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APEC閣僚会議で河野外相が国際連帯税を提案

     パプアニューギニア②

 

11月15日パプアニューギニアAPEC(アジア太平洋経済協力)閣僚会議が開催され、同会議において河野外務大臣が域内貿易・投資関係についての意見のほかに国際連帯税についても提案しました。また、当日夜に行われた2回の臨時記者会見で、さらに国際連帯税についての同大臣の考えを詳しく述べています。これらを紹介します(外務省のWebサイトより)。なお、日本のマスコミでは残念ながら報道されていないようです。

 

●パプアニューギニAPEC閣僚会議での大臣発言

 

「(最後のパラグラフ)国際連帯税について:国際社会は,2030年までのSDGs達成に向けて必要な資金ギャップを埋めるため,国際連帯税を含む革新的資金調達のあり方を真剣に検討する必要がある」

 

●当日夜の河野外務大臣臨時会見記録

 

1)17時30分~
【河野外務大臣】の<冒頭発言> 
…前略… それともう一つ,私から,国際連帯税について,今日のスピーチの中で少し申し上げました。いくつかの国から,こうした新しい提案をAPECの場で議論することは非常に好ましいというフィードバックもありましたので,少し,いろんな議論を,国際的な場で仕掛けていきたいというふうに思っております。私からは以上です。

 

<質疑応答>
…前略… 【記者】冒頭の発言で言っていた国際連帯税なんですけど,会議に出席していた国の反応をもう少し詳しく教えてください。

 

【河野外務大臣】コーヒーブレークの中で,この話は初めて聞いたという方もいらっしゃいましたし,会議のスピーチの中で,日本の発言について触れたところもあります。そういう意味で,やはり難民・避難民の数が戦後最高になってしまったということ,あるいは気候変動の影響も大きくあるんだと思いますが,自然災害が各地で頻発し,気候変動の影響をみんなが感じている中で,非常に大きな財政ギャップ,支援を必要としている方と,政府開発援助(ODA)や官民連携(PPP)で提供できている部分を考えると大きな財政のギャップがあるというのは,おそらく,みんなが感じているんだろうと思います。そういう中で,国際連帯税というのを我々は提案しましたけども,これを含めて,すこし革新的な資金の拠出方法というのを議論していこう,というのは多くの国が前向きだったと思います。 …後略…

 

2)18時35分~
【河野外務大臣】の<冒頭発言> 
…前略… また,今次APEC閣僚会合では,包摂的な成長実現のため,女性の経済的参画,防災について議論するとともに,地球規模課題への対応に必要な資金を確保するため,革新的資金調達の重要性を訴えた。
 世界の難民・国内避難民の数は約7,000万人に達しており,支援を待つこれらの数としては,第二次大戦以降最も高い水準に達している。これに加え,気候変動の結果として21世紀末までに猛烈なハリケーンや台風の発生頻度が増加し続けるという予測もある。このような中,包摂的な成長を実現する上での課題克服のため,資金を動員する必要性はこれまでになく高まっている。 国際社会は2030年までのSDGs達成に必要な年間2.5兆ドルもの資金ギャップを埋める方法を真剣に検討する必要がある。ODAやPPPのみで埋めることは簡単ではない。
 経済のグローバル化から受益している国境を越える活動に広く薄く課税し,難民,国内避難民や大規模な自然災害に苦しむ人々への支援といった人道支援に充てる国際連帯税は,長期的な解決策の一つ。
 日本は,こうした解決策に関する国際社会の議論に貢献する用意がある。今回,APEC参加閣僚との間でもそうした議論を行ったところであり,私の国際連帯税についての提案は,会合に参加した閣僚達から肯定的な反応を得た。

 

<質疑応答> …前略…
【新華社通信】包摂的成長と経済についてお伺いする。貴大臣は先ほど革新的資金調達ということにも言及されたが,日本は中国が進める地域の連結性を高めるキャパビル計画に協力するか。

 

【河野外務大臣】日本は,中国が進めるインフラ計画が開放性,透明性,ライフサイクルからみた経済性,対象国の財政の健全性が国際基準に見合うものであれば,喜んで中国に協力する。包摂性について言えば,我々はSDGsの達成を目指しており,できる限りのことを行うつもりだ。しかし一方で,国際社会は,現在存在する巨額な資金ギャップを埋める方法を真剣に検討する必要がある。 …中略…

