金融取引税とは何か?

金融取引税とは何か?

 

●概要

金融取引税(FTT:Financial Transaction Tax)とは、通貨、株式、債券、デリバティブ、一次産品など、あらゆる金融資産の取引への課税を指します。この税により、株価、為替レート、一次産品価格の乱高下という不安定さが弱められるのみならず、実施国政府に多大な税収をもたらします。

 

この税は、金融業界はじめ経済界の反対などがあり、実現はむずかしいと考えられてきました。ところが、2011年9月に、欧州委員会はEU加盟各国に対し、欧州金融取引税を2014年1月に導入するEU指令案を提示しました。これは、EU域内居住者である金融機関(またはそれに準ずるファンドや個人)の取引に対し、株式と債券取引に0.1%、デリバティブ取引に0.01%を課すものです。

 

この税制の目的・特徴について、アルジルダス・セメタ税制担当欧州委員(閣僚級)は次のように発言しています。「①FTTは金融セクターの国家財政への妥当な貢献をもたらす、②FTTは安定した金融活動をもたらし高リスクな投機を抑制する、③FTTは一般市民に負担を求めることなく大幅な税収増をもたらす、④この税収は景気対策のみならず、開発や気候変動等の地球規模課題の対応資金とすることができる」(2012年5月欧州議会での演説のまとめ)。

 

しかし、この提案に英国等が反対し、EU27国によるいっせい導入が困難になりました。それでドイツ、フランスなどの導入積極グループは、2013年1月22日、「強化された協力」という手続きで11ヵ国による先行導入を決めました(同年2月14日欧州委員会が11カ国導入に向け正式提案)。以後、英国によるEU法に反するとしての欧州司法裁判所への提訴などで紆余曲折があったものの、2014年中へのFTT導入をめざして11カ国で調整中となっています。

 

 ■金融取引税導入予定11カ国
ベルギー、ドイツ、エストニア、ギリシャ、スペイン、フランス、イタリア、オーストリア、ポルトガル、スロベニア、スロバキア

 

●導入予定のFTTの実施内容

導入予定の実施内容について、ロイター通信は以下のように報道しています(『〔情報BOX〕EU11カ国で導入する金融取引税のポイント』2013年 02月 15日)。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK829290420130215

 

<対象>

11カ国に「経済的なつながり」がある場合、すべての金融機関によるすべての商品及び市場に関するすべての取引。

<税率>

株式や債券、短期金融資産、レポ取引、証券貸借取引は0.1%。デリバティブ(金融派生商品)取引は0.01%。取引にかかわった各金融機関が支払う。加盟国はこれより高い税率を適用することも可能。

<例外>

クレジットカード、預金、通貨のスポット取引など日常的な金融取引は課税対象とはならない。株式や債券、投資信託ユニットの資金調達を目的とした発行も対象外。

<課税逃れ防止対策>

11カ国内の金融商品に関する取引は、時期や場所を問わず課税されるとの「発行原則」を採用。課税地域からロンドンなど域外へ取引が移ることを阻止することが狙い。

<税収見込み>

年間300億─350億ユーロ  《以上がロイター通信の記事》

 

課税の目的ですが、基本的に国内財政への寄与ならびに金融規制を挙げていますが、これにグローバル公共財への資金創出が入るかどうかは、今後の協議となります。

 

●11カ国FTTは日本の金融機関にも関係してきます

ところで、課税対象ですが、加盟国の金融機関どうしの取引では両金融機関に課税されることはもちろんですが、加盟国の金融機関と取引した非加盟国の金融機関も「加盟国に設立されたものとみなされ課税対象とする」ということが欧州委員会提案に明記されていますので、非加盟国の金融機関も納税をしなければなりません。例えば、(非加盟国である)日本の金融機関が(加盟国の)フランスの金融機関と取引した場合、世界のどこで取引を行ったとしても、日本の金融機関にも課税され、フランスの税当局に納税しなければならない規定となっています。

 

また、租税回避を防ぐために、同提案では発行主義原則を取っており、加盟国で発行された金融商品に関して加盟国圏外で取引された場合にも課税されることになります。例えば、(非加盟国である)日本の金融機関が(非加盟国である)米国の金融機関との間で、(加盟国の)ドイツの金融機関が発行した株式を取引した場合、日本と米国の金融機関はそれぞれドイツの税当局に納税しなければならないのです。

 

このように欧州で実施されようとしているFTTは、日本の金融機関や金融市場には無関係どころか、大きく影響してきます。

 

