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世界中、超カネ余りで債務の山>ドル高・高金利はデフォルトの道

 債務増大

 

2月に入っての未曽有の米株価急(暴)落に引きずられて世界同時株価急落が起きましたが、その後急落の半分ほど取り戻すなど、現在株式市場は落ち着きを取り戻しつつあるようです。しかし、今回の急落劇を局地的バブルの破裂として片づけられるかどうか、まだまだ予断は許されないようです。

 

ロイター通信は次のようにベテランの米国投資家のコメントを伝えています。「…市場には、さしたる確信もないまま『パーティー』に加わろうと、インデックス・ファンドやETFなどの購入を通じて流れ込んだ大量の足の速いお金(ホットマネー)が存在し、先週は恐らくは年内により大きな事件が起きる単なる予兆にすぎないとの見方を示した」(2月18日付ロイター(*))

 

そうです。何よりも各国中央銀行の超金融緩和政策によるマネー供給が、空前のカネ余りとなり投機マネー(ホットマネー)となって、あらゆる金融市場に流れ込み、株式バブル、債券バブルとなって現れています。このバブルが立ち行かなくなりつつあることを示したのが、先々週の株急(暴)落劇でした。多分今後とも米株式市場も、そしてそれに引きずられて各国の株式市場も不安定な動きとなっていくと思われます。

 

一方、この空前のマネー供給により世界的に債務(借金)を膨らませ、とくに途上国や新興国企業のドル債務が急膨張し、グローバルなリスクとなっています(下記の昨日(19日)の日経新聞記事を参照ください)。その債務は、新興国で2兆8350億ドル(17年末、約360兆円)にも上っています。

 

今後、米国の金利上昇とそれに連動するドル高が予想されますが、この二重パンチで途上国・新興国の債務返済や借り換えが滞り、それがグローバルリスクとして顕在化する可能性あり、という訳です。実際、米金利上昇警戒で、新興国からマネーが流出に転じている状況となっているようです(2月20日日経新聞(**))。

 

こうした金融バブルを抑えるのは、まず中央銀行の超金融緩和政策を停止することです。日銀の場合、国債等を大量に購入することをやめ、出口戦略を真剣に模索しなければなりません。次に、金融取引税(FTT)を実施し、ホットマネー(投機マネー)の移動にブレーキをかけることです。FTTからの税収を国内外の貧困・格差対策に使用すれば(SDGs達成に向け)、一石二鳥にも三鳥にもなるでしょう。

 

 

【日経新聞】企業のドル債務 膨張  昨年末、世界で21兆ドル ドル高進めば新興国に打撃 

 世界の企業によるドル建ての借金が膨張している。2017年末に米国企業を除き6兆ドル(約640兆円)と10年前の2倍以上。ドル高が進むと企業の債務返済負担が増え、さらなる信用低下に見舞われる恐れがある。アジア通貨危機を教訓に新興各国は備えを強化しているが、米インフレ観測などから金融市場もドル債務のリスクを意識しつつある。…以下、省略。

 

(*)【ロイター】古参投資家が警戒、「米株の波乱はまだある」
  
(**)【日経新聞】新興国マネー流出基調 半月で76億ドル

 

★図表は「【日経新聞】企業のドル債務 膨張  昨年末、世界で21兆ドル ドル高進めば新興国に打撃 」より
 

巨額の損失発生!>5-6日の米株相場の乱高下で不可視のリスクが顕在

5日の米株式市場での暴落や6日のジェットコースターのような急落・急騰(567ドルの大幅高で引けたが)の結果、実はまったく予想していなかった金融商品(「恐怖指数」絡みの商品)で巨額の損失が発生したようです。

 

それは低ボラティリティー(相場の変動(率))に賭ける金融商品でして、下記の日経新聞によれば2つの代表的な商品で、「運用資産総額が30億ドルから2日間で1億5000万ドルに縮小」したとのこと。たった2日間で28億5000万ドル(約3100億円)が吹っ飛んだことになりますので、かの盗まれた仮想通貨NEMの580億円の5倍強にもなり、確かに巨額ではありますが、実はこんな程度ではないようです。

