『貧困根絶!グローバル連帯税実現のため世論にアピールしたい!』プロジェクトの第2弾のご案内です。
第2回研究会: 「欧州FTT(金融取引税)の現状と課題」
◎日時:6月11日(日)午後2時30分~午後4時
◎場所:文京区「アカデミー茗台7F・洋室」
(東京メトロ「茗荷谷」駅下車・徒歩7分)
地図:http://www.city.bunkyo.lg.jp/gmap/detail.php?id=1995
◎講師:津田久美子(北海道大学法学研究科博士課程 日本学術振興会特別研究 DC1)
◎資料代:500円(会員、学生は無料)
◎申込み:「6.11研究会参加希望」とお書きのうえ、Eメールで申込みください。
Eメール:info@isl-forum.jp
<呼びかけ>
グローバル化した経済の下で、世界の貧困や地球環境問題など地球規模課題が山積しているにも係わらず、それらに対処すべき税制は確立していません。「地域社会成立のためには地方税があり、国家社会成立のためには国税があるように、グローバル化された社会にはグローバル税が必要である」(金子文夫横浜市立大学名誉教授)にも拘わらず。
また、一国的に見ても所得の再分配などの税制を一国で実施するには、富裕層のタックスヘイブンなどへの逃避という現実があり、自ずと限界があります。
そういう中で「グローバル税」のはしりとも言える、複数国の政府が共通の課税制度を実施する「欧州FTT(金融取引税)」導入プランは、まことに時代の要請する税制として世界的に注目を浴びました。
2011年9月欧州委員会は、FTT導入のEU指令案を提示し、2014年からEU全体での実施を準備しました。しかし、ただちに英国等の反対があり、13年には11カ国に縮小してのFTT導入をめざすことになりました。ところが、これも各国の金融セクターの反対やギリシャ債務問題等のユーロ危機もあり、その後10カ国での導入を大筋合意しましたが、今日に至るも技術的な詳細を詰めきれず実施できずにいます。
こうした状況にあって、欧州FTTについて何が課題であり行き詰まっているのか、そして今後の展望について、この間精力的に欧州FTTを研究してきた津田久美子氏に語っていただきます。
なお、津田氏は「『車輪に砂』: EU金融取引税の政治過程:二〇〇九~二〇一三年」 (1)(2)という論文を書いていますが、ネット上で見ることができますので、(1)(2)をクリックしてください。
追伸.FTTは実施されればその税収が「数千億円~兆円単位」になるので、90年代から世界の貧困問題や地球環境問題の対策資金として国際機関、NGO等から提案されてきました。先の2015年COP21気候変動パリ会議では、海水面の上昇による陸地の減少など気候変動に対して最も脆弱な20カ国(V20グループ)は追加的な気候資金として金融取引税を要求していました。以下をご覧ください。
【guardian】Vulnerable nations unite to call for greater access to climate funds
V20グループとは、アフガニスタン、バングラデシュ、バルバドス、ブータン、コスタリカ、エチオピア、ガーナ、ケニア、キリバス、マダガスカル、モルディブ、ネパール、フィリピン、ルワンダ、セントルシア、タンザニア、東ティモール、ツバル、バヌアツ、ベトナム
◇写真は、気候変動に対し世界で最も脆弱な国の一つ、キリバスの太平洋島嶼国サウスタラワにいる少年たち。 写真:David Grey / Reuters (guardianより)