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がんばれ労組!「連合」第3回国際連帯税に関する勉強会報告

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先日の9月19日、労働組合の「連合」で、国際連帯税に関する勉強会の第3回目の講師として、お話をしてきました。

 

この勉強会の目的は、「国際連帯税を巡る国内外の情勢変化、国際連帯税の意義、経済・産業・雇用への影響や課題等について連合内構成組織に所属する政策担当者の相互理解を深めること」と位置付けられています。

 

第1回目は7月に、民主党政権時に政府税制調査会を主導した峰崎直樹元財務副大臣、第2回目は8月に諸富徹京都大学教授が金融取引税について、そして第3回目のテーマは「国内における国際連帯税議論と航空券連帯税」でした。

 

それで私の話ですが、そもそも国際連帯税というのはグローバルな公共財(地球規模課題)の資金創出をめざすものであるから、運動・活動の方も最初からグローバルな形で行われている、ということを理解していただきたい、ということからはじまりました。

 

「そのグローバルな運動の中で、とくにロビン・フッド・タックス・キャンペーン(金融取引税を求めるキャンペーン)が欧州と北米で活発に行われているが、特筆すべきなのは英国と米国の運動である。というのはこの両国の運動には労働組合が深く関わっており、それ故全国規模の運動を作ることができている」と説明しておきました。

 

詳しくは、連合「第3回国際連帯税勉強会」パワーポイント(PDF)を参照ください。

 

ロビン・フッド・タックス・キャンペーンのみならず、先日9月21日の「気候マーチ」で労働組合も大量に動員してNGO・市民とともにデモを行いました(スローガン「健康な地球&良い仕事」)。今や労働組合も自らの労働条件だけに取組むのではなく、国際的・社会的課題に対しても積極的に関わっていく時代に入ってきました。日本のナショナルセンターである連合もぜひそうなっていただくよう期待するところです。

 

◆中央の写真は、9.21「気候マーチ」での労働組合の隊列(http://peoplesclimate.org/march/ より)、左上は航空券連帯税による税収を主たる原資として運営されているUNITAID(国際医薬品購入ファシリティ)より

 

 

 

 

 

 

FTT国際電話会議報告、ドイツ政府の税収見積り&NL第7号発行

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報告が遅れましたが、1)金融取引税市民グループの国際電話会議(9月4日)、2)「ドイツ財務省、EU FTTに関するレポートを発表」と題してのドイツNGOよ
りの報告(9月8日)、3)国際連帯税・金融取引税News Letter第7号(9月16日発行)を送ります。

 

NL第7号にも書きましたが、ドイツ財務省はFTTによる税収につき、控えめな数字で176億ユーロ(2兆4000億円)に上ると見積っています(ただし、欧州委員会の提案内容で:株式・債券に0.1%課税、デリバティブに0.01%課税)。

 

「えー、こんなに税収が上がるの--だったらユーロ圏の経済成長や国内の老朽化しているインフラ整備に使えるじゃないか」と、ドイツのマスメディアは騒いでいるようです。ただし、課税は一気に欧州委員会提案通りに行うのではなく、最初は株式とデリバティブ取引の一部にと、段階的に導入される予定となっています。

 

あと、市民グループの国際電話会議からの情報によれば、EU  FTTから離脱したと思われたスロベニアが復帰していること、また英国とともに強固にFTTに反対
していたスウェーデンが総選挙で政権交代の可能性が高まり、FTT推進連合へ参加するチャンスが生まれるのではないかと分析しています(訳者注:総選挙で社民党が第一党となり政権交代となったが少数与党ということでどうなるか?)。

 

なお、欧州のNGOとしては、FTTの税収の15~20%を開発・気候問題に使うべき(配分問題)というフランス政府の主張を後押ししていくとの立場をとるようです。

●金融取引税(FTTs)に関する市民社会グループの国際電話会合
2014年9月4日(木)

 

