【申込み締め切り】12.3シンポジウム「正義と税/パラダイス文書…」

●インターネット中継があります!

 

今度の日曜日(123日)開催のシンポジウム「正義と税/パラダイス文書、グローバル・タックス、税制改正」ですが、本日19時を持ちまして、定員100人強に達しましたので、申込みを締め切らせていただきます。

 

このところ、開催日前日にどっと申込みが来る傾向もあり、これ以上増えますと消防法に触れることになりますので、これ以降の申込みはご遠慮くださるようお願いします。

 

なお、今回はインディペンデント・ウェブ・ジャーナル(略称 IWJさんのご協力でインターネット中継を行いますので、参加できない方はこちらをご覧ください。

 

※中継は、http://iwj.co.jp/ からご覧ください。

 

もう少し広い会場が取れればよかったのですが、空きがなかったため申し訳ありません。これに懲りずに次の機会をご利用くださるよう願います。

11.29国際連帯税議連総会報告>安倍総理に早急に要請書を提出へ

縮小議連総会①

 

昨日(11月29日)衆議院議員会館で「国際連帯税の創設を求める議員連盟」の今年度第2回目の総会が開催されました。早朝午前8時から始まった総会には、国会議員8人、代理10数人、市民11人が参加しました。以下、簡潔に報告します。

 

本総会の課題は、1)衆議院選挙後の新たな役員体制の確認について、2)次年度税制改正に向けた議連方針について、でした。

 

司会は石橋通宏事務局長(参議院議員)が務め、冒頭衛藤征士郎会長(衆議院議員)が次のような挨拶を行いました。「議員連盟も9年目に入り、30年度税制改正も大詰めとなっているが、突然伴走者も現れてきた(注:出国税のこと)。我々の立場は世界の貧困や感染症問題等の資金源となる国際連帯税の実現だ。国際連帯税について国会議員の間では相当理解が進んでいるが、まだそれが行動に結びついていない。国際連帯という理念に軸足を置き、30年度税制改正に向けしっかりと取組みを行っていきたい。早朝にもかかわらず、総会に参加してくれた市民のみなさん、役所のみなさんに感謝したい」。

 

総会は、まず新役員体制が提案され、承認されました。新役員を見ますと、二階俊博幹事長、竹下亘総務会長、岸田文雄政調会長という自民党三役や井上義久公明党幹事長などが参加していることが目立ちます(会員は衆議院39人、参議院22人の計61人)。

 

続いて、外務省の鈴木秀生・地球規模課題審議官より、「平成30年外務省税制改正要望における国際連帯税(貢献税)に関する要望と、国際的な動向について」の説明を受け、また市民社会を代表して、グローバル連帯税フォーラムの田中徹二代表理事より、「国際連帯税の導入に向けた提言」を行いました。

 

外務省・鈴木審議官は「SDGsに示される世界の開発需要に対応し貢献するための国際連帯・貢献税として新設要望していること」を力説しました。田中の方からは、「出国税のたいへんな悪評(マスコミ6大紙がこぞって批判)に対し、航空券連帯税は世論の75%が賛同していること(外務省委託研究より)を踏まえ、外務省は航空の国際線への課税による税収は本来地球規模課題に使用すべきものとして国交省と調整が必要なこと、また議員連盟としては官邸への申し入れを行うこと」を要望しました。

 

これを受けて活発な議論が行われ、「所管である外務省が頑張っている姿を見せるため、外務大臣がことあるごとに国際連帯税の必要性を訴えるべき」などの意見も出されました。最後に、衛藤会長から「各党は税制改正に向けての取り組みを強化していただくこと、そして議連としては、地球規模課題に対応するための国際連帯税の創設を引き続き求めて、安倍総理に早期に要望書を提出したい」と提案され、これを全体で確認して閉会となりました。

【緊急】12.3シンポジウム「税と正義」の会場が変更となりました

12月3日開催のシンポジウム「税と正義/パラダイス文書、グローバル・タックス、税制改正」ですが、予定していた会場の機器類の不具合が見つかりました。それで急きょ別の教室に変更しましたのでお知らせします。

 

●「5号館 545教室(4階)」を⇒「14号館5階14509教室」に変更

 

14号館は正門入ってすぐ右の総研ビルとなります(キャンパスマップ参照)。そこの5階の教室です。突然の変更で申し訳ありませんが、どうぞお間違えのないようにお願いします。

 

 