 

「恐怖指数」絡みの低ボラティリティーに賭ける金融商品は全体でどのくらい投資(運用)されているのかと言いますと、何と2兆ドル(約218兆円)!!余りと見積もられているとのことです(下記ブルームバーグ参照)。え? これが本当であれば、確かに日経新聞で書かれている損失よりははるかに巨額になりそうです。

 

この損失額が、実際に全体としてどの程度のものになるのか、また上記金融商品を売っていたクレディ・スイスや野村証券は取引を停止したようですが、他の金融会社はどうなのか、全体の金融市場にどのような影響を及ぼすのか等々、注視していかなければなりませんね。また、金融バブルをしぼませるには、取引に税をかけること、すなわち金融取引税が有効です。その税収をSDGs達成のために使用できれば一石二鳥ですね。

 

 

【日経新聞】「恐怖指数」絡みの商品に怖さ

…前略
この日(注:2月6日)のダウ平均の値幅は1100ドルに達した。嵐のような相場を経て、これまで見えなかったリスクも露呈した。デリバティブ(金融派生商品)を利用した金融商品が予想外の相場変動(ボラティリティー)に直面して一気に損失を出したためだ。

 

 中でもボラティリティーの激しさを示すVIX指数(通称・恐怖指数)がらみの金融商品で巨額の損失が発生した。一部投資家はVIX指数が下がると価格が上がる「インバースVIX」連動の上場投資信託(ETF)やその関連商品である上場投資証券(ETN)に投資して高収益を上げていたが、前日の相場急落で一気に損失を被った。

 

…中略
 これらの商品は、ボラティリティーが低ければ低いほど価格が上昇する。2017年を通じて「なぎ相場」が主流だった市場環境で高収益を誇った。ヘッジファンドなど相場の上下にかかわらず収益を上げることを目標にする投資家にとっては格好の投資先となった。
…後略

 

【bloomberg】元ゴールドマンのVIXトレーダー、株売り収束までに一段の痛み予想

 

【ロイター】アングル:米VIX逆張り証券の損失、個人投資家を直撃

 米国株が急変動しないことに賭ける上場投資商品(ETP)の価格が、5日の株価急落とともに急落した。複雑な金融商品にもかかわらず、最近では多くの個人投資家が手を出しており、急落によって傷を負っている。…以下、省略

ドイツ大連立協議>NGOが金融取引税でtwitterアクション!

ドイツのGroko( Große Koalition「大連立」の略)協議が4日までに合意を得るべく最終ラウンドに入っています。この動きに対し、オックスファム・ドイツは金融取引税を求めて、関係政党(3党)の指導者に対してtwitterアクションを行っています。

 

今回このアクションへの国際的なサポートを依頼するメールが届きましたので、紹介するとともに、ご協力をお願いします。

 

 

 

<オックスファム・ドイツからの依頼>

…前略…

大連立協議は今週末最終ラウンドに向けて行われていますが、この最終的な連立協定には野心的なFTT(金融取引税)を導入しその収入をグローバルな貧困と気候変動対策へ配分することを必ず含めること、このことを関係する政党に要求します。さらに、新政府が設置されたなら直ちにかつ確実にFTTが実施されるように力を入れてください!

 

残念ながら、それは(アクションを呼びかけているWEBサイトは)すべてドイツ語ですが、あなたがたが行動を取ってくれると私は確信しています。私たちは国際的な支援を受けることができればたいへんハッピーです!