1)ヨーロッパのアップデートおよびキャンペーンの次のステップ(by David Hillman, Stamp Out Poverty)

 

デイヴィッド・ヒルマン(訳者注:英国Stamp out poverty)は、最近のCoalition Plus(訳者注:HIV /エイズと戦うフランス語圏の連合団体)が主催したパリでのヨーロッパ・キャンペーン担当者会合について報告した。参加者は、主にドイツ、フランス、イタリア、スペインのEU-4グループから集まった。彼らは、EU FTTの設計に関する合意の後まで配分の問題が脇に置かれてしまう危険を認識し、主として配分に関して焦点をしぼって協議した。

 

彼らは同時進行の戦略の必要性を認識した。(FTTの)設計に関する交渉で手一杯となってしまう財務大臣へのアプローチにのみ焦点をしぼるのではなく、より大きなビジョンを持ち、かつ配分に関わるコミットメントを行うはずの首相や大統領へのアプローチにも焦点をあてる必要がある。彼らは、FTTの収入の15~20%を開発・気候問題にコミットすることにしているフランスの主張を強化する予定だ。彼らは、オランド大統領が後退するのを食い止め、彼に周りの人たちへプレッシャーをかけるようにさせる必要がある。

 

彼らの目標は、配分に関するすべてのEU11ヶ国による声明を作成することだ。このグループの中の最も小さな国々も国際的目的にお金を配分するべきかどうかについては相当な議論があったが、会合での合意はコンセンサスを目指すということだった。

 

EU FTTに参加する国の数に関する最新のアップデート:スロベニアは政権交代期であったため本年5月6日の公式コミットメント文書にサインしなかったものの、EU FTTへ参加することになるだろう。また、スウェーデンの選挙が9月14日にあり、社会民主党が政権復帰する見込みだ(おそらく連立政権の第一党として)。これはスウェーデンがFTT推進連合へ参加するチャンスを大幅に高めることになる。過去にFTTに関わったスウェーデンの活動家を再度引き込み、かつてのスウェーデン国内FTTが失敗した理由は欠陥のある設計だったからだ(そしてそれはFTTに反対する理由にはならない)という最良の分析をまとめることが重要となる。

 

(会合の)より詳細な結論とターゲットとなる日程を含む文書は、間もなく共有されることになるだろう。彼らは、世界エイズ・デー、グリーン気候基金会合、ECOFIN会合といった主要なイベントを取り巻く行動に加えて、12月初旬のヨーロッパ行動デーを中心としてアイディアを練っている。

 

2)9月19-23日ニューヨークでの国連気候サミットのFTT関連イベント
(Janet Redman, IPS, and Karen Orenstein, Friends of the Earth)

気候変動問題への取り組みを訴える市民たちのデモ行進*へのロビン・フッド・タックス・キャンペーン・グループの派遣(9月21日):Friends of the Earth,
VOCAL NY, Community Voices Heard, SGAC (student global AIDS campaign; 学生グローバルエイズキャンペーン?), PUSH Buffalo, Health GAP, NNU, IPS

 

【写真は国際連帯税フォーラムのフェイスブックをご覧ください。https://www.facebook.com/NGOFORUM.FISL】

 

…中略…

 

ワークショップ:
・「気候問題に結集」会議(Climate Convergence)**、9月19-21日:IPSは、気候問題の対策資金としてFTTが話題にとりあげられる可能性があると思われる、気候資金調達に関するパネル・ワークショップに参加登録した。

・気候正義市民サミット(Peoples Climate Justice Summit)***、9月22-23日
:IPSは、計画されている既存のワークショップへFTTのテーマを入れるよう取り組んでいる(FTTのみを議題にするワークショップのための十分な余地はない)。

 

すべてのグループへの質問:
・誰か参加しにいらっしゃいますか?デモ行進前の集会に参加してロビン・フッドの帽子をかぶることができそうな地元の加盟組織がある団体はありませんか?