 

【BBC】貴大臣は気候変動に関する発言で国際社会は協力すべきと述べられた。今回,PNGはAPEC会合を主催しているが,貴大臣は,国際社会が(資金)ギャップを埋めるために協力できるとお考えか。

 

【河野外務大臣】もし,私たちが真剣にSDGsの達成に向け取り組むならば,資金ギャップの問題について解決する必要がある。私が提案したのは,国際連帯税についてである。たとえば,為替取引に薄く課税し,それらの税が国際機関に直接届くようにする。そして,国際機関はその資金を難民や自然災害の被災者のために利用する。これは,一つの提案であり,他にも多くの提案があるだろう。重要なことは,資金ギャップについて認識することである。日本は財政赤字を抱えており,他の多くの支援国も資金上の制約を抱えている。そのため,この資金ギャップを各政府からの拠出で埋めることは非常に難しい。我々は問題解決のためにクリエイティブにならなければならない。私の提案は多くの提案の中の一つであり,今後議論が進むことを歓迎する。また,すべての国がこの議論に加わるべきであると考える。 …後略…

 

・閣僚会議発言 / 臨時会見記録(17時30分) / 臨時会見記録(18時35分) 

 

★写真は外務省のWebサイトから引用

 

●インフォメーション
「国際連帯税をG20大阪サミットで主要議題に」キャンペーンはじまっています
⇒みなさまの賛同署名をお願いします。署名はこちらから。   

・詳細は、こちらをご覧ください

「国際連帯税をG20大阪サミットで主要議題に」 キャンペーンはじまる!

キャンペーン主旨: 本年5月河野太郎外務大臣はG20外相会合で、SDGs(持続可能な開発目標)達成に必要な資金を確保するために「国際連帯税」を提案しました。以後も世界に向けて同税の必要性を訴えています。私たちはこれを歓迎し、来年6月開催のG20大阪サミットにおいて議長国日本が「国際連帯税を主要議題として取り上げること」を要求して、キャンペーンを立ち上げます。あなたの賛同署名をお願いします。

 

★署名フォームは、こちらから

 

1、世界の貧困や格差の解消、「誰ひとり取り残さない」社会の実現を理念とするSDGsを達成するには莫大な資金が必要であり、先進国などによる政府開発援助(ODA)ではとうてい間に合いません。新しい資金源として期待されているのが、グローバル化で受益している経済セクターに課税しその税収を上記課題の解決に充てようとする国際連帯税です。具体的には、金融取引や電子商取引、国際線航空・船舶(運賃)等への課税です。

 

2、国際連帯税の活動は2006年パリ会議で旗揚げし、それ以後フランスや韓国など14カ国が航空券連帯税を導入し進展を見せました。しかし、2011年G20カンヌ・サミットでビル・ゲイツ氏の開発のための資金調達に関する報告を各国首脳が議論して以降、国際社会において国際連帯税や革新的資金源の議論は極めて低調となっています。

 

3、そういう中で、本年5月G20ブエノスアイレス外相会合で河野太郎外務大臣が「持続可能な開発目標(SDGs)の達成に必要な資金を確保するため、人や企業のグローバルな活動に課税する『国際連帯税』を提案」したことは実に画期的であると言えます。以後、同大臣は国の内外で国際連帯税導入を訴え続けています。

 

4、来年6月には日本が議長国となりG20大阪サミットが開催されますが、国際的に国際連帯税導入の機運を高めていく絶好の機会と言えます。つまり、私たちは河野大臣の訴えを心から歓迎し、SDGs達成に必要な資金源として国際連帯税をサミットの主要議題として取り上げるよう議長国である日本政府に要求していきたいと思います。

 

5、以上の要求をかなえるべく、私たちは大きなうねりを創り出すキャンペーンを立ち上げていきたいと思います。具体的には、団体の責任者ならびに関心のある個人、有識者のみなさまがこのキャンペーンの主旨に賛同していただき、署名をしていただくことです。別紙欄に署名をしていただきFAXにて送付していただいても結構です。

 

<キャンペーン事務局> グローバル連帯税フォーラム(担当:田中)     

   ☎:090-3598-3251  Email:gtaxftt@gmail.com

 

★ロゴは、SDGsの第10目標「人や国の不平等をなくしよう」です。

                      

文化勲章受章者、金子宏先生と国際連帯税>途上国の苦しんでいる子どもたちへの思いが

金子宏

      金子宏先生、文化勲章受章おめでとうございます!