 

PIA SCHWERTNER | Kampagnenkoordination Finanztransaktionssteuer

 

◎ツイッターの文面は、以下の通りのようですので、そのままツイートしてOKです。

 

「貧困緩和と気候変動対策のための強力な金融取引税のない新たなGrokoはない! 最初の100日間にあなたの約束を守ってください!」

 

 

ドイツ大連立に関する最新報道

【日経新聞】ドイツ大連立、協議大詰め 医療保険・雇用なお溝(2月3日朝刊)

 

★写真は、大連立協議の一方の当事者のシュルツSPD党首

 

ダボス会議:英国影の財務相、金融取引税など「不快なメッセージ」発言

世界の政治家や大企業経営者などのエリートたちが参加する世界経済フォーラム(通称、ダボス会議)が1月26日に終了しました。このフォーラムは「世界の課題の解決を目指す会議として世界に幅広く知られ」(1月22日付日経新聞)ていると言われていますが、果たしてそうでしょうか?

 

例えば、フォーラムでは毎年のように「経済格差」をグローバルリスクとして挙げています。しかし、「…ある元中銀当局者が指摘したように、『われわれは以前、格差を是正しようとしたが、うまく行かなかった』」(1月30日付ロイター通信)と報道されているように、行き過ぎたグローバル化がますます格差を拡大し、そのことが世界中でこれまでにない排外主義と分断された社会を生み出しています。

 

このダボス会議に先立ち、国際NGOのオックスファムは毎年格差問題に対する報告書を公表していますが(下記報道を参照)、この格差拡大の進行をくっきりと浮かび上がらせています。

 

 

【朝日新聞】世界の富の8割、1%の富裕層独占 NGO報告、格差対策を呼びかけ

 

【引用】

国際NGO「オックスファム」は22日、世界で1年間に生み出された富(保有資産の増加分)のうち82%を、世界で最も豊かな上位1%が独占し、経済的に恵まれない下から半分(37億人)は財産が増えなかったとする報告書を発表した。資産の偏在が格差拡大を招いているとして、世界の指導者に対策を呼びかけた。

 オックスファムは、スイス・ダボスで23日に始まる世界経済フォーラム年次総会を前に、世界の指導者にタックスヘイブン(租税回避地)への対策や富裕層への課税強化などの取り組みを求めた。

【引用了】

 

 

ところで、このダボス会議にイギリス労働党の影の財務相であるジョン・マクドネル(John McDonnell)も招待され、彼は「グローバルエリートにとって不快なメッセージを発した」ようです。日本ではまったく報道されていませんが、その「不快なメッセージ」を紹介します。

 

【bloomberg】Labour Official Tells Davos, ‘There’s an Anger Building Out There’
労働党は公的にダボスを語る、「そこには怒りが高まっている」

 

“(大意)ここダボスでは経済成長の回復が称賛され、エリートたちは陶酔感に浸っているようだが、世界の一般大衆はその恩恵に浴することなく、「雪崩のような不満と怒り」が溜まっている。「…人々が成長を共有し、富と利益を分かち合うという根本的な新しい課題」に取組まなければならない”として、以下の5項目をマクドネルは挙げています。

 

・労働者に「実際の生活賃金」を支払い、会社の利益を労働者とシェアすること
・労働組合を認知し労働者を会社役員に任命すること
・会計事務所が税の回避に取組むのではなく、納税を奨励するための新しい「ヒポクラテスの誓い」を行うこと
・富裕層と権力者は所得税申告を公表すること
・公的サービスと国際開発プログラムに資金を提供するための金融取引に対する「ロビン・フッド」税を実施すること

 

・Paying workers a “real living wage” and allowing them to share in the profits of the companies they work for
・Recognizing trade unions and appointing workers to company boards
・A new “Hippocratic oath” for accountancy firms to tackle tax avoidance rather than encourage it
・The rich and those in power should publish their income tax returns
・A “Robin Hood” tax on financial transactions that would be used to fund public services and international development programs