* http://peoplesclimate.org/march/
** http://globalclimateconvergence.org/2014/07/nyc-climate-convergence-september-19-20-2014/
*** http://www.ourpowercampaign.org/peoples-climate-justice-summit/

 

3)デイヴィッド・ヒルマン、9月25-26日ワシントンDCへ…省略

 

4)世銀/IMF年次総会と関連するFTTの取り組みー10月10-12日、於ワシントンDC…省略

 

◎次回会合:10月2日 AM9時(Eastern)

●ドイツ財務省、EU FTTに関するレポートを発表 ―ドイツの税収は少なく見積もっても176億ユーロ見込み:内容&評価

(by Peter Wahl, WEED)

 

1)サマリ 
・株式、債券、すべてのデリバティブを課税ベースに試算すると、ドイツにおける課税ベースは18兆5000億-188兆8000億ユーロとなる(デリバティブの額面価
格と市場価格のどちらを基礎にするかで幅がある)

 

・これに対し、欧州委員会指令案の税率に基づけば、ドイツの税収は282億ユーロ(もし市場移転や課税逃れを見込めば176億ユーロ)となる ※これは控えめな試算

 

・ドイツにおける取引の性質を反映すると、株式・債券からの税収は100億ユーロ、デリバティブからの税収は70億ユーロ見込み

 

・ドイツGDPへは0.02~0.09%にあたる6億~24億ユーロの悪影響があると計算しているが、税収を生産的目的に使えば大部分は相殺されうるとしている

 

・現在進行中の交渉におけるデリバティブをめぐる課税要件といった議論は未反映、EU FTTに参加するその他の国については対象外

 

2)メディアの反響
本研究が出した税収の大きさは、ユーロ圏の緩慢な成長と、ドイツのますます老朽化しているインフラへの継続的な過少投資に対して対策を講じなければならないというプレッシャー、といった背景の中で、メディアにかなりのセンセーションを惹き起こしている(国内最大の日刊紙「南ドイツ新聞」の報道など)

 

・「南ドイツ新聞(9月8日)」の記事(独語):
http://www.sueddeutsche.de/politik/finanztransaktionssteuer-steuer-soll-milliarden-bringen-1.2119145 

以下、省略

 

(翻訳:K.tsuda)

 

●『国際連帯税・金融取引税News Letter』第7号(9月16日発行)

 

◆写真は、9月21日ニューヨークで行われた「人々の気候マーチ」のもよう。30~40万人が参加。

http://peoplesclimate.org/march/ より

外れっぱなしの経済予測、根本的見直しが必要 

今朝(21日)の日経新聞の「日曜に考える」というオピニオン面のテーマは『個人消費停滞 どうなる再増税』。その中で、セブン&アイHD会長の鈴木敏文氏ともう一人の人が議論を展開しています。

 

鈴木氏の結論は「『痛税感』強く(次の消費税2%の)先送りを(すべき)」というものですが、氏も「春の時点で増税後の影響が軽微になるのは6月くらいだと考えていた」ようです。しかし、現実は「沈滞気味だ。過去2度の消費増税(1989年、97年)時の反動減とは消費の行動が大きく違う。これまでは商品の価格を下げれば
売り上げは確保できたが、今回は価格を下げても手にしてくれない」と述べています。

 

結局、「消費増税後の個人消費の反動減については国や多くの企業が軽微に終わると楽観視していたが、いざ蓋を開けてみるとそうではなかった」(聞き手側まとめ)ということですが、ここに日銀やほとんどの金融係エコノミストも加えてよいでしょう。

楽観視と言えば、この消費税問題だけではなく、「円安は輸出増をもたらしGDPが拡大するとともに経常収支の黒字増をもたらす」と、政府も日銀もほとんどの金融係エコノミストも言っていましたね(ついでに「企業収益が増加し賃金も上がりデフレを脱却できる」、と)。しかし、現実は「財務省幹部が円安の輸出増効果を否定…」(ロイター通信、2月19日)という有様です。

 

