「提案」を参照ください。次回は1月とし、日程は今後決めていきます。なお、「グローバル連帯税の定義」については、今後の具体的テーマの検討の中で引き続き議論していくことになりました。
3、津島雄二先生の提案
先生は、危機感をもって航空券税の導入を訴えました。それはエボラ熱問題で「これが中国に入ってくるようであれば、日本も危ない。航空業界や観光業界はもっと危機感を持ち、真剣に対応すべきだ」、と。これに対し、内海孚先生が、「津島先生の意見に同感である。すぐにアクションを取るべき」とコメントされました。
《国際連帯税フォーラムは両先生の提起を受けて、20日に全国会議員を対象に「総選挙公約に『エボラ出血熱に対応するために航空券連帯税を導入します』を入れ、パンデミックを食い止めよう!」などのニュースレターを発行します》
【委員側出席者:敬称略】
・寺島実郎(日本総合研究所理事長、多摩大学学長)〔座長〕
・石橋通宏(参議院議員/国際連帯税創設を求める議員連盟事務局長)
・稲場雅紀(「動く→動かす(GCAP-Japan)」事務局長)
・上村雄彦(横浜市立大学国際総合科学群 教授)
・内海 孚(元財務官)
・金子文夫(横浜市立大学名誉教授)
・木村瑞穂(未来バンク事業組合事務局長)
・小西雅子(WWF ジャパン気候変動・エネルギープロジェクトリーダー)
・佐藤克彦(国際公務労連日本協議会事務局長)
・田中徹二(国際連帯税フォーラム代表理事)
【オブザーバー出席者:敬称略】
・外務省 国際協力局地球規模課題総括課 首席事務官 高田勝信
・財務省 国際局開発政策課 課長 武藤功哉
主税局調査課 外国調査第一係長 辰己智人
・金融庁 総務企画局 参事官 齋藤通雄
・環境省 地球環境局国際連携課 課長 瀬川恵子
◆写真は、冒頭あいさつする寺島座長と第1回会合の風景