 

今年度文化勲章を受章した金子宏先生(東京大学名誉教授)は、私たちの国際連帯税活動をずっと“熱く”支援してくれています。先生と国際連帯税との繋がりをふり返ってみました。

 

実は金子先生には、これまで2度実際に講演等を行ってくれています。そもそもどうして私たちが金子先生を知ったのかと言いますと、2006年8月3日のことですが、日本経済新聞のコラム経済教室に「人道支援の税制創設を 国際運輸に定率で」と題した論考が載ったことが契機でした(下記参照)。「あっ、何と租税法のオーソリティーが連帯税を提唱している」とたいへん驚き、それで先生に連絡を取ったのでした。

 

この頃はまだ国際連帯税議員連盟もなく、また外務省や財務省に行ってもまともに相手にされず、国際連帯税はNGOや研究者の活動に留まっていました。ですから、これだけのオーソリティーがほぼ連帯税の考え方と同じ人道税を提唱したことに大いに鼓舞されたことを覚えています。

 

ともあれ第1回目の講演は、2007年1月12日にグローバル・タックス研究会(*)の場で行っていただきました。そのもようはこちらご覧ください(なお、講演内容はオルタモンドのWebサイトを通してPDF化していましたが、このWebがなくなったため消えてしまいました、残念)。
 

(*)同研究会は、NGOオルタモンドと当時上村先生が赴任していた千葉大地球福祉研究センターが中心となって行われたものです。

 

第2回目の講演は、2008年11月22日に開催した「『国際連帯税』東京シンポジウム2008」の 「専門家会合」で“各連帯税・資金メカニズムに関する提言”セッションで行っていただきました。

 

また、講演のほかに、2009年10月には「国際航空券税(国際人道税)等国際課税の問題について」と題するIMF財政局税制担当課長との公開会談を行っています。ここで先生は、先の日経記事の内容をさらに深めています。

 

そして先生の連帯税に関するもっとも大きな仕事は、2010年9月政府税制調査会の専門家委員会 に設置された国際課税小委員会の第1回目に特別報告を行ったことです。この小委員会の設置については、当時の政府税制調査会を仕切っていた峰崎直樹財務副大臣の並みならぬ努力があったと聞いています。

 

先生の政府税制調査会に提出された資料はここから見ることができます。その中に日経新聞に載った「人道支援の税制創設を 国際運輸に定率で」も入っています。
 

この年は、日本政府が革新的資金調達に関するリーディング・グループ(国際連帯税等を推進したい各国政府の集まり)の議長国になり東京で大規模な総会が開催され、また政府税調でも国際連帯税をメインのひとつとした国際課税小委員会が設置され議論するなど、もっとも連帯税実現に近づいた年でした。しかし、同年ナショナル・フラッグであった日本航空(JAL)が倒産し、また全日空(ANA)も空前の赤字に転落するなど、航空業界を取り巻く経済状況が最悪という状況でした。こうした状況もあり、国際連帯税の第一弾となる(はずの)航空券連帯税は、結果として見送られてしまいました。

 

ところで、金子先生は1930年11月生まれですので、この年ちょうど80歳となられました。その後は外での講演などは控えられましたが、私たちは日本リザルツの白須代表がことあるごとに先生に連絡し、助言をいただいていました。そしてみなさんもご存じのように、本年7月26日開催した「SDGsのための国際貢献と国際連帯税を考えるシンポジウム」にも激励のコメントを寄せてくださりました。

 

以上から分かりますように、金子先生は租税法のオーソリティーでありますが、決して学問や法解釈の世界に閉じこもっていたのではありません。途上国の紛争や貧困・飢餓、とくに子供たちの苦しみに胸を痛め、その救援のための方法として税制の面からアプローチを試みたという点で、まさに実践家でもありました。門下生はもとより先生の教えに学んだ学生は数知れず、そしてかなりの人が政財官の中枢を担っていると思いますが、ぜひとも先生の国際人道税構想を忘れてほしくないと思います。