●今後のスケジュールと日本での課題

11カ国FTTの導入は、本来2014年1月1日からの予定でしたが、英国の反対の立場からの欧州司法裁判所への提訴などで、大幅に遅れてしまいました。しかし、11カ国は、昨年12月の「FTT推進を合意した」ドイツ大連立政権の誕生もあり、年が明けてからようやく交渉のエンジンもかかってきたようです。スケジュール的には、11カ国は「5月6日を期限に欧州委員会提案の検討」に入っています(情報は、1月17日「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ」第12回総会から)。

そして11カ国導入をリードずるためにフランスとドイツの首脳会議が開催され、そこで方向性が出されると思います(首脳会議は2月19日)。

 

一方、日本においてはFTTに関し政府レベルでも金融機関等の民間レベルでもまだ関心が高まっていません。従って、官民挙げて早急にFTTについて検討していくことが求められています。そしてFTTの積極的要素を踏まえ、欧州11カ国と連動しつつ導入を図っていくことが求められています。その要素とは、セメタ欧州委員(閣僚級)の言うように、①財政の安定化のために、②投機マネーを規制するために、③そして世界の貧困や気候変動対策のためのグローバル資金調達のために、です。

航空券連帯税・UNITAIDとは何か? 

航空券連帯税・UNITAIDとは何か? 

●概要

航空券連帯税(Solidarity Levy on Air Tickets)は、数ある国際連帯税構想の中で成功裡に実施されている税制です。「国際連帯税とは何か?」で述べたように、フランスが2006年7月から先頭を切って導入し、その後、韓国やチリそしてアフリカ諸国など、現在9カ国で導入されています。

 

同税は以下の特徴を有するため、国際連帯税としてもっとも導入が容易な税制です。

①    徴税のためのコストかからず--航空券購入時に空港税に上乗せする方法で行う

②    航空会社に費用発生ぜず--税を払うのは国際線を利用する乗客である(出国時のみ適用され、トランジット客には適用されない)

③    税制設計は各国で決めることができる--とくに国際条約等が存在しないため、導入国が税率含めて設計できる。

 ■航空券連帯税導入国
フランス、韓国、チリ、カメルーン、ニジェール、モーリシャス、マリ、マダガスカル、コンゴ共和国 (この他、ナイジェリア、モロッコ、スリランカ等が検討中)

 

 

●導入国での実施例(税額など)と収入

導入国のフランスと韓国の実施例を見てみましょう。

 

■フランスの実施例

国内・EU線

エコノミークラス 1 ユーロ

ビジネス・ファーストクラス 10ユーロ

国際線

エコノミークラス 4 ユーロ

ビジネス・ファーストクラス 40ユーロ

■韓国の実施例

国際線

クラス別に関係なく1律1,000ウォン

       (注・他の導入国では一部税率で行っている国もあるが、ほぼ定額税である)

 

収入については、フランスで年間約1.7億ユーロ、韓国では年間150億ウォンです。

 

●資金の使途:UNITAID(ユニットエイド)の役割

航空券連帯税で得られた税収は、その一部または全部がUNITAIDという国際機関に拠出されます。例えば、フランスは税収の90%をUNITAIDに、残りの10%をIFFIm(予防接種のための国際金融ファシリティ)に拠出しています。韓国は半分をUNITAIDに、残りの半分は独自のアフリカ支援等に充てています。その他の国はほぼ100%の拠出となっています。

 

UNITAIDは2006年9月、フランス、チリ、ブラジル、ノルウェー、イギリスの5カ国によって設立されました。目的は、「エイズ・結核・マラリアという感染症で苦しむ途上国の人々のため、それらの国々の現状では手に入れることが困難な高品質の医薬品・診断技術の価格を下げて、広く供給が行き届くようにすること」(UNITAID憲章)、です。医薬品等の価格を下げることが可能なのは、航空券連帯税による税収という持続的かつ予測可能な資金を活用し、製薬メーカーとの交渉力を強化し、価格を下げることに成功しています。

 

UNITAIDは設立から6年余りで、参加国が28か国(これに2財団も参加)へと拡大し、これまで20億ドルを超える資金調達を行いました。この資金のうち航空券連帯税による資金が70%を占めています(連帯税未実施の国はその国の財政から拠出)。この結果、①小児エイズ治療薬の80%、②マラリアの最良治療薬の80%、③エイズ第二選択薬の60%、④最新の結核診断検査費用の40%等々の価格引き下げに成功し、現在合計96か国でのプロジェクトで成果を上げています。

 

