4月21日行われたFTT(金融取引税)に関する市民社会国際電話会合の報告を送ります(日本語)。簡単なまとめと解説です。
1)欧州情勢について
(マスコミではまったく報道されていませんが)本日5月11日、FTT導入予定の欧州11カ国の財務大臣会合が行われ(明日欧州経済・財務相理事会 [ECOFIN] 開催)、実施内容の取り決め合意に至るのではないか、との感触を得ているようです。これまで11カ国で技術的内容について20ほどの技術作業部会が作られ、相当詰めてきたようです。
この電話会議報告では触れられていませんが、5月7日付ルモンド紙に、パスカル・カンファン前開発大臣への気候変動・COP21に関するインタビュー記事が載っています。ここで彼は11日の財務大臣会合でのFTT合意を期待しています。
Climat : ≪ La question du financement peut faire derailler la COP 21 ≫
「気候:資金問題がCOP21を脱線させることができる」
2)第3回(国連)開発資金国際会議(FfD3)について
同資金会議(7月、アジスアベバ)に向けての成果文書に関してですが、3月に草案(ゼロドラフト)が出されまして、そのパラグラフ62に、革新的資金メカニズムとFTTなどのグローバル・タックスについて記述されていました。
ところが、これに対し米国が反対し、IMFがこれに追随したことから(G77は支持のようです)、市民社会側は署名要請行動等を配置してアドボカシー活動を強化しようということになりました。
●以上が4月21日時点での市民社会側からの報告ですが、アジスの成果文書について、5月6日に第2(改訂版)ドラフトが出されました。これを見ますと、パラグラフ60にゼロドラフトで記述されたものと、ほぼ同じ内容で記述されています。フランスやチリなど「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ(LG)」ががんばったのでしょうか(4月末には市民社会側へのヒアリングがありブラジルのNGOがFTTを強く主張)。
◆写真左はパスカル・カンファン前仏開発大臣(ルモンド紙より)、中は米国のロビンフッド・タックス・キャンペーンのデモ(2015年1月)