 

最後に金子先生の教えです。「国際航空旅行は国外における消費行為であるから、国家の課税権はこれに及ばないのではないか、という批判がありうるが、国際航空券税は、 国際社会が課税権をもっている消費行為に対して、国際社会がまだ徴税機構を持つほどに組織化されていないため、各国家が国際社会に代わって徴収し その税収を国際機関に転送する仕組みであると考えるのが、グローバリゼーションの時代に適合しているといえる」(「人道支援の税制創設を」)。しかし、今次の国際観光旅客税は日本が(勝手に)自分たちだけのために使っているという点で、本来国際社会の税収とすべきものに対する課税権の越権行為と言えましょう。

【速報】河野外相、「P4Gコペンハーゲン・サミット2018」で国際連帯税を訴える

河野外相コペ

 

10月20日午前(日本時間同日午後)、河野太郎外務大臣は、ラスムセン・デンマーク首相主催「P4Gコペンハーゲン・サミット2018」に出席し,「持続可能な未来に向けたグローバルリーダーシップ」セッションにおいてスピーチを行いましたが、そのもようを本日の8時45分からのNHKテレビが報道しました。Webサイトに載っていますのでご覧ください。

 

「P4Gコペンハーゲン・サミット2018」とは【=外務省解説】:
 P4G(Partnering for Green Growth and the Global Goals 2030)は,環境に優しい経済成長とSDGs実現のため,官民連携強化を目的として2018年に設立されたネットワーク。今回のサミットには,P4Gメンバー国であるデンマーク,オランダ,ベトナム,韓国,バングラデシュ,エチオピアの他,世界経済フォーラム(WEF)等経済界の要人が出席。

 

【NHK】河野外相 途上国貧困対策で為替取引への課税導入を(⇒動画あり)

デンマークを訪れている河野外務大臣は、環境問題や経済成長について話し合う国際会議で講演し、為替取引などに課税して、その税収で途上国の貧困対策などの資金をまかなう「国際連帯税」の導入を検討すべきだと訴えました。

 

この中で、河野外務大臣は、2030年までに世界から貧困や格差などをなくそうという国連の目標を達成するには、世界で毎年2兆5000億ドルの資金が不足していて、先進国によるODA=政府開発援助などではまかなえないと指摘しました。

 

そのうえで「グローバリゼーションの恩恵を受けている人たちから税金を徴収して、人道支援を行う国際機関に直接渡す『国際連帯税』は長期的な解決策の1つだ。為替取引に税をかければ非常に低い税率でも資金調達のギャップをたやすく埋めることができる」と述べ、「国際連帯税」の導入を国際社会として検討すべきだと訴えました。

【ご案内】10.26上村雄彦先生の国際連帯税ほか欧州研究報告

●定員一杯になりましたので、受付を締め切らせていただきます。またの機会をご利用ください。(10月16日)

 

(特活)日本リザルツが毎年開催しているサンキューセミナーですが、今回は1年間の欧州サバティカルを送ってきた上村雄彦・横浜市大教授による報告セミナーです。また、外務省地球規模課題総括課の甲木浩太郎課長からの報告も併せて行います。ふるってご参加ください(協力:グローバル連帯税フォーラム)。

 

◆◇サンキューセミナー:
1)欧州での研究を終えた上村雄彦先生が「国際連帯税と欧州の今」を語る
2)外務省の国際連帯税の取組みを甲木浩太郎課長が語る

 

◎日 時:10月26日(金)午後7時15分~9時

◎会 場:日本リザルツ会議室
     住所:東京都千代田区霞が関3-6-14 三久ビル503
     アクセス:千代田線・丸ノ内線「国会議事堂前駅」より徒歩5分   
◎申込み:フォーム https://bit.ly/2CsZhmQ から申込みください。
◎お話し:上村雄彦・横浜市立大学教授、甲木浩太郎・外務省地球規模課題総括課長
◎定 員:60人、定員に達し次第締め切らせていただきます。
※軽食を用意しますので、食べながらお話をお聞きください。

 