●日本人は年間約10億円国際連帯税をすでに支払っています

え? 日本では国際連帯税(航空券連帯税)を導入していないのに、どうして同税を支払っていることになるのでしょうか? それは同税を導入している国に観光旅行等をした場合、その出国便の航空券に課税されているからです。具体的には、導入国のうち、そのほとんどはフランスならびに韓国に納税していることになります。合計で年間約10億円に上ります。

 

訪問客数* 税 額 日本人の国際連帯税納入額(予想)
韓  国 352万人(2012年) 一律 1000ウォン 35.2億ウォン(2億9300億円)
フランス 62万人(2011年) エコノミー4ユーロビジネス以上40ユーロ 583万ユーロ(7億4000万円)**

*この数字は観光客としてのみの数字で、ビジネス客等は含まれていない。

**エコノミー席乗客割合を85%、ビジネス席以上乗客割合を15%として試算

 

そこでもし日本が国際連帯税(航空券連帯税)を導入していたら、外国の方からどのくらい税収を得ることになるのでしょうか? つい先日、訪日外国人が2013年に1,000万人を超えたとの報道がありました(1036.4万人)。それでこれにフランス並みの定額税がかかっていたとすれば(エコノミー500円、ビジネス以上5000円)、121.8億円となります。なお、同年の出国日本人は1747.3万人でしたので、日本の方からは205億円の税収となり、海外・国内合せて約327億円の税収となります。

 

このように国際連帯税ならびに金融取引税関係では、もっぱら日本人が他の国に税を払うという構図になっており(航空券連帯税の場合)、あるいはなりそうである(欧州FTTの場合)ということで、あらためて政府や国民が能動的・積極的に関われる国際連帯税を政策化していく必要があります。

国際連帯税フォーラムとは?

●国際連帯税フォーラムの誕生と役割

国際連帯税フォーラム(以下、フォーラム)は、日本と世界とで国際連帯税導入を求めて、2011年6月に設立された組織です。現在、市民社会の11の団体と、多くの専門家・有識者個人と市民が参加しています。フォーラムの日常活動の運営は「理事会」が行っており、10数人の理事が就任しています。フォーラムの規約は、こちらをご覧ください。

 

フォーラムは主に以下の4つの役割を担い、活動しています。

 

1)「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ(LG)」との連携

LGは、2006年3月にパリで設立され、現在、日本を含む65カ国で構成されている国際的な有志国グループです。常設事務局はフランスが担い、毎年加盟国が順番に議長国を務めています(2014年1月まではナイジェリア)。

 

LGの目的は、開発(=世界の貧困問題解決)のため国際連帯税などの新しい資金調達メカニズムについて国際的に議論し、実現していくことです。その議論には、各国政府や国際機関のみならず世界の市民社会代表も参加しています。国際連帯税フォーラムの構成団体である「市民団体:オルタモンド」が2006年のパリLG設立総会にフランス政府から招待され、以来、連携が続いています。最近では、2012年10月に東京で開催されたIMF・世界銀行総会のサイドイベント、「国際シンポジウム: 金融取引税・国際連帯税は世界を救うか?」を共催しています。

 

 

2)「国際連帯税創設を求める議員連盟」との連携

国際連帯税創設を求める議員連盟(以下、議連)は、2008年2月に設立された超党派の議連で、津島雄二衆議院議員(当時)が初代会長を務め、当初からオルタモンドなど市民団体が事務局を手伝ってきました。その後、国際連帯税フォーラムとして、議連との連携により、勉強会の開催、国際連帯税創設を求める税制改正要望の提出、国際シンポジウムの開催などに取り組んでいます。

 

 

3)専門家・有識者の参加によるシンクタンク機能

フォーラムには、通常の理事会のほかに専門家部会があり、多くの専門家・有識者が参加しています。2009 年4月、当時の議連が日本総合研究所理事長の寺島実郎氏に「国際連帯税並びに通貨取引税の内容と方法等」について検討を依頼し、国際連帯税推進協議会(通称、寺島委員会)が創設されました。この協議会には、その後フォーラムに参加する専門家・有識者(大学教員、NGOなど)が委員として参加しました。

 

また、2013年、議連の決定に基づく「国際連帯税政策オプション検討のための作業チーム」が設置された際、実質的にフォーラムが事務方を担い、フォーラムに参加する専門家・有識者の多くがチームに参加して議論を行っています。

 

 

