トマ・ピケティ教授の来日と各メディアの紹介ぶりはまるで台風一過のようでしたが、やや落ち着いたところで本田浩邦先生を講師にお招きして下記の講演会を開催します。ふるってご参加ください。
講演会:「ピケティ『21世紀の資本』と資本主義の未来」
・日時:4月12日(日)14:30~16:30
・会場:自治労会館2F会議室
アクセス:http://www.jichirokaikan.jp/access.html
・参加費(資料代):500円
・定員:45人
・申込み:「講演会参加希望」ならびにお名前、所属(あれば)をお書きの上、次のアドレスから申込みください。 info@isl-forum.jp
◎講演:本田浩邦・獨協大学経済学部教授
*先生はNHKEテレで6回に渡り放映された「ピケティの白熱教室」に資料提供ということで参加されました
ピケティ『21世紀の資本』の特徴は、膨大な歴史的データで格差・不平等を検証していることです。その上に立って理論的根拠を示すとともに、格差是正のための政策提言を行っています。
前者が「r(資本収益率)>g(経済成長率)」理論であり、後者はグローバルな累進資本課税の提言です。今回は、主に「r>g」で表わされるピケティ理論の核心を本田先生に分かりやすく語っていただきます。
「r>g」を導くためには、次の2つの法則の理解が必要となります。
・資本主義の第一基本法則:
α(国民所得に占める資本(収益)の割合)=r(資本収益率)×β(資本所得比率)
・同 第二基本法則:
β(資本所得比率)=s(貯蓄率)/g(経済成長率)
ともあれ、「r>g」がさらに開き、格差・不平等が拡大するとどうなるでしょうか。「20世紀初頭の極端な不平等は…第一次世界大戦に結び付いた。今再びイスラムをめぐる問題や極右勢力の台頭などがクローズアップされているのは、偶然ではない」(週刊東洋経済、インタビュー)とピケティ教授は語っています。いわば資本主義の未来について予言しているわけですが、格差・不平等の拡大は何をもたらすのか、このことについても考えてみたいと思います。
なお、ピケティ教授のもうひとつの重要な提言である「グローバルな累進資本課税」の問題については次の機会に取り上げていきます。世界と日本の格差・不平等問題に関心のある方はぜひご参加ください。
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