消費税の影響や円安による輸出増問題も国内経済政策の根幹ですが、この根幹の政策がことごとく誤った分析によるものであることが明らかになった今日、「異次元の金融緩和」政策というアベノミクスの(もっとも成功したと言われている)第一の矢からして根本的に見直すことが必要となっていますね。

「格差拡大は成長にマイナス」説が今やメインストリームに

「格差拡大は成長にマイナス」説が今や国際的にもメインストリームの論調となっていますが、この背景のひとつに5月EU議会選挙での極右や民族排斥主義者の伸長という現実への危機感があるようです。
 
 一方、格差が拡大しているのに成長論ばかり議論しているのが我が国の論調のようです。が、他民族への憎悪と排斥をあおるようなヘイトスピーチが横行するなど、欧州と同様な社会現象になってきていると言えるでしょう。
 
ともあれ、一昨日(9月7日)の東京新聞に『格差拡大は成長妨げる』と題した社説が載っていまして、上記のような内容を丁寧にまとめていますので、紹介します。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090702000138.html
 
【以下、肝となるところの引用です】

 先進国では長らく「経済成長すれば格差を縮小させる」という説が有力でした。国内総生産(GDP)の生みの親でノーベル経済学賞受賞の米経済学の泰斗、クズネッツ氏が一九五〇年代に唱えたクズネッツ仮説です。この常識を揺るがした(のがトマ・ピケティ理論)と言っていいでしょう。
 
 もう一つ、日本にとって同じくらい重要な命題があります。「格差拡大は成長を妨げる」。OECDや米格付け会社スタンダード&プアーズが最近明らかにしました。かいつまんでいえば、消費を担う中間層が減少し、何より所得格差は教育機会の格差となって深刻な問題をはらむというのです。  

=====引用、終わり=====


ポール・クルーグマン先生もThe New York Timesで『社会の足を引っ張る格差』と題してコラムを書いています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40292

 
 ◎それで、スタンダード&プアーズの報告は以下で見ることができます。
「格差拡大が米経済成長の足かせに、打開策はあるのか」(動画・字幕付き) 2014/08/14  http://urx.nu/bJkL
 
◎また、OECD関係は下記で。
「OECDによると、今後数十年で所得格差の拡大により世界の成長は鈍化する」 2014年7月2日 http://urx.nu/bNzP
「今後50年間の政策課題 OECD経済局 ポリシー・ノート( no. 24)」2014年7月ー『社会の足を引っ張る格差』より
http://www.oecd.org/eco/growth/Shifting-gears-japanese-version.pdf
 
◎ついでに、IMF関係は下記に。
「所得格差は経済成長にマイナス作用の可能性=IMF調査報告」2014年2月27日
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYEA1Q00420140227
「IMF サーベイ 健全な政策設計:格差を減らす有効な方法」2014年3月13日
http://www.imf.org/external/japanese/pubs/ft/survey/so/2014/pol031314aj.pdf
「IMF サーベイ IMFセミナー:格差は成長を著しく阻害」2014年4月12日
http://www.imf.org/external/japanese/pubs/ft/survey/so/2014/res041214aj.pdf

 

 

外務省、27年度税制改正で「国際連帯税」新設を要望(5年連続)

27年度税制改正要望が8月31日締め切られましたが、外務省は新設税制として「国際連帯税」を要望しています。これで5年連続の要望です。 http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2015/request/mofa/27y_mofa_k_01.pdf

今年の要望の特徴は次の通りです。

1)「要望の内容」について、ポスト2015年開発アジェンダに関する国際的議論を踏まえて国際連帯税要望を出していること

2)「税目」がこれまでの国際連帯税単独から「国際連帯税(国際貢献税)」となっているが、これは税の性格を日本的に分かりやすくしたものと思われます

3)「要望の適用見込み」について、航空券連帯税の世界での実施状況(金額含む)、フランスやEUでの金融取引税の現状に触れていること(税収の一部の開発目的への充当予定)