<呼びかけ>
1年間のサバティカル(在外研究)を送った横浜市立大学の上村雄彦先生が先月帰国されました。研究の拠点はフィンランドでヘルシンキ大学客員教授も務められました。上村先生は、ご承知のように、グローバル・タックスやグローバル・ガバナンスの第一人者です。在欧州中にも「出国税と国際連帯税」について日本
のマスコミ等を通して発言されてきました。

 

一方、河野太郎外務大臣は5月のG20外務相会合の場で、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に必要な資金を確保するため国際連帯税の推進を各国に呼びかけました。また、外務省も19年度税制改正として国際連帯税を要望しました。

 

このように今や国際連帯税はSDGs達成のため、途上国支援のための重要な資金調達ツールとなっており、日本での、そして国際社会での実施が大いに期待されています。

 

今回のセミナーでは、まず上村先生から「国際連帯税と欧州の今」と題して、あらためて在外(欧州)研究生活の中から国際連帯税をとらえ返し、その意義について語っていただきます。

 

続いて、外務省地球規模課題総括課の甲木浩太郎課長から、9月の国連総会関連のハイレベルイベント「新興する課題と変化するパラダイム:開発のための国際協力の新たな視点」での河野大臣発言について、また19年度税制改正での外務省要望について語っていただきます。

 

★写真は、上村先生が特任教授を務めたヘルシンキ大学

米の人気歌手T・スウィフト民主党支持を表明>中間選挙の行方は?

世界的なポップスターのテイラー・スウィフトさんが、これまでの沈黙を破り民主党支持を表明したとのことで、SNS含めメディアでたいへんな話題となっているようです。何しろインスタグラムのフォロアーが1億人以上ですから無理もありません(国際連帯税親善大使とかになってくれないかなぁ)。

 

【ロイター】米歌手T・スウィフトが民主支持表明、政治に関する沈黙破る
【NHK】テイラー・スウィフトさん「政治的沈黙破る」民主支持を表明 ⇒動画あり

 

来月の米国の中間選挙ですが、通常同選挙は大統領選挙と違ってあまり注目されてきませんでした。しかし、今回の選挙は米国のみならず、貿易問題や気候変動等の国際条約関係に多大な影響を与えることになるということで、世界的にも大いに注目されています。

 

これまでの中間選挙の予想は、下院選挙で民主党が過半数を取りそうな勢いだが、上院の方は難しい、というのが一般的な見方のようです。その中で、米国政治に精通している双日総合研究所の吉崎達彦氏が溜池通信に『米中間選挙の投票日 1 か月前情勢』と題して分析しています。その分析が面白いのは、「民主党の①Wave(小勝ち)、②Flood(大勝ち)、③Tsunami(ボロ勝ち)という3段階」のシナリオを提示していることです。

 

■『米中間選挙の投票日 1 か月前情勢』 

テイラー・スウィフトさんの民主党支持声明が、民主党のTsunami(ボロ勝ち)に繋がっていくか、楽しみですね。

 

続 報

 

【ロイター】米中間選挙、テイラー・スウィフトの投票呼びかけでオンライン登録急増

…スウィフトさんのインスタグラムのフォロワーは1億1200万人。ツイッターのフォロワーは8400万人。ネットへの投稿で有名人が何百万人ものファンに影響を及ぼすことができるということがあらためて浮き彫りになった。

河野外相「新興する課題…:開発のための国際協力の新たな視点」で国際連帯税に言及

9月18日から第73回国連総会が始まり、本日25日から各国代表の一般討論も行われ、また一般討論以外にも様々なハイレベルイベントが開催されます。24日「ネルソン・マンデラ平和サミット」、26日「結核に関するハイレベル会合」等々。

 

そのハイレベルイベントのひとつが、「新興する課題と変化するパラダイム:開発のための国際協力の新たな視点」という会合です(*)。ここに河野太郎外務大臣が出席し、国際連帯税に関して、次のように述べられました。

 

【河野外務大臣臨時会見記録 冒頭発言より】

 

…(前略)…「新興する課題と変化するパラダイム」に関する会合が行われましたが,国際連帯税を含む革新的な資金調達が必要だ,少なくともこの問題についての議論をする必要性に言及しながら,SDGsを推進し,国づくり,人づくりに日本として貢献をしていく考えを示しました。
 議長から,やはりこの国際的な連帯税,政府を経由してODAとしてサポートをするのではなく,なんらかの直接必要なところに財源としていく国際連帯税というものに非常に興味を示されました。…(後略)…