シンポジウム「税と正義/パラダイス文書、グローバル・タックス、税制改正」

 

・講演1:伊藤 恭彦(名古屋市立大学人文社会学部教授/副学長)
・講演2:津田久美子(北海道大学法学研究科博士課程 日本学術振興会特別研究員DC1)
・講演3:三木 義一(青山学院大学法学部教授/学長)
  
◎日 時:2017年12月3日(日) 13時00分~16時50分  
◎会 場:青山学院大学渋谷キャンパス 14号館(総研ビル)5階14509教室
     キャンパスマップ:http://www.aoyama.ac.jp/outline/campus/aoyama.html   
◎共 催:グローバル連帯税フォーラム、民間税制調査会
◎資料代:500円
◎申込み:info@isl-forum.jp から、お名前、所属(あれば)ならびに「12.3シンポ参加希
       望」とお書きの上、お申込みください。
※詳細は、http://isl-forum.jp/archives/1941 参照ください。

 

 

全国会議員へNL配布「出国税、使途に地球規模課題を含めよ」

今年の夏、突然観光資源整備のための財源として「出国税」構想が浮上し、官邸の強い意向もあり実現の可能性が高まっています。このことに対し、私たちは「出国税の使途に地球規模課題を含めるべき」として、昨日全国会議員に対してニュースレター『g-tax News Letter 国際連帯・貢献税』を配布しました。

 

この出国税ですが、実は「受益と負担」の関係を見れば大幅に乖離していることが分かります。

 

◎受益する人(観光目的の訪日外国人):1990万人

◎受益しない人(出国日本人①+商用目的の訪日外国人②):2110万人

         ※①1700万人、②410万人  (⇒数字は2016年)

 

そこで観光庁の検討委員会では、使途を観光資源関係だけをとするのではなく、出入国の管理体制の強化や空港整備等も加えています。しかし、課税ポイントが出国という領土主権外のサービス提供に対してですので、税収による使途は一国の一部門のみに使用すべきではなく、国際社会での普遍的課題に(感染症問題や気候変動問題など地球規模課題に)使用すべきです。

 

そういう立場から、ニュースレターでは、グローバル連帯税的要素も入れた出国税として制度設計すべき、と提案しています。今後国際連帯税創設を求める議員連盟とも連携しつつ、地球規模課題の財源を得るために活動していきます。

 

★ニュースレターを読む ⇒ PDF

 

 

 

 

「パラダイス文書」:三木義一・青山学院大学長のコメント

先月末に第2のパナマ文書が出るかもしれないという報道が一部にありましたが、予想を超えて「パラダイス文書」として公表されたものは電子ファイル1340万件(パナマ文書は1150万件)に上るというぼう大な資料のようです。

 

また、パナマ文書の出所はパナマのモサック・フォンセカ社で、ほとんど米国の会社や個人の名前は出てきませんでした(なのでCIA説が流れた)。が、今回のパラダイス文書の出所の法律事務所「アップルビー」は主に米英系の会社・個人を顧客に持っているようです。従って、とくに米国の権力中枢やグローバル企業の実態が明らかにされてきています。ロシアとの<秘匿されていた資金の>繋がりがこれほどあるとは!驚いてしまいます。

 

さて、昨日(6日)の朝日新聞の「パラダイス文書」の記事につき、三木義一先生のコメントが載っていましたので紹介します。

 

 

●高い「守秘性」の闇に光あてた意義大きい 《三木義一・青山学院大学長(租税法)の話》 

 

 タックスヘイブンの利用について、日本企業では、租税回避を目的としているのは一部で、(税制や規制などで有利な国に船籍を置く)便宜置籍船や海外の企業の買収などが多いと言われている。一方で、日本で納税されるべきお金がタックスヘイブンに流れているのも事実だ。タックスヘイブンは「守秘性」が高く、通常はその利用法が適切かどうか、一般市民が知るすべさえない。その闇に光をあてる意味でも、秘密文書がその一部をつまびらかにする意義は大きい。本来であれば、企業が積極的に開示していくのが望ましいだろう。

 

朝日新聞】商社・損保・海運…日本企業も「パラダイス文書」に続々

 

 

財務省、外資系企業への課税強化>が、アマゾンは日本で法人税を払わず

財務省は日本で営業している外資系企業への課税対象を広げるため、来年の通常国会で法改正するとのことです(下記参照)。が、日本で営業しているなら、日本国に法人税やら一般消費税を払うのが当然でしょう、財務省は何を今さら寝ぼけたことを言っているのか、とお思いでしょうが、実は税を払っていない外資系企業があるのです。

