日頃よりお世話になっています。グローバル連帯税フォーラム事務局です。
今回は先日行ったアンケート第一弾の結果報告及びアンケート第二弾の実施のお知らせ、最後に著名研究者による国際連帯税関連の論文の紹介をさせて頂きます。
【アンケート第一弾結果概要】
まずはアンケートにご回答頂いた方々、本当にありがとうございました。頂いたご意見は今後のフォーラムの運営にしっかり活かさせて頂きます。
まず、最初にあった「国際連帯税に賛成ですか?」という質問に対しては……
賛成:80.0% 反対:6.7% どちらでもない:13.3%でした。
以下は頂いた主な賛成/反対理由及び国際連帯税に関するアイデア・ご意見です。(読み易くする為、一部編集しています。)
主な賛成理由
・グローバルな問題を解決する上で、ODA資金では国の意向が強く働き過ぎるし、約束した拠出を守らない政府も多数存在するので、資金規模不安定となる。民間資金では利益に直結しにくい分野への投資は期待できない。したがって、従来の公私の資金に依存しない新しい資金メカニズムが必要であり、国際連帯税はその可能性を有している。
・気候危機にせよパンデミックにせよ、先進国だけで解決できる問題ではありません。先進国の資金援助だけではなく、フラットな関係で共に問題に取り組むためには国際連帯税のフレームがいいのではないかと考えました。
・グローバルな課題の解決において、先進国のその時々の思惑に左右されることなく、持続的に資金が確保できる方策が必要であるため。
・各国の拠出金だけでは不測の事態に対応できない。実際、コロナ対応ですら失敗の連続だった。近代的な国民国家の枠組みにもそろそろ限界が来たのではないか、と改めて考えさせられた。今こそ、世界的な視野を持ち、国際的な税の導入をすべきだと思う。
・パンデミック対応など国際感染症対策は我が国にとって喫緊の課題であり、その財源の一部負担を感染媒体の可能性がある旅行者に求めることは理があると考えます。また、国際的な感染制御対策の財源にもなります。
・暴走するマネーをコントロールし、国際的な課題に対応する費用を賄うため。
主な反対理由(どちらでも無いを含む)
・意図は賛成できますが,徴収手段の構築が難しいと思います。
・原則賛成。しかし、各国事情、国連の現状を見れば連帯性のなさに実現性はない。
・課税側・課税される側、徴収した税を分配する側・受け取る側、その税の執行について管理・監督・監査する側、各プレイヤーのメリット・デメリットが整理出来れば不可能な仕組みではないと思いますので、よりよい仕組みの実現に期待します。
主なアイデア・意見
・賛同するNGO・NPOの世界的合流を通じ、国際連帯税の根拠となる国際条約成立の実現を目指す。
・炭素税、武器取引税、感染予防協力税、児童労働税など、SDGs問題解決のための課税を検討する。
・核兵器開発を止める平和分担税など、無駄な軍事費を地球環境問題などに活かしていく。
・若者に訴え、国際連帯税についてYouTubeなどに投稿する。
・反対の立場に立ち得るステークホルダーの中から理解者や協力者を得て、捲き込んでいくことが、強硬な反対意見へのプレッシャーになっていく。
・地方自治体からの請願を組織的に行う。国際的なネットワークを強化し、G7やG20の議題に取り上げるように働きかける。ダボス会議の活用も考慮する。
・大企業のトップに理解を求めるような働きかけをしていき、そういった層から発信ができたら、社会へのインパクトになるのではないでしょうか。
【アンケート第二弾の実施】
第一弾の結果も踏まえて、以下の課題を設定しました。
1:一つはそもそも「国際連帯税」という名称が「固すぎる」などの意見があり、名称を変えた方が良いということ。
・ただし、「国際連帯税」という名称は法律で定まっており(2012年「社会保障と税の一体的改革」法の第7条)、正式名称は変えられないので、あくまで通称という形です。
・私たちは仮称として「SDGs税」というのを考案したのですが、これについてご意見を伺いたいと思います。
(ちなみに我々の方でも「税」という名称を何とかしたいという意見などが出ました。)
2:もう一つは「国際連帯税」の認知度と理解を何とか広めたいということです。
・SDGsも少し前まで日本では1割ぐらいの人しか知りませんでした。「国際連帯税」もSDGsのようなブレイクスルーを狙っています。
第二弾アンケートはこちらから!!
https://questant.jp/q/VAEYW4R6
【経済学者等による国際連帯税に関する最近の論文】
最後に国際連帯税の理論的な拠り所となる最近の論文を紹介します。
著者は佐藤主光・一橋大学教授と小林慶一郎・慶応大学教授で、下記の論文の中でポストコロナの税制・財政政策として、環境税、財産税、金融取引税(トービン税)を挙げ、その財源の使途として、今回のコロナ禍に係る財政赤字の償還財源に充当するとともに、将来の天災・災害への備え、及び新たな「国際連帯」として発展途上国への支援に充てる、と提案しています。
https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3514
https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3515