4)日本と世界の市民社会との連携

国際連帯税を実現するには、何と言っても国民的理解や市民社会からの支援が必要です。フォーラムはそのための啓発活動として国際シンポジウムや市民向けセミナーなどを実施してきました。また適宜海外の有用な情報をメディアに提供するなどして、これまで多くのマスコミが国際連帯税を取り上げてきました。現在欧米でも国際連帯税や金融取引税を求める運動が高まっていますが、この運動と連携してのキャンペーンを実施していきます。

朝日新聞”社説”に取り上げて頂きました。2013年6月12日

朝日新聞 2013年6月12日

 

 

【社説】国際連帯税 国を超えた絆づくり

国際社会との連帯という言葉はときおり耳にする。しかし、「国際連帯税」を知る人は少ないかもしれない。感染症や気候変動、貧困など地球規模の問題を解決するために、国境を超えた活動に薄く課税し、資金を得る。グローバル化時代ならではの「税」だ。その創設を求める提言を超党派の国会議員連盟…

 

朝日新聞デジタルURL

http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201306110655.html

 

国際連帯税_社説朝日新聞20130612

 

金融取引税に関する論争:有益な論文を紹介します

フランスの有価証券取引税が市場流動性および価格変動の大きさに及ぼす影響

http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/14e007.html

 

france2008_03

 

金融取引税(FTT)に関するちょっと興味深い論文(ディスカッション・ペーパー)が独法・経済産業研究所(RIETI)のウェッブサイトに載っていますので紹介します。

 

ディスカッション・ペーパー 14e007

by HAVRYLCHYK, Olena

 

どうして興味深いかと言いますと、FTTのひとつの論争に対して、フランスの一昨年8月から実施している独自のFTTである有価証券取引税、つまり株式取引税を材料にして、一定の結論を出しているからです。

 

その論争というのは、「投機的取引を抑制し、金融市場を安定化できるような金融取引税の仕組みを作ることは可能なのか? それとも追加的に金融取引税を導入することで市場の流動性が損なわれ、市場のボラティリティはむしろ高まってしまうのだろうか?」(本文より)というものです。

 

結論は、「調査の結果明らかになったのは、全体的に見て、…投機を抑制して市場のボラティリティを小さくすることもなかったが、悪影響をもたらしたこともない。したがって、金融取引税に関する世界的な論争の文脈においては、この検証結果は、STTは、是正目的というよりむしろ税収目的の課税手段という考え方を支持している」(本文より)としています。

 

ところで、株式取引税(有価証券取引税)については、現在英国が0.5%の課税を行っており(フランスは0.2%)、こちらもとくに投機規制が強まったとかボラティリティが高まったとかはまったく聞こえてきません。かつて日本でも1997年まで有価証券取引税がありましたが。

 

言うまでもなく、税率が高くなればなるほど投機規制の圧力は強くなるであろうし、投機にブレーキがかかれば取引量も相当減ることになるので、そうすると今度はボラティリティが高まる、という関係にあると思います。ですから、0.2~0.5%程度での税率であれば、実は金融セクターが騒ぐほどボラティリティは高まらない、つまり取引量は減らない、ということでしょう。

 

ともあれ、フランスのユニークな制度設計が上記のような実験的比較ができたということで、このディスカッション・ペーパーはたいへん有効かと思います。

欧州FTT(金融取引税):FTT導入を仏独合意へ(2月19日)

ftt[1]

 

2月19日開催された仏独首脳・合同閣僚会合( Sommet franco-allemand )で、11カ国FTT(金融取引税)について議論され、あらためてFTT導入を仏独が合意しました。

 

具体的には、1)まずFTTの早期導入を確認し、2)5月末の欧州議会選よりも前に仏独共同案を(他の9カ国に)提示する、というものです。ただし、懸案だった課税ベースの問題、とくにデリバティブ取引の課税についてどうするかは、今後の詰めになる模様です。

 

ところで、前日には11カ国財務相会議が開かれ、「段階的アプローチを取る可能性」(注1)を取るという報道がなされています。

 

一方、ドイツのNGOsから、2月14日同国の財務副大臣との話し合いをもち(注2)、「ドイツ政府としては“広範な課税ベース(段階的アプローチではない)”にこだわっていきたい」との説明を受けた、という報告が来ています。また、ドイツ政府は11カ国にプラスしてさらに多くの国を参加させるべく努力中であるようです。

 

(注1)FTT段階的アプローチ:課税対象をまず株式取引だけとし、その後債券取引、デリバティブ取引と段階的に拡大していく方法。広範な課税ベースアプローチ:欧州委員会の提案にある株・債券・デリバティブ取引へ同時に課税する方法。

 

(注2)出席者:財務副大臣のミヒャエル・マイスター氏(キリスト教民主党)、ドイツキャンペーン・グループのデトレフ・フォンラルヒャー(キャンペーン・スポークスパーソンおよびAttac)、エヴァ・ハンフシュテングル(Bread for the World)、トービアス・ハウシルト(Oxfam) 、ピーター・ヴァール(WEED)

 

参考:【日経新聞】欧州の金融取引税、5月に独仏案 首脳会談で一致

2014/2/20 9:49

 

【AFP通信】Taxe Tobin: Hollande et Merkel promettent, les ONG protestent

 

『News Letter 国際連帯税・金融取引税』第1号を発行!