 

なお、この会合についての外務省の報告は、次の通りです。

 

【外務省】「新興する課題と変化するパラダイム:開発のための国際協力の新たな視点」ハイレベル会合への河野外務大臣の出席

 

(*)これは伝統的なODAの枠組みを越えた新しい開発協力のあり方について議論するハイレベル会合で、国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)、欧州委員会,OECD開発センターの共催で開催される。

 

★写真は、「新興する課題と変化するパラダイム:開発のための国際協力の新たな視点」で発言する河野外相(外務省のHPより)

待望の『日本の税金 第3版』(岩波新書)が新規発売中!!

日本の税金

 

三木義一・青山学院大学学長(民間税制調査会メンバー)のベストセラーである岩波新書『日本の税金』の第3版が新規に発売されました。「定評ある入門書の最新アップデート版」ですので、ぜひ手に取って勉強しましょう。タックスヘイブン問題や国際連帯税についても記述されています。以下、岩波新書の案内文より

 

<内 容>
日本の税制は複雑でわかりにくい.政治家と官僚まかせで作られた制度を,市民の目線で見直し解きほぐす.所得税,法人税,相続税,消費税,地方税,間接税,国際課税.その基本的な考え方,導入の背景,問題点などをコンパクトに解説する.定評ある入門書の最新アップデート版.税金の仕組みをすぐ知るのに最適な一冊.

 

<目 次>
序 章 私たちは誰のために税を負担するのだろう?
 政権交代・再交代/地震・原発大災害/二一世紀の資本/まず税制を知ろう

 

第1章 所得税――給与所得が中心だが
 1 「所得」税と給与所得
  「収入」と「所得」/給与所得控除/サラリーマンの必要経費/サラリーマンにも実額控除可能?/事業所得者の必要経費/家族労働の必要経費性/住居の維持費
 2 誰の所得なのか
  夫婦の所得?/課税単位/夫婦財産契約
 3 「所得」に課税するのか,「人」に課税するのか
  総所得金額/人税としての所得税/基礎控除額で人間が生活できるだろうか/課税最低限のまやかし/配偶者控除論争/医療費控除等
 4 累進税率の意味
  超過累進税率/税額控除か所得控除か/控除から手当へ/給付付き税額控除/住民税負担
 5 所得税をどう改革すべきか
  建前の応能負担/所得の把握と番号/税のグローバル化

 

第2章 法人税――税率引下げ競争の行く末
 1 会社の税金の実態
  法人税率は高いか/赤字法人/多い法人数
 2 法人税の仕組み
  法人の所得/会社の建前と法人税/同族会社/受取配当益金不算入/交際費損金不算入/税率/公益法人課税/組織再編税制の台頭
 3 会社の所得は誰のものか
  法人擬制説と実在説/選挙権のない法人/法人税の方向

 

第3章 消費税――市民の錯覚が支えてきた?
 1 錯覚する消費者
  痛みを感じた消費税/誰が払うべきなのか/誰に払っているのか――免税業者/誰に払っているのか――簡易課税業者
 2 複雑で,不公平でもある税制
  どの取引に消費税がかかるのか/複雑な税制/消費税は付加価値税/仕入税額控除否認/逆進性と軽減税率/消費税と滞納
 3 どうなるのか消費税
  税率アップと非課税/ゼロ税率/給付付き消費税額控除/高齢化社会と消費税/正規雇用と付加価値税

 

第4章 相続税――取得税方式に徹底すべきでは?
 1 制度疲労に陥っている税制
  相続額が同じでも/遺産取得税方式から折衷方式へ/死亡件数一〇〇件のうち,相続税がかかるのは?/法定相続分でまず計算/取得額が同じでも税負担増/連帯納付/右肩上がりの税制/通達で評価/事業承継
 2 相続税をどう考えるべきか
  相続廃止は可能か/遺産取得税方式の徹底へ/相続三代続くと
 3 贈与税の仕組みと問題点
  贈与税は補完税/相続時精算課税の導入/いつ取得したか/法人への贈与は注意

 