「『出国税』国際貢献に生かせ」>上村雄彦横浜市大教授の提言

18年度税制改正において唐突に決まってしまった感のある「出国税(国際観光旅客税)」ですが、上村雄彦横浜市大教授が「『出国税』国際貢献に生かせ」と題した論考を、113日付の北海道新聞に掲載しましたので、紹介します。

 

ところで、出国税(国際観光旅客税)は201917日から実施され(331日までで60億円の税収見込み)、本格実施は19年度から(1941日~20331日)となり400億円の税収を見込んでいます。この本格実施での使途は(基本方針はあるとはいえ)具体的に決まっていません。従って、本格実施に至る過程で、(税収の半分あるいは一部を)国際連帯税的要素へと使途を変更・修正することは十分可能です。

 

■国際観光旅客税(仮称)の使途に関する基本方針等について

(平成291222観光立国推進閣僚会議決定

 

 

 

「出国税」上村①

「出国税」上村②

 

 

 

どっこい欧州金融取引税死なず:ドイツ大連立交渉合意にFTTも

大連立に向け協議が続いていたドイツのメルケル首相側(CDU・CSU)とシュルツ党首側(SPD)とがようやく12日に「大連立政権継続のため政権協定交渉入りを目指す方針で合意」(13日付毎日新聞)しました。まだ下記のようにSPD側の組織上の理由により本格的な「政権協定交渉入り」ができるかどうかは流動的ですが。

 

ともあれ、(本格交渉入り前の)合意内容のハイライトがブルームバーグ電子版に載っていますので紹介します。米系インターネット企業への「公正な課税」を求めることや、実質的な欧州金融取引税(FTT)の導入を目指すこと等、実に興味あり、ですね。

 

欧州FTTについては、昨年9月のマクロン仏大統領の「欧州FTT再起動発言」や同12月の仏4閣僚による「気候変動対策のための資金調達として欧州FTT発言」にもあるように、FTT議論は欧州ではまだまだ健在です。1日も早い独仏連携による欧州(または10カ国)FTTの実施に向けて再度具体的に動き出すことが望まれています。

 

Agreement Highlights(合意されたうちのハイライト部分)

 

 ・Pledges not to increase overall tax burden on citizens
 (市民全体の税負担を増やさないことを約束する)

 

 ・Prepared to contribute more to EU budget
 (EUの予算にもっと貢献することを準備する)

 

 ・Calls for “fair taxation” for Internet companies such as Google,Apple and Amazon
 (グーグル、アップル、アマゾンなどのインターネット企業への「公正な課税」を求める)

 

 ・Targets introduction of substantial European financial transaction tax
 (実質的な欧州金融取引税の導入を目指す)

 

 ・Wants building of nationwide Gigabit network by 2025
 (2025年までに全国規模のギガビットネットワークの構築を望む)

 

 ・May increase clean power share to 65% from 38%
 (クリーンな電力シェアを38%から65%に増やすことができる)

 

 ・Plans to subsidize construction of 1.5 million new apartments
 (150万戸の新規アパート建設を補助する計画を立てる)

 

【bloomberg】Merkel’s Bid to End German Gridlock Hangs on Key SPD Vote

 

とはいえ、SPD(社民党)内では、党青年部や左派の大連立反対論が強く、今後政権協定交渉入りが承認されるか、されたとしても実際政権参加するかどうか、まだまだ紆余曲折がありそうな気配です。

【ご紹介】12.3シンポジウム報告:二つのメディアから

Japan Journalist Conference 

 

 昨年123日に開催されたシンポジウム「「税と正義/パラダイス文書、グローバル・タックス、税制改正」について、日本ジャーナリスト会議の機関紙や社会新報に掲載されましたので紹介します。

 

◎日本ジャーナリスト会議 「コラム 編集長EYE タックスヘイブン三つの問題点」(171225日)

⇒上の記事をクリックすると拡大してご覧いただけます。

 

◎社会新報 「グローバル・タックスは新しいガバナンス」(1811日)

 

