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気候変動・温暖化対策「適応資金」、途上国に最大年間60兆円必要
2014.12.10
気候変動・温暖化対策「適応資金」、途上国に最大年間60兆円必要

 

現在ペルーのリマで第20回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP20)が開催されていますが(12月1日~10日)、国連環境計画(UNEP)は5日気候変動・温暖化による途上国の被害への対策である「適応」のための資金について、2050年までに2500~5000億ドル(約30~60兆円)に達する恐れがあるとの報告書を公表しました。

 

ところで、2009年に開催されたCOP15で、長期(適応)資金として2020年までに1000億ドルを先進国は拠出することを決めていますが、この1000億ドルすら目途
が立っていません。そういう中での、いっそうの増額が求められていますので、先進国はあらゆる方法で拠出額を増加させていかなければなりません。

 

ODAの対GNI比0.7%拠出という国際目標の達成はもとより、金融取引税や国際炭素税などの革新的資金メカニズム、その他によって。ちなみに世界のODA拠出はGNI比0.29%で1254億ドルですから(2012年)、0.7%拠出となれば3028億ドルの拠出となります。従って、ODAから半分の1500億ドル、革新的資金メカニズムから1000億ドル拠出できれば、最低の2500億ドルをクリアーできるでしょう。

 

ともあれ、UNEP報告につき毎日新聞の報道とリマに行っているWWFジャパンの小西雅子さんの報告を送ります。

 

【毎日】温暖化被害:気温2度未満抑制達成でも途上国に年60兆円
…前略
 (適応のための対策として)例えば、バングラデシュなど南アジアでは食料確保や洪水対策などの費用で、10~50年の年平均で400億ドルかかるという。また、マダガスカルでは、巨大化するサイクロンに備え、襲来する季節の前に収穫できるイネの開発費が多額に上る。コロンビアでは、被害軽減策の基礎データとなる環境異変を評価するための人材育成への投資も必要と指摘している。
…後略

 

【WWFブログ】気候変動への「適応」にかかるコストは?
…前略
その(UNEPレポート)内容は、世界の国々が「適応」のため必要とする資金額は、これまでの想定を大きく上回るという衝撃的なものです。
…中略
この規模は、これまでIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の評価に基づき「2050年までに毎年700~1,000億ドル(85~120兆円)」と予測されていた金額の、4~5倍に相当します。
…後略