第5章 間接税等――本当に合理的で必要なのか?
 1 税が酒を造る
  ビール業界と大蔵省のいたちごっこ/分類差等課税/ビールは高級酒?/いたちごっこの終焉?/免許は必要か
 2 たばこ増税の攻防
  たばこにかかる四種類の税/四重課税か/増税で禁煙させられるか
 3 暫定が恒久化する自動車関係税
  引上げは暫定?/特定財源の攻防/環境税化へ
 4 様々な流通税
  各種の流通税/相続させる遺言と登録免許税
 5 不思議な国税
  電源開発促進税/森林環境税

 

第6章 地方税――財政自主権は確立できたのか?
 1 地方税の仕組み
  地方税条例主義/不明確な規定/三割自治は変わらず
 2 事業税
  「事業」に課税/外形標準課税
 3 固定資産税
  台帳課税主義/バブル後遺症/家屋はなぜ下がらない/時価に連動すべきなのか/課税ミスの連続
 4 都市計画税
  固定資産税とどう違う/都市計画財源として機能しているか/都市計画への住民参加と都市計画税の再生
 5 法定外税等
  自治体独自の税/実際の導入例/超過課税

 

第7章 国際課税――国境から税が逃げていく
 1 逃げる納税者
  タックス・ギャップ/「居住者」か否か/住所か国籍か/内国法人・外国法人/税金分捕り合戦
 2 パナマ文書,パラダイス文書の衝撃
  国外逃亡と徴税/パナマ文書・パラダイス文書/国境を超えた税――国際連帯税が出国税に

 

終 章 税金問題こそ政治
 反税の義賊=ロビン・フッドは今?/財政ポピュリズムの台頭/毎年の税制改正手続とその公正化

 

あとがき

【寸評&社説】政府の「SDGsアクションプラン」は科学万能・経済成長主義に偏りすぎ

一昨日(9月17日)の朝日新聞に「政府とSDGs かけ声に終わらぬよう」と題した社説が載りましたので、紹介します。実はNGO・NPO側の懸念と共通することが書かれています。

 

その前に、SDGs(持続可能な開発目標)について簡単に説明します。2015年9月国連において採択され、17目標と169ターゲットをもつもので、①主に途上国の貧困問題等を対象としたミレニアム開発目標(MDGs)分野、②気候変動等地球環境問題を対象にしたリオ・サミット分野、③持続可能な経済成長と雇用分野、の3つの分野を統合したものです。その基本理念は「誰一人取り残さない」「貧しい人々や脆弱な状況下にある人々に対する連帯の精神」(*)にあると言えます。

 

(*)[国連総会採択] 「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」

 

我が国も2016年のG7伊勢志摩サミット直前の5月、内閣総理大臣を本部長とする「SDGs推進本部」が立ち上がり、同年12月には「SDGs実施指針」がまとめられ、世界的にもSDGs取組みの先端を走っていました。ところが、昨年12月「SDGsアクションプラン2018」が公表されたのですが、二重の意味で、それまでの取組みを台無しにするような事態になってきています。

 

ひとつは、アクションプランの内容で、あまりにも科学万能・経済成長主義を打ち出し過ぎており(**)、上記SDGs理念から外れつつあること。もうひとつは、マルチステークホルダー(広範な関係者)による連携を謳い、課題の推進や実施について円卓会議で行っていたものが、それなしで一方的に公表されてしまったこと、です。

 

(**)「SDGsアクションプラン2018」

第一目標に「SDGsが掲げる社会課題や潜在ニーズに効果的に対応すべく,破壊的イノベーションを通じた“Society 5.0”や,“生産性革命”を実現」とあるが、経済白書か何かと間違っているのではないか。

 

以下、朝日新聞の社説ですが、本文の下から11行目に「…NPO関係者らは、独自の行動計画づくりに取り組んでいる」とありますが、それはSDGs市民社会ネットワークが作成しつつあるものです。

 

SDGs市民社会ネットワーク「SDGsボトムアップ・アクションプラン2018」(第一次)

 

 

【朝日新聞】(社説)政府とSDGs かけ声に終わらぬよう
 

 地球環境を守り、貧困を克服して、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにする。

 

 そんな世界をめざす「持続可能な開発目標」(SDGs)が国連で採択されて3年。国内でも関心が高まっている。

 