なお、シンポジウム全体の文字起こしをしておりますが、まだたいして進んでいません。もうしばらくお待ちください。

 

30年度税制改正大綱:国際連帯税盛り込まれず>6年連続

政府・与党は昨日、平成30年度の税制改正大綱を決定しましたが、国際連帯税については今回も盛り込まれませんでした。これで、政権が交代した25年度大綱から6年連続して国際連帯税の文言が外されたことになります。

 

ただし、国際連帯税に繋がる関連部分として(*)、毎年のことですが、次のような記述がなされています。「また、わが国の経済社会の変化や国際的な取組の進展状況等を踏まえつつ、担税力に応じた新たな課題について検討を進めていく」(第一 平成30年度税制改正の基本的考え方)。

 

●国際連帯税をとりまく税制改正の状況:突然出国税が浮上

 

国際連帯税をとりまく今年の税制改正の動きの特徴としては、何といっても今夏突然浮上した「出国税」(国際観光旅客税)です。当初、8月末に財務省に提出された国交省からの税制新設要望もきわめて抽象的な内容であり、またある自民党税調メンバーも「自民党内で全然議論していない、税制調査会でもめるのではないか」と言っていました。しかし、この出国税導入の背景には、「観光族・菅官房長官」の強力なイニシアティブがあり、結局自民党税調も与党税調もほとんど議論がなく決定してしまったようです。この動きにつき、14日付日経新聞・電子版が詳しく報じています。

 

日経新聞】出国税、観光族・菅氏が剛腕発揮 政治空白に一気に決定

 

ところで、この間述べてきましたように、出国税と航空券連帯税とでは徴税ポイントが航空機の出国時というように一緒ですので、観光資源確保のための出国税が先に決まってしまいますと、連帯税としての税制導入は一段と厳しくなることが予想されます。

 

こういう経過から、グローバル連帯税フォーラムとしては、全国会議員へのニュースレターの配布、そして宣伝有力国会議員への働きかけを行ってきました(その一端として、日本リザルツ代表・白須紀子さんとともに公明党井上幹事長ほかへの働きかけを行いました)。また、国際連帯税創設を求める議員連盟と連携して、とくに衛藤征士郎会長には自民党幹部への働きかけをお願いしてきました。

 

●与党税調での国際連帯税の扱い:中長期的課題か?

 

上記のように国際連帯税(外務省の要望は「国際連帯税(国際貢献税)」)は大綱に盛り込まれませんでしたが、与党税調では“漏れ伝わるところによれば”「中長期的課題」扱いとなったようです。

 

実は、前々年度に(2012年の)政権交代以後はじめて「中長期的課題」になったようですが、前年度にはまた「×」にされてしまったようです。とするならば、今年度は何とか盛り返したと言うことができます。もとより連帯税実現の道はいぜんとして厳しいものがありますが。

 

●航空業界・国交省の反対論破産、連帯税導入の韓国、フランスでは

 

さて、今後の展望ですが、まず次のことが言えます。皮肉なことに出国税が決まったことにより、これまでの航空業界・国交省の航空券連帯税反対の論拠が崩れてしまったことで、この点私たちの主張は通りやすくなりました。

 

業界団体である定期航空協会は平成30年度税制改正要望として、わざわざ航空券連帯税反対を主張し、「本税(注:国際連帯税のこと)は、外国人旅行者に新たな金銭的負担課すことになるため、こうした(注:観光先進国としての)取組みに逆行することとなります」、と。つまり、税導入により外国人観光客の金銭的負担が増すから旅行者減少が予想されるので反対だと言っているのです。

 

では、出国税の場合でも金銭的負担が増すのだから、業界としては反対となるはずですが、この点についてはまったく反対を言っていません。従って、金銭的負担増=旅行者減少という論拠が崩れてしまっていることを自ら認めたものと言えるでしょう。当然、業界と一緒になって連帯税に反対してきた国交省の、とくに航空局の言い分も崩れてしまったのです。

 

ところで、航空券連帯税を導入している国ではいわゆる空港税はどうなっているでしょうか? 並びに連帯税を入れていない英国や日本は?