ただ、要望の結論が「課税方法として,我が国としてどのような方式を導入することが適当かについては,今後国際的な取組の進展状況を踏まえつつ検討する」となっており、この点具体的でない分ちょっと弱いことが気掛かりです。

【ご案内】10.12シンポジウム「グローバル連帯税が世界を変える!」

 

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今秋寺島実郎氏(日本総合研究所理事長、多摩大学学長)を座長に、国際連帯 税を総合的に検討する委員会が発足します。委員会は、金融・税制の専門家、研 究者、NGO、国会議員等で構成されます。これを記念し、来る10月12日金融取引 税などを含みつつ国際連帯税(グローバル連帯税)の意義と展望を共有する場と してシンポジウムを開催します。ご参加をお待ちしています。

 

         第2次寺島委員会設立記念シンポジウム                       グローバル連帯税が世界を変える!                                 -環境危機、貧困・格差、カジノ経済への処方箋- 

 

・日 時:10月12日(日)午後1時30分~4時45分(午後1時開場)

・場 所:青山学院大学 9号館22号室

              (東京メトロ「表参道駅」より徒歩5分)

    ・・・   ・キャンパスマップ:   http://www.aoyama.ac.jp/outline/campus/aoyama.html

・資料代:500円

・定員:100人

・申込み:こちらのフォームから申し込みください。 http://urx.nu/bn2E

 

近年、経済のグローバル化が進展するなか、世界的な貧困や格差の拡大、エボラ 出血熱などの感染症の流行、気候変動による異常気象と温暖化の進行等々、とい う地球規模課題が山積しています。また、2008年リーマンショックにみられたよ うに、カジノ化した金融資本主義が、金融不安と経済危機をもたらしています。 このようなグローバル化による負の影響に対して「課税」という方法を用いて抑 制するとともに、その税収を上記のような地球規模課題対策への資金とする国際 連帯税の議論が国際社会で活発化してきています。

一方、我が国においても2008年に超党派の「国際連帯税創設を求める議員連盟」 (以下、議連)が創設され、今日まで国際連帯税フォーラムなどの市民社会グルー プとともに、日本において国際連帯税実現のために活動してきました。今回議連 から「日本での国際連帯税導入に向けた、総合的見地からの検討を行う委員会」 の設置要請があり、寺島実郎・日本総合研究所理事長を座長に「第2次寺島委員 会」を発足させることになりました。

「第2次」というのは、2009年に当時の議連から「日本での国際連帯税の制度設 計、とりわけ通貨取引税についての検討委員会」の設置要請があり、寺島氏を座 長に国際連帯税推進協議会(通称、寺島委員会)を発足させたという経緯があり、 その委員会を「第1次」と数えるからです。

さて、今日ふたたび議連からの要請に応え、第2次寺島委員会を11月から発足さ せますが、何よりも国際連帯税に関する情報を知り、かつ広く共有化するための 場としてシンポジウムを開催することになりました。寺島座長の基調講演、そし て各分野のトップで活躍されている研究者、NGOの方々によるパネル討論を行い ます。最新情報が満載です。ぜひご参加ください。

《シンポジウム概要》

◆◇主催・後援

・主催…国際連帯税フォーラム

・後援…国際連帯税創設を求める議員連盟

。。。。 動く→動かす(GCAP Japan)

     WWFジャパン

◆◇プログラム(予定)

・主催者挨拶:田中徹二(国際連帯税フォーラム代表理事)

・議員連盟挨拶:衛藤征士郎(国際連帯税創設を求める議員連盟会長、衆議院 議員)【要請中】

<第1部 基調講演>

・講演:寺島実郎(日本総合研究所理事長、多摩大学学長)

<第2部 パネル討論>

・テーマ「欧州では今:金融取引税実施に向けた最新情報」(仮題)

。。上村雄彦(横浜市立大学教授)

・テーマ「COP21に向けて:気候変動問題の解決のカギは持続可能な資金源」(仮題)