 とくに政府の動きが目立つ。安倍政権は、全閣僚からなる推進本部を設けている。この6月の会合では「国家戦略の主軸にすえる」「SDGsで世界の未来を牽引(けんいん)する」とうたった。

 

 かけ声だおれにしてはなるまい。この国際目標の達成には、官民あげた取り組みが欠かせないが、政権の思惑先行の印象がぬぐえないのが懸念材料だ。

 

 少子高齢化のなかで成長への突破口に位置づけつつ、国際貢献の旗印にする。19年のG20首脳会議、20年の東京五輪・パラリンピックに向け、政権はそんな狙いを抱いているようだ。

 

 SDGsは、貧困や健康・福祉、教育、気候変動、まちづくりなど、17分野の169もの目標からなる。抽象的なテーマも多く、行政のどの施策も何らかの形でかかわるといえる。

 

 推進本部がまとめた行動計画には、「生産性革命」や「地方創生」などの言葉が並ぶ。政権が看板とする課題であり、今年度当初予算に盛り込んだ施策が予算額付きで記されている。

 

 問われているのは、SDGsの理念に沿って政策をどう見直していくかであり、既存の施策をPRすることではない。そのことを肝に銘じてほしい。

 

 政権の姿勢を疑問視するNPO関係者らは、独自の行動計画づくりに取り組んでいる。

 

 「誰一人取り残さない」とのSDGsの標語を踏まえ、まず貧困・格差対策を重視する。既存の施策を見直し、すぐ実行すべき事業、政府は手をつけていないが必要と考えられる事業など4段階に整理する。

 

 そうした作業を重ねながら、いずれ「持続可能な社会」基本法をつくる。そんな構想だ。

 

 NPOが動き出したのは、計画をめぐって政府の「言行不一致」が表れたからでもある。

 

 政府はSDGsを「広範な関係者が協力して推進する」として、NPOや大学、経済団体、国際機関などと、各省庁の担当者が集まる円卓会議を立ち上げた。ところが昨年末に最初の行動計画を決める際、円卓会議では触れないまま、その後の推進本部会合で打ち出した。

 

 行政と企業、NPOをはじめとする市民社会が対等の立場で力を合わせていく。それがSDGsの精神だ。政権の本気度は、民間としっかり手を携えるかどうかを通じても試される。

外務省、10年連続で「国際連帯税(国際貢献税)」を要望

全省庁からの平成31年度(2019年度)税制改正要望が出揃いましたが、外務省は今年も「国際連帯税(国際貢献税)」を要望しました。これで10年連続です。要望内容は、ほぼ例年通りですが、国際的な動向に併せて、積極的な提案も目立ちます。以下、2つ上げます。

 

外務省、平成 31 年度税制改正要望事項

 

①『内容』の項:「本年6月の第5回SDGs推進本部会合では,拡大版SDGsアクションプラン2018を決定し,安倍総理は来年のG20サミットとTICADに向け、次世代への保健・教育分野の取組を強化する意向を表明した」

 

②『新設・拡充又は延長を必要とする理由』の項:「平成31年のG20サミット、TICAD7、SDGsのフォローアップを行う首脳級の国連ハイレベル政治フォーラムに向けて,SDGsの実施を我が国として積極的にリードしていくとの観点からも,中長期的な幅広い開発資金の確保に率先して取り組んでいく必要がある」

 

国際連帯税の役割は、基本的には世界の貧困や気候変動問題等の地球規模課題のための資金となるものですから、このような積極的な提案は大いに歓迎するものです。

 

ところで、外務省の要望書でも述べていますように、「国際連帯税に関する(政府による)検討」は2012年8月の国会で決定したものです。つまり、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律(税制抜本改革法)」の第7条第7号で。このことから、私たちは先月の国際連帯税シンポジウムで以下のことを採択し、河野太郎外務大臣に提出しました。

 

「国際連帯税の導入に向けた具体的な検討を行うにあたっては、政府内に省庁横断的な会議体を設置するとともに、その下に専門家・有識者及びNGOや市民団体の代表者等からなる『有識者検討委員会(仮称)』を設置することを要請します」、と。あらためて私たちは、外務省(外務大臣)が省庁横断的な会議体ならびに有識者検討委員会設置のためのイニシアチブをぜひ取っていただくこと、このことを強く要請する次第です。