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グローバル連帯税推進協議会「最終報告書」を掲載します
2015.12.25
グローバル連帯税推進協議会「最終報告書」を掲載します

既報通り、昨年11月からはじまったグローバル連帯税推進協議会(座長:寺島実郎日本総合研究所理事長)は、先月27日第8回目の協議会をもって終了し、12月中に最終報告書をまとめあげました。

 

最終報告書のタイトルは、『持続可能な開発目標の達成に向けた新しい政策科学―グローバル連帯税が切り拓く未来―』です。どうぞお読みください。

 

グローバル連帯税推進協議会「最終報告書」を読む PDF

 

簡単にコメントを:

世界の貧困問題や気候変動問題など地球規模課題に対処するための資金調達に関する国際的な議論は、2009年から2010年にかけて盛んに行われていました【注1】。2010年という年は、ミレニアム開発目標(MDGs)に関する第2回目のレビューが行われた年であり、同時に気候変動カンクン会合・COP16(「緑の気候基金」など資金問題で合意)が行われた年でした。

 

そこでの議論の特徴は、新しい資金源(革新的資金)の構想で、どの議論でも金融取引税などのグローバル・タックスの提案が行われています。また、気候変動では炭素に価格付けをした上での排出権取引や炭素税(含む航空・海上輸送税)などが提案されました。

 

ところが、税制を取った場合当該ビジネスセクター(金融、航空等)からの反発が強く、また政治の側からの強いイニシアティブが発揮されず、その後進展がみられていません。

 

今年7月に開催されたポスト2015開発アジェンダに向けた第3回国連開発資金会議(FfD3)でもグローバル・タックスを後景に退けています。原案では、金融取引税、炭素税、航空・海上輸送税、タバコ税などのグローバル・タックスが提案されていました (「成果文書のゼロ・ドラフト」2015年3月)【注2】。ところが、会議の議論の中で米国はじめとした強い反対があり、グローバル・タックスは「成果文書」から消えてしまいました。

 

そういう状況の中で、グローバル・タックスとしてのグローバル連帯税とは何か、それがなぜ必要なのか、そしてどのようなガバナンスが求められているのか等につき、じっくりと分析したのが本最終報告書です。どうぞ目を通していただき、ご意見を寄せていただければとてもうれしく思います。

 

【注1】

・「地球環境税等研究会」報告書(2009年3月 環境省)

・「保健システムへの革新的国際投資検討タスクフォース」(2009年3月 ブラウン英国首相・ゼーリック世界銀行総裁共同議長)

・「国際通貨金融システム改革についての専門家委員会(スティグリッツ委員会)報告」(2010年9月 国連)

・「開発のための国際金融取引についてのタスクフォース・専門家グループ」(2010年7月 開発のための資金調達に関するリーディング・グループ)

・「国連事務総長の気候変動資金に関するハイレベル諮問グループ」報告(2010年9月)

・「国際連帯税推進協議会:環境・貧困・格差に立ち向かう国際連帯税の実現をめざして―地球規模課題に対する新しい政策提言―」(2010年9月)

 

【注2】The zero draft of the Outcome document, 16 March 2015

62. …We encourage additional countries to voluntarily join in implementing the agreed mechanisms and to help develop and implement additional innovative modalities, including a widening of countries participating in a financial transaction tax, carbon taxes or market-based instruments that price carbon, taxes on fuels used in international aviation and maritime activities, or additional tobacco taxes.…