。。小西雅子(WWFジャパン 気候変動・エネルギープロジェクトリーダー)

・テーマ「世界の貧困と格差:国連での議論から」(仮題)

。。稲場雅紀(「動く→動かす」事務局長)

 

・閉会の挨拶と今後について

。。佐藤克彦(国際連帯税フォーラム事務局長、PSI-JC事務局長)

◆写真は、「“国際連帯税”東京シンポジウム2008」で講演する寺島実郎氏(2008年11月)

◆ロゴは、航空券連帯税からに税収を原資としているUNITAID(国際医薬品購入ファシリティ)のビデオより

ピケティ以前、米国の格差問題をリアルに描いた映画小論&コラム

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トマ・ピケティ教授の『21世紀の資本論』が出版される(フランス語の出版が2013年、英語版が2014年3月)直前、米国の所得格差問題についての興味深い映画小論と新聞コラムが手近なところにありました。それを紹介するとともに、ピケティ理論理解の一助になればと思います。

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この米国の所得格差の現実ですが、他の先進国の明日の姿でもあります。日本でも、過去最高水準となった非正規雇用者(2013年全雇用者の36.7%)、生活保護受給世帯数の高止まり、そして未来を暗くする「子どもの貧困率」の悪化(6人に1人)など、格差拡大の要因の枚挙にいとまがありません。

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紹介するのは以下の小論と新聞コラム。

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1)『金持ちへの優遇を決してやめない、貪欲な米国』

2012.05.31(木)JBpress  竹野 敏貴

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35329

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2)『株価と物価、格差に懸念』

ニューヨーク=西村博之

2013/11/22 日本経済新聞 電子版なし

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3)『株価と格差の危うい関係 ウォール街も警鐘』

米州総局編集委員 西村博之

2014/1/19 6:00日本経済新聞

http://www.nikkei.com/markets/column/ws.aspx?g=DGXNMSGN1800V_18012014000000

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1)『金持ちへの優遇を決してやめない、貪欲な米国』

米国1980年代末から1910年代初めにかけての米国の「金ぴか時代」を当時の映画とともに紹介し(『エイジ・オブ・イノセンス』『風と共に去りぬ』ほか)、同時に現代のカーペットバッガーが住む町、ウォール街についても映画で紹介している(『大いなる野望』『アビエーター』ほか)。

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カーペットバッガーとは、南北戦争後の荒廃した南部の地に、一攫千金の夢を追って、使い古しのカーペットで作られた「カーペットバッグ」に一切の持ち物を入れやって来る北部の連中のことを言うのだそうだ。現代的に言えば強欲に取り憑かれた連中と言える。

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以下、本文より引用(映画を述べた部分ではなく現代の格差をもたらす一要因の税制についての部分)。

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100万ドル以上収入のある者は少なくとも30%の税金を払うべきだ」という富裕層への課税強化を目指した「バフェット・ルール」法案が、4月16日、共和党の反対のため米国上院で否決された。

 「ブッシュ減税」により配当・長期キャピタルゲインの税率が15%へと引き下げられたため、それらが多くを占めれば通常所得の最高税率35%よりはるかに低い率となるからである。

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2)『株価と物価、格差に懸念』

以下、要旨をまとめる(「 」内が引用文)。

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「…相次ぐ量的緩和でFRBの資産(マネーの供給量)は4倍強に膨らんでいる。」

「注意が必要なのは、どこにマネーがあるか」だが、FRBから(国債買取等で)銀行の口座に振り込まれた(巨額の)マネーが融資などを通じて銀行外に出ているかというと、「世の中に出回る『マネーサプライ』は(2008年の)危機前の約4割増にとどまる」。

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この要因は、需要の弱さからくる設備稼働率の低迷などと相まって物価上昇を抑えているからだが、一方「逆に株価の上昇が続く理由は何か。マネーサプライが鈍いとはいえ伸びているのは一因だろう」。つまり「かろうじて世の中ににじみ出したお金もモノづくりなどの経済活動を素通りにして、目先は有望に映る株式に向かう。勢い不足の物価と株高をマネー面からみると、そんな構図になる」(以上、要旨まとめ終わり)。