 

◎韓国:出国税(出国納付金)10000ウォン、国際連帯税(国際貧困退治寄与金)1000ウォン、旅客サービス料28000ウォン  合計 39000ウォン(約4030円)

 

◎フランス:国際連帯税560円、民間空港税990円、空港税1560円、旅客サービス料3410円 合計 6520円 (パリCDG空港→成田空港 エコノミー席の場合)

 

◎英国:旅客サービス料6140円、航空旅客税11500円  合計 17640円(英LHR空港→成田空港 エコノミー席の場合)

 

◎日本(成田空港):旅客サービス施設使用料2090円、旅客保安サービス料520円 合計 2610円

 

以上のように、日本で今後出国税を導入したとしても、いわゆる空港税は韓国より1000円、フランスより4000円弱、英国より12000円も安いことになり、もうワンステップ航空券連帯税を導入する余地は十分あると言えるでしょう。そしてこの連帯税によるSDGs達成のための資金調達は国民的支持を得ることも十分可能だと言えます。

 

こうしたことから、グローバル連帯税フォーラムは引き続き航空券連帯税ほか、SDGs達成のための第二の公的資金としてのグローバル連帯税実現のため頑張っていきたいと思っています。

 

(*)国際連帯税に繋がる関連部分について:

成26年度税制改正大綱では、「(税制抜本改革法)においても示されているこうした課題について検討を進め、所要の措置を講ずる。また、今後、内外の社会情勢の変化を踏まえつつ、担税力に応じた新たな課税について検討を進める」と記述されましたが、この税制抜本改革法が連帯税に繋がる根拠です。

つまり、この「税制抜本改革法」(2012年8月国会で成立)では、その第7条の7で「国際連帯税について国際的な取組の進展状況を踏まえつつ、検討すること」と謳っています。ですから、「こうした課題について検討を進め、所要の措置を講ずる」という中に国際連帯税も含まれることにもなります。

 

注)「税制抜本改革法」の正式名は「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」。

心を改めた?フェイスブック>売り上げ発生地で納税へ、が…

米IT企業の大手であるフェイスブックは、これまで広告収益を実質タックスヘイブンであるアイルランドの法人に集め、そこで納税していましたが(従って、日本やEU各国に法人税を払っていなかった)、今後は売り上げ発生地で納税することにした(従って、日本やEU各国に法人税を払う)とのことです。下記日本経済新聞の記事をご覧ください。

 

「『本来払うべき税金を納めていない』との批判」の高まりの前に、フェイスブックも心を改めて法人税を払う気持ちになったのでしょうか。もしそうであればたいへん結構なことだと思います。

 

しかし、同記事は「フェイスブックは…売上高のうち98%は広告収入が占める。課税額が増えるかについては『今後フェイスブックは各国で生じた知財使用料を費用計上する』(ウォール・ストリート・ジャーナル)との指摘もあり、不明瞭だ」と報じています。つまり、各国内で売り上げが増えても、知財使用料を“がっぽり”と取るので(その国での)利益は少なくなるから、そうたいして法人税を払わなくて済む、というのでしょうか。監視が必要ですね。

 

ところで、フェイスブックの決算を調べた人がいて、「(Facebook Q3 2017 Resultsによると)税引前純利益が$5.2B(約5,200億円)あるのに対し、法人税として支払っているのが$529M(約529億円)で、実効税率が10%となっています」と報告しています。で、Facebookが納めている法人税のあまりにも少ないことに驚いた、と言っています。下記の「Facebook決算で見るべきは驚くほど低い『法人税』だ」をご覧ください。

 

