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10.12シンポ基調:グローバル化に伴うコストを内部化するメカニズムを
2014.10.06
10.12シンポ基調:グローバル化に伴うコストを内部化するメカニズムを

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10.12シンポジウムですが、既報通り寺島実郎さん(日本総合研究所理事長、多摩大学学長)が基調講演を行います。その内容を簡単に披瀝すると次のようになります。

 

「国境を越えた人、モノ、カネ、エネルギーなどの移動には、必ずそれに付随するコストが伴っており、誰かが責任を持って負担しなければならないが、その国際的なメカニズムが欠落している。今こそ、国際連帯税のような国境を越えた課税メカニズムを具現化しなければならないときで、その理念をしっかり訴えていく必要がある」(7月28日第1次寺島委員会の総括会議から、寺島さんの発言)

 

実際、国境を越えた(主に航空機による)人の移動は予期せずともエボラ出血熱やデング熱ウィルスも運ぶこととなり、結果としてそれら感染症対策というコストをもたらします。また、カネの行き過ぎた移動は、それがたびたびバブル崩壊=金融・経済システムの危機として現れ、その修復のためのコストをもたらします。

 

つまり、グローバル経済はそれに伴うコストを内部化しないまま、公共財を過剰消費しており、それが結果として地球規模課題となって現出しているということです。前日銀総裁の白川方明氏は、2008年のリーマンショックからはじまる国際金融危機が「国際金融システムの安定という公共財の過剰消費の結果」であり「そうした財の供給のためのコストが十分に内部化されていない」として述べています(*)。

 

国際連帯税またはグローバル連帯税とは、このようなグローバル経済による公共財の過剰消費(負の影響)に対して「課税」という方法を用いて抑制するとともに、その税収を世界の貧困・感染症や気候変動対策などの地球規模課題対策への資金として使用するメカニズムです。

 

本シンポジウムの目的は、第一に、国際連帯税またはグローバル連帯税という考え方の共有、です。第二には、様々な地球規模課題の最前線で活動している研究者、NGOからの最新情報と問題提起を受けて国際連帯税またはグローバル連帯税を豊富化していく、ということです。ぜひシンポジウムに参加し、ともに議論をまき起こしていきましょう。

 

(*)白川方明・前日銀総裁の発言:
「最近の国際金融危機は、国際金融システムの安定という公共財の過剰消費の結果ということができます。金融機関が、システムの安定を当然視し、過剰なリスクをとってしまいました。

 

…問題は、グローバル化を効果的に制御しようとしても、これが難しいことです。公共財の過剰消費は裏を返せば、そうした財の供給のためのコストが十分に内部
化されていないということです。…公共財にかかる問題を解決するための方法はよく知られています。最も直截なのは、公的部門が公共財を供給することです。公共財の消費にかかるルールを定めることもできます。さらに、公共財の消費に課税したり、その供給に補助金を支給することも考えられます。

 

…そうであるならば、私たちは、公共財の問題を解決するために知られた選択肢を組み合わせる、より現実的なアプローチを追求するべきです。…たとえば、自己資本規制も、リスクの高い投融資活動のコストを高めるという意味で、この一例と位置づけることもできるでしょう。さらに、…金融取引課税も選択肢であると主張する方もいらっしゃると思います。」(『公共財としての国際金融システムの安定』日本銀行総裁 白川方明 2012年10月14日)

https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2012/ko121014a.htm/ 

 

◆文責:田中徹二(国際連帯税フォーラム代表理事)

 

●写真中央は、2010年の国際連帯税シンポジウムで講演する寺島実郎さん(9月、東洋大学)。左は、9月20日ピケティ勉強会の後に、世界の貧困をなくすための世界的なキャンペーン「スタンド・アップ」を行いました。