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つまり、FRB(米国の中央銀行)は空前のマネーを供給しているが、銀行の口座に積み上がるばかりで、思ったほど市中のそのマネーが出回ってない。かろうじて出回っているマネーは実体経済に向かわず、株式などの金融の方に向かっている、ということだろう。日本での、日銀が毎月7兆円の国債を購入するという異次元緩和策も、基本的に上記米国の構図と同じとなっている。

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3)『株価と格差の危うい関係 ウォール街も警鐘』

以下、本文より引用。

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なお本調子から遠い米景気を尻目に米株価は最高値で推移する。だが恩恵は富裕層に偏り、株式を持たない一般家計の多くはリストラや賃金低迷で割を食う。このゆがみが臨界点に達し、業績や株価が崩れる可能性はないのか。勝ち組のウォール街からも懸念の声が出始めた。  …中略…

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 しかも直近は、この傾向(富の偏り)に一段と拍車がかかっている可能性が高い。株価上昇と経営者の報酬増で富裕層の資産が膨らむ一方、その前提となる企業の好業績をひねり出すため従業員のリストラや賃金抑制が続いているからだ。

 .

米連邦準備理事会(FRB)の資金循環統計によると、米家計がもつ株式や投資信託の価値は、昨年9月末までの1年だけで19%、実に2兆9000億ドル(約300兆円)も増えた。だが米国では、家計の上位1割の所得層が、株式などの金融資産全体の9割を保有する。潤うのは一握りの人々だ。  …後略…

====

本文にある、空前の利益を上げている「企業」と「働き手」への分け前の劇的減少を示したグラフは、ピケティの指摘(資本の収益率(r)>総所得の成長率(g))を待つまでもなくきわめて鮮明であると言える。

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◆企業と働き手のグラフを見る⇒扉のグラフ参照

(日経新聞『株価と格差の危うい関係 ウォール街も警鐘』より、14年1月19日付)

ところで、黄色信号を掲げていたはずのウォール街もまだまだ「強気一辺倒」のようだ。それだけバブルというマグマが溜まっていくのだが…。

 

金融取引税に関する国際電話会議(8月7日)報告

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8月7日に行われた金融取引税(FTT)に関する市民社会グループ国際電話会議の議事録を送ります。議事 録の骨子は次の通り。

 

1)9月23日開催の国連気候サミットへの取組み

⇒9.21に20万人デモが予定されているが、FTTを求めるグループはウォール・ス トリートを出発地点としてデモを行う。

 

2)欧州情勢

⇒①イタリアEU議長国への各種行動、②アヴィナシュ・パーソード(金融専門家) のイタリア財務省当局との話し合いなどの活躍 ・アヴィナシュは日本ではほとんど知られていませんが、英国等では相当著名な 人物のようです(経歴がすごい→PDF参照)。

 

3)米国のデトロイトでの水問題に関し、全米看護師組合(NNU)がFTTをも求め てのデモ

⇒ハリウッド俳優のマーク・ラファロも参加したので、メディアで多く取り上げ られたとのこと

 

4)その他

⇒Ben & Jerry’s(アメリカのアイスクリーム会社)の取締役会議長、ジェフ・ ファーマンのFTT支持のFortuneマガジンへの記事

 

ところで、このBen & Jerry’sは、日本でも表参道や吉祥寺等にお店があります。    http://www.benjerry.jp/

 

→役員会(取締役会)メンバーの自己紹介がありますが、ジェフ・ファーマン議 長の座右の銘は「正義があれば、チャリティは不要!」だそうです。

 

◆国際電話会議の議事録を読む⇒PDF

 

写真は、7月18日水道問題の解決とFTTを要求する全米看護師組合のデモ(デトロイト)