 

その筆頭が、みなさんもよく利用するアマゾン・ドット・コム社(以下、アマゾン)です。アマゾンは法人税を払っていません(一般消費税は2015年10月から課税されることに)。アマゾンは千葉県などに100%子会社のアマゾンジャパン合同会社という巨大な配送センターを持ち、日本人を顧客として大規模なネット販売ビジネスを展開し、その売り上げは、何と!昨年で1兆1千億円もあったのにもかかわらず、です(純利益は分かりませんが数百億円に上るでしょう)。

 

(法人税を払わないなんて)そんな馬鹿な、と思いますが、外国企業(非居住者等)に関しては日本国内に支店や支社などのなどの拠点がなければ法人税をかけられないというのです。それは「恒久的施設(PE)」と言い、「PEなければ課税なし」というのがこれまでの原則でした。でも、アマゾンには巨大な配送センターがあるではないか、これはPEそのものではないか、と誰でも思うでしょう。ところが、「『倉庫はPEには当たらない』(正確には、『倉庫の様々な機能を活用した活動の全体が、準備的・補助的なものである場合にはPEに当たらない』)」という規則ゆえに(森信茂樹・東京財団上席研究員/税・社会保障調査会座長)、配送センター等はPEではないと言うのです。

 

そんな馬鹿な!(これで馬鹿を二回使いました-失礼)ということで、実はOECDがこのような規定は租税回避に繋がるのではないかということで、「グローバル企業は払うべき(価値が創造される)ところで税金を払うべきとの観点」に立って、BEPS(税源侵食・利益移転)プロジェクトをスタートさせたのです。そこでは「人為的にPEの認定を逃れることを防止するために、租税条約のPEの定義を変更する」(行動7)とされたのです。

 

が、BEPSプロジェクトは勧告であり法的な拘束力がありませんので、行動7につき行動15(多国間協定の開発)で対応するとしたのです。そしてついに、2016年11月24日100を超える国・地域が多国間協定の交渉妥結に至ったのです。これを受けて、日本の財務省も、冒頭に述べたように、「現在は支店や支社などの拠点がなければ法人税をかけられないが、大型の配送用倉庫などがあれば課税できるようにする」として外国企業の課税対象の拡大を企図し、国内法を改正する段取りへと進んだのです。

 

これで、ようやくアマゾンからも法人税を取れる!と思ったのですが、何と先の多国間協定につき米国が署名していないことと、(古いPE規定のままの)日米租税条約があるため、いぜんとしてアマゾン等米系グローバル企業からは法人税を取れないまま推移しそうです。同じ悩みを抱えるEUは国際的に決まらなければ(米系企業に適用できなければ)、EU独自策を取ると言っています。日本もぜひそうすべきではないでしょうか。

 

追記. では日本での売り上げは、(日本にあるアマゾンジャパン合同会社ではなく)米国のワシントン州法人である Amazon.com Int’l Sales, Inc. に入り、同社が米国に法人税を払っているという形となっている。すると、ものすごく円安(ドル高)になったら、米国のアマゾンはすごく損をすることになると思うのだが…? (逆に、円高・ドル安になれば為替差益=不労所得そのもの=が生じますが)

 

 

【日本経済新聞】財務省 外資への法人税課税の対象拡大

 

 財務省は日本で営業する外資企業の課税対象を広げる。現在は支店や支社などの拠点がなければ法人税をかけられないが、大型の配送用倉庫などがあれば課税できるようにする。ネット通販企業などにも法人税を課せるようにする。日本、欧州、中国などが参加する多国間協定に対応して、2018年の通常国会で関連法を改正する見込みだ。

 一方で米アマゾン・ドット・コムのような米国企業の場合は見直しの対象外だ。米国はOECDの多国間協定に署名しておらず、日米間の租税条約が適用されるため課税されない。

 

 グローバルに展開するIT企業のなかにも認定できるPEがなく、国内で事業展開していても課税対象外となる企業がある。欧州委員会は「国際的な進展が乏しければ、EU独自策を導入すべきだ」と主張しているが、日本はグローバルに協調すべきだとの立場だ。

 

図は、「アマゾン日本事業の売上はほぼアメリカへ ~自国の税金をどう確保していくか~」よりお借りした。
https://manetatsu.com/2016/06/66812/