また、筆者は米国と日本のIT企業の実効税率も調べていまして、それは次の通りです。
 《米》Facebook: 10%
 《米》Google/Alphabet: 16%
 《米》Apple: 24.6%
 《日》ヤフー: 31%
 《日》サイバーエージェント: 46%

 

【日経新聞】フェイスブック、納税は売り上げ発生地で 戦略転換 

 

 【ロサンゼルス=中西豊紀】交流サイト(SNS)大手の米フェイスブックは12日、税率の低いアイルランドの法人で一括処理している納税戦略を変更し、今後は売り上げが立った国それぞれで税金を支払うと発表した。欧州を中心に「課税逃れ」との指摘が出ているためで、規模拡大とともに高まるIT(情報技術)企業への反発感情に配慮したものとみられる。

 

…(中略)…

 

 フェイスブックは17年7~9月期決算の売上高が103億2800万ドルと四半期ベースで初めて100億ドルを超えた。売上高のうち98%は広告収入が占める。課税額が増えるかについては「今後フェイスブックは各国で生じた知財使用料を費用計上する」(ウォール・ストリート・ジャーナル)との指摘もあり、不明瞭だ。

 

Facebook決算で見るべきは驚くほど低い「法人税」だ―節税が巨人の競争力を高める

ワン・プラネット・サミット前に、フランスが金融取引税推進を主張

パリ協定採択からちょうど2年目の1212日、パリ近郊で「ワン・プラネット・サミット」が開催されます。このサミットは主宰がフランス政府ということもあり(国連、世界銀行が共催)、日本ではあまり報道されていませんが、時事通信は次のように伝えています。

 

「サミットには政府だけでなく企業やNGOなどから計約2000人の関係者が参加し(注:4000人参加との報道も)、温室効果ガスの抑制と経済成長を両立する方策を話し合う。河野太郎外相も出席し、日本の取り組みについて説明する見通しだ」(1210日付「パリ協定推進へ環境サミット=仏主催、米大統領招待せず」)。

 

このサミットの主な目的は気候変動対策資金の創出に向けての議論にあるようです。11月に開催された気候変動枠組条約・COP23で、米トランプ大統領の「パリ協定」離脱表明を受けて、途上国支援のための資金問題で対立が目立ったことは記憶に新しいところです。

 

そこで気候変動問題に並ならぬ政治的意思を持っているフランスがこのサミットを機に「資金問題」でも国際的なイニシアティブを発揮しようとしているようです。

 

●サミット前に仏政府4閣僚が欧州金融取引税を強く要求

 

この4閣僚とは、ブリュノ・ル・メール財務相とジャン=イヴ・ル・ドリアン外務相、ニコラ・ユロ環境相、フレデリック・ヴィダル高等教育大臣ですが、Le Journal du Dimanche紙に共同声明として掲載されました。

 

骨子は、次の通りです。フランスはすでに金融取引税を導入し(注:株式購入に0.2%課税、17年は0.3%に)、昨年は11億ユーロの税収を上げ、環境政策の資金として役立てている。政府は、この金融取引税を欧州連合(EU)規模に拡大し、気候変動対策のための資金調達に向け推進する方針である。EU規模の金融取引税は2020年までに毎年50億ユーロ(59億ドル=約7000億円)の税収を得ることができる。

 

4人の閣僚は、『欧州でこの税制が適用されるように推進し、全員にこの連帯の努力に参加するよう求めている』と述べた」とのことです。

 

【ロイター】France to push for European financial transactions tax

 

●「ワン・プラネット・サミット」は、フランス、国際連合、世界銀行の共催で、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、ウィ・ミーン・ビジネス、気候エネルギー首長誓約、ヨーロッパ委員会、C40世界大都市気候先導グループ、経済開発協力機構(OECD)、ブルームバーグ・フィランソロピーズの協力、そして参加国は100か国超という大掛かりなものです。

 

*詳細は、フランス大使館のWEBサイトを参照ください。

 

ライブ配信もありますので、関心のある方はご覧ください(公式HPから)。