【ご案内】9.20トマ・ピケティ『21世紀の資本論』勉強会

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受付け締め切っています/ 今世界的にホットな話題となっているトマ・ピケティ著『21世紀の資本論』についての勉強会を行います。同書は700頁に上る大著ですが、このたび獨協大学の本田先生に講師になっていただき、同書の概論(全体の概略と論点)を軸に語っていただきます。ご関心のある方は、どうぞご参加ください。

 

。。。。。トマ・ピケティ『21世紀の資本論』勉強会 

。。~格差・不平等の歴史的根拠、グローバル富裕税は可能か?~        

 

。。・日 時:9月20日(土)午後1時30分~5時30分

。。・場 所:自治労(第1)会館2階「会議室A」

。。。。地図:http://www.jichirokaikan.jp/access.html

。。・講師:本田浩邦・獨協大学経済学部教授(現代アメリカ経済論)

。。・資料代:500円

。。・定員:30人(定員になり次第締め切ります)

。。・申込み:こちらのフォームから申し込みください。  ….http://urx.nu/b8fJ

。。※本田先生への質問については、「資料を読み当日行う」でも結構です。

 

まるで電話帳を2冊重ねたような分厚いピケティ本が、米国でそして欧州で飛ぶように売れ「ピケティ旋風」が吹き荒れているようです。日本ではまだ邦訳本が出ていませんが、いち早くマスメディアや週刊経済誌等でピケティと同本の紹介や特集号が組まれるなど、「プチ旋風」状態です。

 

なぜかくも話題騒然となっているのでしょうか?

 

「ピケティの本がすごいのは、(多くの人が指摘し、また皮膚感覚で感じている)格差が拡大しているという事象を、過去100年以上の統計データを使って、これが一過性の現象ではなく長期にわたるトレンドで、『富と所得の格差の拡大それ自体が資本主義経済に内在する』ことを実証して見せたことにある。これはこれまでの経済学の常識を覆す衝撃的な主張である」(『週刊エコノミスト 8/12・19号』吉松崇「ピケティ理論で知る資本主義の本質」)。

 

では、どんな常識が経済学を被っていたのでしょうか? また、それを覆した「 r(資本収益率)>g(経済成長率)」というピケティ理論の核心をどう理解すべきでしょうか?

 

結論として、ピケティは格差拡大を阻止し、再分配を推進する方策として、グローバル富裕税(所得と資産の両方への課税)を提案していますが、この税の実現可能性はありますでしょうか? また、こうした直接税ではなく、資産のフローである金融への課税=金融取引税は効果がないのでしょうか?

 

ともあれ、同本の概論につき、本田先生に縦横に語っていただきますが、時間を4時間取っていますので、事前に先生への質問等を準備しておいてください(申込みフォームに記入)。なお、同本の仏語版、英語版(ダイジェスト版含む)を読んでいない人は、ネットで読むことのできるものを下記に上げておきますので、どうか事前に読んできてくださるようお願いします。

 

■ピケティ:「21世紀の資本」イントロダクション

(キンドル版でのイントロ部分の邦訳)

http://median-voter.hatenablog.com/entry/2014/05/10/115302

 

■ニューヨークタイムスのピケティ関係コラム(ポール・クルーグマン「ピケティ・パニック」など—現代ビジネス)

http://gendai.ismedia.jp/search?fulltext=%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3

 

■【日経新聞】ピケティ氏の陰鬱な「資本論」 ウォール街に警戒

米州総局編集委員 西村博之

http://www.nikkei.com/markets/column/ws.aspx?g=DGXNMSFK2400E_24052014000000

 

■【朝日新聞】(ザ・コラム)ピケティ熱 アメリカが愛する「マルクス」 有田哲文

http://www.asahi.com/articles/DA3S11213585.html

 

◆グラフは、日経新聞コラム「株価と格差の危うい関係 ウォール街も警鐘」より
http://www.nikkei.com/markets/column/ws.aspx?g=DGXNMSGN1800V_18012014000000