『News Letter 国際連帯税・金融取引税』第1号を発行しました!  国際連帯税フォーラムからの情報発信が足りないことを反省し、今後月1回のペースで 発行していきますので、よろしくお願いします。

 

今回のNews Letterは、1)国際連帯税・金融取引税の意義と必要性、2)欧州 FTT(金融取引税)の最新動向を(2月17日現在)掲載しています。

 

欧州 FTTですが、本来ですと今年の1月1日から11カ国でFTTが実施されているはずで したが、英国の司法裁判所への提訴や金融セクターの猛烈な反対ロビイングなど で実施しきれていません。が、FTTをけん引しているフランスとドイツが2月19日 に首脳会合を開催し、今年中の実施に向けイニシアチブを取ろうとしています。

 

どうぞNews Letterをお読みくださり、感想をお寄せくださればうれしいです。

 

★『News Letter 国際連帯税・金融取引税』第1号を読む⇒PDF

国際連帯税フォーラムのウェブサイト開設にあたって

海外の金融取引税等の主要論文も和訳して掲載しています(写真は、2012年10月国際シンポジウム)

 

12.10.11国際シンポジウム

 

国際連帯税フォーラム(以下、フォーラム)は2011年6月に設立されましたが、ウェブサイト(以下、サイト)については、フォーラムの構成団体である「国際連帯税を推進する市民の会(アシスト)」のもので代行していました。しかし、アシストのサイトが昨年2月にハッキングされてしまい、閉鎖を余儀なくされました。

 

その後サイトがない状態が続きましたが、ようやく自前のサイトを開設する運びとなりました。

 

本サイトでは、フォーラムの主張や活動の案内、そして国際連帯税・金融取引税に関する最新情報等を掲載していきます。さらに1コーナーとして『ライブラリー』を開設し、内外の金融取引税(通貨取引税)や国際連帯税関係の諸論文集を掲載します。海外のものはすべて和訳してあり、このサイトでしか読めないものばかりですので、とても貴重な資料となります(下記に掲載論文の一覧)。

 

それではどうぞフォーラムのサイトをご利用ください。

 

以下の論文はライブラリーよりご覧下さい。

 

1、次の段階へ通貨取引開発税の実施 

Taking the Next Step – Implementing a Currency Transaction Development Levy

 

デービッド・ヒルマン、ソニー・カプーア、ステファン・スプラット、2006年12月

 

2、通貨取引税:税率および税収の見積

The Currency Transaction TaxRate and Revenue Estimates

 

ロドニー・シュミット、2007年10月

 

3、モンテレイ精神の維持 開発資金アジェンダと未完事項

Upholding the Spirit of Monterrey  The Financing for Development agenda and its Unfinished Business

 

CIDSE(開発と連帯のための国際協力)政策文書、2008年6月

 

4、連帯のグローバル化:金融課税のための論拠

「国際的な金融取引と開発に関するタスクフォース」専門家委員会報告書

Globalizing solidarity: The Case for Financial Levies  Report of the Committee of Experts to the Taskforce on International Financial Transactions and Development

 

5、環境・貧困・格差に立ち向かう国際連帯税の実現をめざして

地球規模課題に対する新しい政策提言

 

国際連帯税推進協議会(寺島委員会)最終報告書、2010 9

 

6、IMF中間報告書 金融取引への課税:実務上の実現可能性の評価

IMF Working Paper  Taxing Financial Transactions:An Assessment of Administrative Feasibility

 

John D. Brondolo - IMF中間報告書、2011年8月

 

、金融取引税の共通制度および指令2008/7/ECの修正に関する理事会指令案

Proposal for a COUNCIL DIRECTIVE   on a common system of financial transaction tax and amending Directive 2008/7/EC

 

欧州委員会、2011年9月28日

 

8.金融取引税を巡る12の誤解

Financial Transaction Tax: Myth-Busting

 

Stamp Out Poverty 編、2012年3月